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腰痛になりにくいソファとは、「いろんな姿勢で座れる」ソファ

・腰痛の原因は多様

ぎっくり腰になったことがある人は、結構いらっしゃるのではないでしょうか?当店にも、腰が痛くなりにくいソファを探しに来られる方は多いです。
お医者さんに聞いてみたところ、腰痛と一口に言っても、実は85%は原因が分からないそうです。揉んで痛みが和らぐなら筋肉の痛みの場合が多く、脊髄や内臓の疾患やストレスでも腰痛になるとのことです。特に、頻繁に腰痛になる人や、慢性的に痛い方は、一度病院に行ってみることをお勧めします。
これらの原因の内、座る事によって筋肉や筋を痛めることが原因の腰痛について、私がこれまで学んできたことをまとめて書いています。

・座ることで腰への負担は増す

意外なことですが、アスリートや体を動かす仕事の人だけでなく、デスクワークの人にも腰痛は多いそうです。実際、来店されたお客さんで、腰が痛くなりにくいソファを探している方は、デスクワークの方が多いです。座ることで痛くなるのは、椎間板と腰の筋肉です。

・椎間板が傷む
まず、椎間板とは背骨の間にクッション材として入っている柔らかい部分で、それが傷むことで周辺の神経が刺激されて痛みを感じます。その場合は、手足がしびれるような痛みを伴います。知ってる方も多いと思いますが、背骨はS字が正しい形です。しかし、体に合わない椅子や、崩れた座り方をすることで、背骨は猫背のように曲がってC字形になってしまいます。この場合では、椎間板のお腹側がつぶされて、強い圧力がかかり続けるため、椎間板が痛んでいくと考えられます。それを防ぐには、座っていても背中がS字型になるように、椅子やソファが腰を支えるような設計になっているか、または、背もたれと腰との間に隙間が開かないように、クッションなどを置いて座ることが重要です。よく家具屋さんで、ソファにクッションを置いて販売しているのは、おしゃれなだけじゃなく、そういう実用性もありますので、ぜひ使って試してみてください。

・腰の筋が傷む
次に、腰の筋が傷む場合です。私が人間工学を学んだときには、座ると言う行為は、下半身を楽にして上半身に負担をかける行為だと習いました。人は身体を休めるために座っているのですが、実はその時も気がつかないうちに、背筋や腹筋など様々な筋肉を使っているのです。ですので、上半身に負担がかかるような姿勢で長時間座り続けていると、立ち上がるときにその部分に痛みを感じたりしますし、特定部分の筋を痛めたりします。

・腰痛になりにくい座り方

では、どうしたら良いのかと言うと、気をつけることが3つあります。1つ目は、背骨の形をS字型に保つように座ること。2つ目は、ソファと身体との隙間を作らないようにすること、3つ目は、同じ姿勢で座り続けないことです。

・背骨をS字型に
背骨の形をS字型に保つように座るためには、骨盤を前に傾けるように座ることです。事務椅子ですと、座面が前下がりになっている椅子を選び、背もたれにもたれないように座ることです。ソファの場合でも、腰を背もたれに押し付けるくらい深く座るようにすることです。背中を丸めて座っていると、見た目は楽のようですが、実は筋肉を使ってその姿勢を維持しているのです。

立ち姿s

・隙間を作らない
ソファと身体との隙間を作らないようにするには、置きクッションを使うことです。一般的なソファは、身長170cm程度の人を想定して設計されているものが多いので、背が低い人や背が高い人は、体に合わないソファに座ることになります。ですので、自分が座った時に、背もたれと体の間に隙間ができるようであれば、いろんな大きさのクッションを使ってください。そうすることで、力を抜いても姿勢が崩れなくなるのが理想です。

腰クッション無しC

腰クッションS

(写真のモデル:BASE)

・姿勢を変える
同じ姿勢で座り続けないことで、使っている筋肉を変えて、その部分が痛くなりにくいようにすることです。映画館の椅子はよく考えられて設計されていますが、モゾモゾして姿勢を変えている人をよく見かけませんか?私はソファを設計するときに、背もたれの上に腕が乗せられる高さにするようにしています。それは、ソファに斜めに座ったり、背もたれの上に肘を乗せて頭を支えたりしながら座れるようにするためです。ソファの角度であれば、肩甲骨くらいまで支えれば充分ですので、長椅子を買う場合はハイバックではなく、肩より少し低い位の背もたれの高さを選んでみてください。

・ソファの選び方
家具店で、普通に座っててソファを選ぶのではなく、いろんな姿勢でソファに座ってみるのがお勧めです。よく寝転ぶ方であれば、寝転がって選ぶのが正解です。

腕曲げ

寝る-

(写真のモデル:LIFE)

・腰痛になるのを防ぐ日頃の行動

同志社大学 生命医科学部医工学科教授 横川隆一先生のお話が面白かったので紹介します。先生は人が装着するロボットの研究をする中で腰痛の原因を見つけて、ご自身の腰痛を治されました。
そのメカニズムをざっくり書くと、人の腰周りだけでも大小様々な多くの筋肉があり、同じ姿勢を続けたりすると、サボる筋肉がいる。その準備ができていない筋肉を急に使うことで、筋肉や筋が傷んで腰痛になるとのことでした。ですので、ラジオ体操や屈伸をすることで、サボっている筋肉を刺激し、動く準備をさせることで、腰痛になりにくくなるそうです。
私自身も、ぎっくり腰になりそうな予兆がある時は、ゆっくりと屈伸をするようにしてから、ぎっくり腰になりにくくなっています。腰痛になりやすい人は、日頃の体操や屈伸をしてみてはいかがでしょうか?

屈伸

・まとめ

腰痛の原因にはいろいろありますので、椅子やソファーを変えたからといって治るとは限りません。しかし、座り方に気をつけるだけで、腰痛になりにくくなる場合も結構あると思っています。
今日からは、腰が支えられているか、力を抜いても姿勢が崩れないか、姿勢を変えながら座っているか、これらに注意して座ってみてください。
ソファの選び方についても書いているので、こちらもご一読ください。

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