「フツーのオジサンがAV監督していました」

恩地昌宏著「フツーのオジサンがAV監督していました」を読了。
どんなに興味深い経験をしていても、文章がつまらないと全てが霞んでしまう、ということがよく分かった。

まぁ、好き嫌いの問題だと思うのだけれど、俺はあんまりハマれなかった。

業界の裏話や、主人公が置かれた状況は興味深いのだけれど、主人公の主体性の無さが文章から滲み出ていて、「その時にお前がどう感じたかを知りたいんだよ!」と言いたくなった。

ちなみに、このAV会社自体は読んでいけばすぐに特定出来る。あの頃お世話になった人気シリーズのタイトルがガンガン出てきて懐かしい気持ちになった。
「使い捨てM奴隷」なんて、俺が学生の頃に観ていたシリーズなので、もう15年以上前のシリーズだ。あれから多くの時間が流れ、たくさんのものを失った。得たものもあるけれど、失ったものの方が圧倒的に多い。
昔々、charcoal filterというバンドが歌っていた。「なくしたものはいらないもの 本物は手に残る」。

しかし、実際のところ、手に残るものが本物かどうかを見極めることが難しいのが人生だったりするのだ。やれやれ。

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