パニグレ27章・読後書き散らし
サンドワールプールにも言及します。
パニシングの発生責任について科学理事会が詰られる場面。
代表のニタが応えて曰く、
そのあとゲシュタルトを侵蝕から守るためにニタが現場に出た場面でのセリフがこれ。
視座が高みにあっても自分だけは低みから除外する輩と違ってニタはがんがんリスク取って自分を低みに置くんですよね。こういうボンドルドみたいな言動に自分は非常に弱い。
科学理事会の重役だからニタの保護は最優先されてたけど、ニタは侵蝕度の高いところに無茶して留まってパニシングによる二次被害を阻止した。
サンドワールプールのシナリオでは、ニタはパニシングを一時的に無力化できる抗体を人体実験で精製し、巨大施設サンドワールプールのダクト内に張り巡らせることでパニシングに対抗しましたが……
もうやめてよ!ニタのライフはゼロだよ!!
完全に悪役だけど、皮膚の下がぐずぐずになるまでの人体実験してたけど、一時的には完全に無力化できたロランにも中央制御装置を侵蝕され逃げられたけど、最終的にサンドワールプールは崩壊したけど、そこまで言わなくてもいいじゃん……
空中庭園に持ち帰った抗体のサンプルも役に立ったじゃん……
27章でようやくニタのこのセリフが理解できた気がする。サンドワールプール読んだときはそれとこれとは別だと思ったけどニタからすればそんなことはなくて連続した話ですね。
パニシング発生後に地球は棄てられ上澄みだけが宇宙に飛んで巻き返しを図ってた。
この分断は深く27章のボス戦もそれだった。
先に空中庭園が攻撃するように仕掛けるのとかはかなり「善」の挙動をしていたように感じる。
いや確かにワタナベの死をでっちあげたり穏健派のオブリビオンを軟禁したり、ワタナベを倒してその「死」を本物にしようとしたけど……
ワタナベの死を捏造して空中庭園への敵意を煽ってもオブリビオンを統率できないことを悟ったときのバラードのやるせなさを思うとかなり心に来る。それでもまだワタナベに空中庭園に圧力をかけられる武器を渡して死んでいったのには救いを感じる。
本編27章とペルソナコリドーを踏まえると、地球と宇宙の背骨をワタナベなら支えられると言いたくなる。
かなり敏感で楽な道ではないけどね。
今回はかなり王道に戻ってきたなという印象がある。
幕間ではあったけど本編ではあんまり出てこないパニシング発生時のゴタゴタの話だったし、父親の遺言の場面でも感動しちゃった。
こういうの好きでしょ?みたいな典型的なロボットものもあったし(自分も好きです)。
パニグレは人間出身のロボットを題材にしてるからいいんですよね。人間と機械の本質的な違いとか、人間性とは何かとかのテーマを直接扱わなくてもおいしい部分だけ消費できるのは「元人間のロボット」の特権。
この人直截的でわかりやすいのは助かるけど……かなりタチ悪いやろ。
黒野とかネガットより手に負えないし、無害なはずがないという直感がある。