結婚したいのか、するのか、できるのか
幼い頃からなんとなく、自分は将来結婚しないだろうと思っていた。
高校を卒業するまで何一つ不自由なく育ててもらって、両親には本当に感謝している。
が、両親はお世辞にも仲が良い夫婦とはいえず、私の記憶の中ではしょっちゅう喧嘩をしていた。結果的に、私が大学に進学するときに円満離婚した。(そんな言葉は多分ない)
あの頃、私たちの家族の関係性は最悪だったから、意外とすんなり離婚という事実を受け入れることができた。
多感な思春期の真っ只中に離婚したから、私の中で辛い記憶として残ってしまっているのだろう。現実問題、そこまで激しい喧嘩をしていたわけではないと思うのだけど。
自分がもし結婚して、子どもを産んで、その子どもに同じ思いをさせてしまったらどうしよう。そんな起きてもないことに対する心配をして、結婚というものから自らを遠ざけた。
大切な人がいることは、強い。
一人では頑張れないことも、応援してくれる人がいたら力をもらえる。
でも、二人の関係性に"恋人"という名詞がつくことによって、辛く悩まされることも多かった。
周りの友達は同棲、結婚、妊活と人生のステップを少しずつ進んでいくのに対して、私はあれからずっと同じ場所にいる。
自分に厳しく他人にも厳しい私が、新しい恋人を作るなんてことは決して簡単ではなく、一人の自由気ままな日々が過ぎてゆく。
そのことに焦りを覚えつつも、正直ここから抜け出したくないという気持ちもある。
「私は結婚したいのか?」
前の恋人と別れるまでは、結婚したかった。
でも振り返ってみるとそれは、彼のことが好きだからではなく、「みんな結婚してるから」「恋人の次のステップは結婚だから」という気持ちからだった。
みんなと同じステップを踏み外すことへの恐怖、一生一人で生きていくことに覚悟は持てない。
今は、結婚してもしなくても、どちらでも良いと思えるようになってきた。もちろん、出会うことを諦めたわけではない。流石に諦めるにはまだ早すぎると自分でも思う。
でも、結婚にこだわることはない。
いくら多様性の時代といえど、私のように真面目に生きてきた人にとっては、結婚して子供を産むことが正しいと思いがちかもしれない。
自分が幸せになるために結婚があるなら、したらいい。結婚したいと思わないなら、無理にすることはない。
私は天気のように気持ちがコロコロ変わるので、これも数ヶ月後にはひっくり返っていて、「絶対に結婚して子供を産む!!」と息巻いているかもしれない。
でも、それでいい。
自分の感情を認めてあげられるのは、自分だけだから。
自分勝手で、優柔不断で、いつまでたっても覚悟できない私だけど、それでいい。