皮膚炎注意報🔥
ペットが健康であるように・・note32
今年は夏から秋にかけて、「カイカイ注意報発令中!」という感じで、皮膚炎のご相談がとても増えてきています。
オリンピックまでは非常に暑かったのですが、お盆以降前線の影響で、雨や曇りの日が多く、多湿になった影響もあるのかも知れません。
皮膚の炎症として、皮膚の上に現れていることは、本当は身体の中で起こっていることの「SOS」です。ですから、炎症を新薬で一時的に抑えたとしても、身体の中の原因を取り除かないとなかなか完治はしないですし、その原因の除去には、時間が掛かるということです。
時間が掛かるものですから、飼い主様はパートナーの痒がっている仕草、舐めている様子に耐えられず、また元の薬、元の療法食に戻ってしまうケースが多くあります。
そこが、皮膚炎の難しいところです。
■寄生性皮膚炎
以下に挙げる三つの皮膚炎は、「犬の三大皮膚病」と言われています。
①毛包虫(もうほうちゅう)症(アカラス)・犬ニキビダニ症
原因・・犬ニキビダニの寄生(皮膚の中に)。出生時、母犬からの接触もしくは胎盤感染でもうつる。また寄生している犬との接触感染でもうつる。
症状・・10ヶ月未満の短毛種に多発。
・落屑型(局所的) 慢性・・口、目の周囲、前足に出始め、局所的なフケがみられ、脱毛が次第に拡大する。痒くない。
・膿包型(全身) 急性・・口、目の周囲、前足に急に体液をともなった湿疹となり、化膿菌と混合感染し、発病後一ヶ月で全身膿皮症となり、膿を出し悪臭を発する。痒い。
※接触して感染しますが、健康体では発症しないこともあります。しかし、体調を崩したときに発症してきます。
②疥癬虫(かいせんちゅう)症
原因・・犬疥癬ダニの寄生(表皮に)。
症状・・赤い斑点、膨れる発疹と激しい痒みから始まる。年齢、犬種に関係ない。足の先、顔面、耳、側部、下腹によくでる。そして次第に全身に拡大。痒みが激しいため、皮膚を掻きむしり、自分で噛んで傷を作り出血する。脱毛。肥厚(皮膚が厚くなる)。
※接触感染するが、アカラスと違い健康体でも発症する。
③皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)(真菌症(しんきんしょう))
原因・・糸状菌(カビ)が皮膚に浸入することで、発症する。このカビは水虫やシラクモ、ハタケと同じ種類。
症状・・円形、または類円形の脱毛、フケ、皮膚の肥厚。二次感染がなければ痒みはない。
※診断には紫外線灯を使用し、紫外線を当てると感染被毛は蛍光を発します。
■ホルモン失調性皮膚炎
①黒色表皮肥厚症 象皮病に似ている
原因・・甲状腺刺激ホルモンの分泌減退に起因する皮膚病。ダックス、プードル、テリアによくでる。
症状・・脇の下、内股の表皮が肥厚、脱毛と激しい黒色の色素沈着を起こす。
②甲状腺機能低下症
原因・・甲状腺機能低下に起因し、ドーベル、レトリバー、ビーグルによくでる。
症状・・肥満とともに肩、背中に左右対称の脱毛がみられる。脱毛した下の皮膚は黒っぽくなる。痒みはない。
③発情ホルモン分泌過多症(メス犬)
原因・・女性ホルモンの過剰分泌による。
症状・・頭、顔、足の被毛は正常であっても、他の全身が脱毛する。皮膚は柔らかで、滑らかである。痒みはない。
5歳以上のメス犬に多く、卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)または卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)を起こしている。また、シーズンでもないのに乳頭と外陰部が、発情期のように大きくなる。
※卵胞嚢腫も卵巣腫瘍も悪性のガンではない。
④セルトリー細胞腫(オスの雌化症候群)
原因・・精巣のセルトリー細胞に腫瘍が発生。女性ホルモンの分泌過多による皮膚病。症状は③同様。
症状・・腫瘍ができていない方の睾丸は小さくなり、乳腺がメスのように発達していく。オスを引きつける性的誘因を行う。片睾丸、陰睾丸の犬になりやすい。
■代謝障害による皮膚炎
①湿疹
原因・・微生物、寄生虫、免疫学的検査がマイナスと出た場合、皮膚の炎症を指す。
症状・・二次感染が強く、赤くなり、膨らみ、水疱ができ、膿をもち、フケがでる。
②アレルギー性皮膚炎
原因・・花粉、ホコリ、食べ物(小麦、大豆、動物性油脂、鶏肉、牛肉、添加物等)、注射、昆虫毒、日光(紫外線)などが原因の過敏症。
症状・・定期的な再発(春から夏に酷くなり、秋から冬にかけて治まる)。目、脇の下、指の間、お腹の部分に痒み、発疹(赤み、ブツブツ、脱毛など)がでる。喉にでれば喘息、鼻にでれば鼻炎、目にでれば結膜炎、腸にでれば下痢・軟便となって現れる。
③脂漏性(しろうせい)皮膚炎
原因・・皮膚の脂質代謝障害が原因
症状・・アレルギー性皮膚炎の合併症としてでる場合もあり。脂が皮膚ににじみ出てくる。肥満体質の犬に多い。次の3つのパターンででる。
1)乾燥型・・皮膚は乾燥、大きなフケがでる。脱毛は少ない。ドーベル、シェパードに多い。
2)油脂型・・皮脂腺の発達した尾根によく出て、被毛が脂っぽくフケが付着。悪臭が酷い。
3)皮膚炎型・・痒み、脱毛が著しく、耳、尾背面、下腹部に広がり、犬は狂ったように病巣を噛んだり掻いたりする。
■特異な皮膚病
①フィラリア性皮膚炎
フィラリアの寄生により、その毒性でアレルギーを起こす。腰の部分が禿げてくる。
②膿皮症(のうひしょう)
皮膚にブドウ球菌、連鎖球菌、緑膿菌、大腸菌が感染して起こる。局所型。
③趾間性皮膚炎
指のまたの間に②の菌が感染して起こる。趾間をよく乾燥させること。
④天疱瘡(てんぽうそう)
自己免疫性皮膚炎。免疫過剰によるもの。犬の膠原病。
⑤コリーノーズ
コリー、シェルティー、シェパード、スピッツなどが日光の紫外線に対し、過敏な皮膚反応を起こし、脱毛、脱色する。
■獣医さんでの治療
<内服薬として>
①プレドニン・・合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)。即効性と高い効能がある。しかし、ステロイド性肝炎、糖尿病やクッシング症などの副作用が強いので、長期投与は難しい薬です。
②アトピカ・・免疫抑制作用による症状の緩和。効果が出るまでに時間が掛かる。免疫抑制による、感染症、ガンなどの罹患の懸念。
③アポキル・・即効性がある。痒みを伝える信号を遮断することで、痒みを軽減する。
免疫抑制により、他の病気に掛かりやすくなる懸念がある。
<外用薬として>
ステロイド軟膏・・全身的な副作用は少ない。長期投与により、皮膚の萎縮などの副作用。
他に、インターフェロン療法(身体の免疫を調整する)や減感作療法(抗原を定期的に投与することで、体質改善を促す)などもあります。
■皮膚炎とどう付き合っていくのか?
皮膚炎になった⇒炎症を抑える薬を塗る、服用する⇒止めると再発する⇒もっと強いお薬になる と悪循環を起こすのが、この皮膚炎の病気のやっかいなところです。
先にも書きましたように、症状は皮膚の上に起こっていますが、実は身体の中のSOSなのかも知れないと考えると、アプローチの仕方も変わってくるのかと思います。
■最大の免疫器官=大腸と肺
大腸は粘膜を通じて、外界から入ってくる食べ物やバクテリアと接しています。大腸ではまた、体内で生じた有害物質を便に変えて排泄したり、余分な水分や汚れを皮膚の汗腺をから発汗作用によって、処理したりしています。
外界に直接触れる肺と大腸には、リンパ管が網の目のように張り巡らされています。リンパ管の中には数々の免疫細胞がいて、身体の防衛作用を担っています。肺と大腸は、身体の最大の免疫器官といっても良いかと思います。
大腸は便に含まれている水分を吸収して腎臓に回し、再利用する働きをしています。大腸のリンパ管が脂分などの老廃物で目詰まりすると、水のリサイクルシシテムに支障が生じるため、水毒が溜まります。その時に皮膚の汗腺を使って、老廃物を水と一緒に排泄しようという働きが、湿疹などの皮膚炎です。
ところが老廃物が多過ぎると汗腺が目詰まりしてしまい、皮脂腺からの油の分泌が悪くなります。皮脂腺から肌への潤い成分の分泌が滞ると皮膚がかさついて、今度はアトピー性皮膚炎になります。
以上のように、身体の中の免疫機構(大腸)を改善することも、皮膚炎の対応の一手なのかもしれません。
■食事とサプリメント
ペットフード:
犬猫、特に猫は生来「穀物」を直接摂ってきませんでした。獲物の腸内に残された消化された穀物を間接的に摂取してきました。その為、穀物が使用されているフードにアレルギー反応(多くは軟便や下痢)がでる子が、数%の単位でいます。犬も同様の子がいます。
その懸念のある犬猫には、「ホリスティックグレインフリー ドッグ・キャット(穀物不使用フード)」をお勧め致します。https://www.sofia.co.jp/SHOP/HGF-2.html
https://www.sofia.co.jp/SHOP/HGF-C2.html
サプリメント:
※お腹の健康は全身の健康に役立ちます。
「フローラケア」(乳酸菌+乳酸菌生産物質)、「アシドフィラスパウダー」(乳酸菌)、「ベジタブルエンザイム」(消化酵素)
※アレルギー専用のサプリメント
「アレジーサポート」(酵素とハーブの作用で体質改善)、「チックウィードフォーミュラ」(体内で抗ヒスタミンのような働きをします)
※炎症を抑えるサプリメント
「ユッカ&アニス」「ユッカインテンシブ」(共に炎症を抑える効果が期待できます)
※抗菌作用の王様
「ミナスプロン液体」(プロポリスには、強い抗菌作用が期待できます)
※免疫賦活作用
「国産初乳」「コロストラム」「オーガニックバイオゲルマニウム」(共に免疫を上げる・免疫を正常化する効果が期待できます)
ペットの健康食品の店ソフィア 代表池田 https://www.sofia.co.jp/