![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161290890/rectangle_large_type_2_4656e2dcd4b112adb966edd0d2bcc9c2.jpg?width=1200)
彫師修行15日目 そのスピードで
日付が変わって昨日は、彫師修行15日目。
朝11時にスタジオへ。
準備をしていると、師匠が前回練習したパッドを見て、「線を見ると集中力切れたのがすぐ分かるね」と苦笑した。
「ひとつの絵にかける時間が短いかもね。数をこなす考えはやめて、ひとつにかける時間を長くしてみて」
「分かりました」
俺が頷くと、師匠は自分の仕事に戻って行った。
俺は自分の描いたパッドを改めて眺めた。確かに、急に線がガタガタになっている。集中力が切れているのは一目瞭然だ。
どうしても、なるべくたくさん練習して数をこなしていきたい、という気持ちがある。ただ、それで上達していなかったら意味がない。師匠のアドバイス通り、きちんと時間をかけて線を引いていかなければならない。まだ俺はスピードを云々できる段階ではないし。
で、実際に時間をかけて練習をしてみると、今までは気にならなかった細かいところにも目がいくようになった。じっくり針を動かしていくと、時間もあっという間に過ぎる。なかなか良い感じ。
まぁ、だからといってすぐ上達するわけではないのだが・・・。
針の練習をしている間、ずっと頭の中でthe brilliant greenの「そのスピードで」が流れていた。いつも頭の中で流れる音楽には脈略がない。
修行を終え、スタジオを出て駐輪場まで歩きながら、Spotifyで「そのスピードで」を聴いた。
「することもなくて夜も昼もあくびしたり泣いたりして それはもういくじなしで寒がりの悪魔が胸に住んでる」って歌詞が当時は好きだったなぁ、なんて思い出した。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161291153/picture_pc_9194640a9b252adf321d34100300302c.png?width=1200)
ありがとうございます