ソファ職人道- ソファと私 佐山 翔太郎
こんにちは。今回は久々に工場に取材にいき、毎週お休みの日に骨董茶碗を見に行くのがお好きという、座クッション入れを担当されていた、ミステリアスな雰囲気の佐山さんにお話を伺いました。瀬戸や多治見、信楽、伊賀、常滑と東海近辺に集まる骨董の熱気は「中学生の恋愛のように寝ても覚めても気になるあの熱量と似ている」とのこと。うーん、こんな名言が出るということは佐山さん、タダ者では無さそうです。
本来の美しさを意識する。
-なぜソファ職人になろうと思われたのですか。
元々モノ作りが好きだったというのと、アクリルを使ったものづくりの仕事をしていた経緯がありますので、そのアクリルを使った仕事が楽しかったというのが大きいですね。
-なるほど〜ものづくりがお好きなのですね。そんな器用そうな佐山さんにも、カバーに入れるのが難しいソファなどはあるのでしょうか
NewSugar Hi-Back Modern の羽毛仕様は手が疲れて大変ですね。狭い所に手を入れて、調整するので。NewSugar Hi-Back Modernの羽毛が一番大変です。
-それだけ羽毛がいっぱい詰まったクッションということですね。作業を行うにあたり注意していることはありますか。
ヌードの時もカバーの時もですが、縫い代がゆらゆらと波にならず直線にならないと駄目なんです。カバーを被せる時にゆらゆらしてしまうのは、力が均等じゃなく引っ張りすぎてしまうからなので。無理にグッとひっぱっても駄目で、まずは直線にすることに気をつけています。
なぜなら、ソファは開発された瞬間からデザインが美しいですよね。正しく作ったら美しいものなので、正しくやるというか、”ちゃんとやる”ことが大事で、元の美しさに近づけるような感覚です。
-なるほど。とても大事なことですね。
ちょっとでも縫い代がずれていたらそれは元の姿じゃないですよね。カバーが右に寄っていたら駄目ですし、丁度ど真ん中にあって歪みもなくラインが均等になってる姿。それが本来のNOYESのソファですので...。元々の美しさを出した状態で出荷する、ということを念頭に気をつけています。
例えば、スーパーの食器売り場には、全部同じ食器が並びますよね。変なものははじかれる。ソファも同じです。毎日何十台分の座クッションをひとつひとつ作り、僕の手から離れていく座クッションは美しいモノのはずなんですね。職人みんな当然できることですが、僕にとっては、やりがいです。
-手作りだからこそ、難しいことだとも思います。
そうですね、遠く離れてみて歪んでみえた時はひっぱりだして直します。作っているのは人間。月曜は身体は軽く、金曜日は重たくなるもんです。だけど、月曜日も金曜日もスピードが落ちても品質を落とさず、同じように美しく作らなければいけないですよね。
-全て同じ品質を保つための、職人さんの深い想いが聞けて嬉しいです。佐山さんの美しさへのこだわりは、ソファを見たときの感動に繋がっています!“しっかりとつくる”当たり前なことではなくひとつひとつのソファに向かい合っている佐山さんがとても素敵に見えました。
お忙しい中、ご協力いただきましたこと心よりお礼申し上げます。
「ソファ職人道の未来」
- 最後にご自身のソファ職人というお仕事の中で本人の意気込みを語って頂きました。
なにより健康が一番(笑)
自分もそうですが自分の身の回りの人はとても大事ですしね。健康でこそちゃんとした仕事が行えますので。
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