官足法 他人の足をもむ危険性について
官足法では膝上10センチぐらいから下をもみほぐすことをします。多くは足裏に重点があるのですが、この療法はかなり痛いです。
ネット上に悶絶する動画が、出回っているので、よくご存じかもしれません。
かつて、官有謀先生のテレビ出演時でも、タレントさんたちが悶絶する映像が放送されました。そこで、痛い療法だということが喧伝されたわけです。
じじつ、先生の著作でも、痛ければ痛いほど効果があるとうたわれています。(この時点では官先生は人助けだと思ってやっておられました)
しかし、先生の著作でも何度も述べられているように、自分の足を自分で揉めと言われています。自分でできる健康法だと何度もおっしゃっています。そこには、自分で痛くなるところまで揉めというわけですが、自分では手加減しますよね。
当たり前です。
ですが、少し調子が悪いというぐらいならいいのですが、藁にもすがりたいというシリアスな疾患を抱えておれば、そういうわけにはいきません。そこはガッツリ揉まないといけないわけです。
また、体の不自由なかた、お年寄りなどは自分の力では揉めませんので、揉んであげることになります。それは、いいんですが、それが常態化して、いわゆる施術が官足法だと勘違いしているところがあります。
事実、整体師をやっておられる方々が、研修にこられます。鍼灸師の方が来られたこともあります。ですが、本来官足法は自分で揉む療法だと再度確認してください。
それでも、人の足を揉むようになったときは、心して注意を払ってほしいというのが、このエッセイの趣旨です。
なぜそう言うかというと、人の足を揉むことは危険なことだからです。
官足法だけでなく、他人の体を触ることは本来危険な行為です。
とくに、ものすごく痛い療法なわけですから。
按摩棒で足裏を押して潰して流す、ということをします。それは老廃物(代謝の最終産物)を押し流すのですが、これが神経を刺激して、もすごく痛いのです。老廃物がたまっておれば、たまっているだけ痛みは増加します。
これを、施術者は行うわけです。揉まれる人は理性で押さえていて蹴とばしたりしませんが、時に足を引っ込めたり、手で「やめて」と押さえてきたりする人がいます。
それは防衛反応です。
犬、猫なら噛みついてくるでしょう。
人間も同じように反撃してくるのです。それは何かというと“邪気”です。気で押し返してくるのです。むろん、無意識にです。
何を邪気なんておかしなことを言うと思われるかもしれませんが、邪気と呼ばなくても、「反作用の力」と言ってもいいものです。
足を揉むという作用に対する反作用です。
非科学的かもしれませんが、これは確かにあります。
私自身、ジンジンと感じます。出ない人もありますが、出る人は激烈にでます。それは、さけて通れません。被るしかないのです。
名だたる足揉みの先生たちが、自身の健康を害して体を壊しています。なんとなくの不具合からはじまり大病にいたることがあります。それは加齢による不具合であってそんなの関係ない偶然だとおっしゃる方もいらっしゃいますが、じつは、邪気にやられているのだと考えています。
邪気というと、無垢で助けてあげようとしている揉み手に悪意が降り注ぐ、悪魔からの悪い気を吹きかけられるとイメージするかもしれませんが、そうではありません。
邪気が(ここではそんな防衛反応を邪気と呼んでおくことにするとというぐらいの意味です)降りかかるとどうなるかというと、こちらからも邪気がでます。当然揉み手にも邪気はあるわけです。それは施術が続く限り応答しているわけです。
そこで、何が起こるのかというと、邪気を受け続けるとはじめは不機嫌になり、気持ちが切れやすくなります。何でもないようなところで転んだりケガをしたりします。うっかりミスのような失敗をしたり、忘れ物をしたり、言わなくてもいいようなことをつい言ってしまって、近親者ともめ事になったりします。自分では言わないようにこころしているのに、つい口から出てしまって喧嘩になったりします。不仲になります。
そんな状態から、次には身体の不調へとつながっていくのです。
でも、この邪気を防ぐ方法はありません。ただ、被るしかないのです。
じゃどうすればいいのかというと技術でかわすことです。できるだけ痛くない揉み方を工夫するとか、緩急をつけるとかです。かならず相手の反応を見るということです。絶対、揉まれる人から目をはなさない。二人っきりで施術をしないなどです。一つの部屋で二人っきりで施術を行うのは特に危険です。なぜなら、すべての邪気を自分一人で被ることになるからです。そうではなく第三者が声かけをしたりして、邪気を分散させることです。
そして、施術が終われば、窓をあけて空気の流れをを作って、邪気を外へ出すことです。
そして、施術がおわれば、自身の体を塩と酒で清めることです。
また、迷信みたいなことを言うとお思いかもしれませんが、結構有効です。なんとなくあるモヤモヤが消えることがります。
塩は天日干しの天然塩で、神社などで分けてもらえる清め塩ならもっといいです。酒は日本酒、それも普通に醸造したものです。アルコールが入っているからと言って焼酎や洋酒などではいけません。
なぜ、有効なのかというとおそらく日本文化の中で、いつも清めるには塩と酒だったからで、その文化の中で育ってきた私たちには無意識に有効だという刷り込みがあるからではないでしょうか。これが、日本文化に影響されないで育った外国人なら有効ではないとおもわれます。その外国人はその人の文化の中にある悪魔祓いとでもいうような方法が有効になります。
それでも、なんとなくスッキリしない、どうも邪気にやられているみたいだというときには、ご相談ください。邪気吐きの方法を教えます。ほぼ、邪気にやられていると本人が自覚している人はまれですが。
人の足を触るというのは危険なことなので、どうしても触るというときには、注意して行ってください。
注意点は以下の通りです。
①夢中になって揉まない。
初心者に多いのですが、自分が楽しむために揉んでいる方がいます。相手が痛がっているのを楽しむサディスティックな心性は誰にもあるので、そうなっていないかたえず注意することです。受け手の人のためであって、自分が楽しんでしまってはいけないのです。
②技術力を高めて、できるだけ痛くないように揉む。
按摩棒という各種のアイテムによっても痛さが違います。どの道具を使うのかから、自分の手の動き、棒の持ち方まで技術を高めることです。下手はもっとも危険です。研鑽を積んでください。
③邪気は必ず出るものだと心得て対処すること。
先に述べたように施術場の雰囲気、事後の処置を徹底することです。
④できるだけ危険なことはしない。
やむにやまれづ、施術をするというぐらいの感覚でちょうどいいのです。
以上、人の足を揉むことについての危険性についてお話ししました。
そんなのまったく関係ないよという方も、いらっしゃます。そうではなく、敏感に感じているならぜひ実践してほしいものです。自分の身は自分で守るということです。
以下は試論ですが、邪気を被るという点を、もうすこし科学的にうまく説明できないかと試みました。
使ってみたのは、反ワクチン論争で脚光を浴びているエクソソームとシュディングの概念です。
エクソソームというのは、もとは癌の病態を説明するのに使われた概念だそうですが、生物体の細胞は孤立して存在しているわけではなく、互いに細胞間で小さな蛋白で交信しているそうです。その大きさは30-120nmぐらいだそうです。細胞外小胞と訳されるように、小胞で包まれています。これが、体外に出ることがあるとワクチン論争では言われたわけです。そして、呼吸や汗などから出て、ほかの人に伝播することをシュディングと言ったわけです。
ウイルスによる感染のようなものですが、何らかの物質が(substance)あるということです。
もし、実際足を揉んでいるときに、このようなごくごく小さな蛋白がエクソソームとして出ているのではないかと考えるとうまく説明できないのか、ということです。植物でも、虫に食べられないように苦味のある物質を産生したりします。同じように動物も何らかの反撃方法を持っていてもおかしくないのではないでしょうか。
そんな、エクソソームを受けても、何とも感じない人がいる反面、敏感に感じる人がいるということは花粉症の例を見てもわかることです。少しの花粉でも反応する人と、反応しない人があります。それぞれ、その物質に対する閾値は違っているのです。
むろん、シュディングを受けた側にも、その反作用からエクソソームは出るわけです。一方通行ではないでしょう。
そのエクソソームが後には免疫細胞で処理されれば問題ないわけですが、残留すると病態へ変化していくわけです。それが、自分の体を壊すということにつながると。
こう解釈すると、邪気と呼んだものが、エクソソームかもしれないのです。
科学では、幽霊のような〝邪気〟なんて存在しないと考えますので、何らかの物質が作用していると考えます。官足法は、なにか神秘的な民間療法と考えられていますが、官足法そのものは、物理的な行為です。なにせ、足を揉むだけのことですから。人間の身体のほうが神秘的なのです。というよりまだわかっていない身体の不思議があるということです。官足法は、たんに経験的な事実に基づいているだけなのですから。