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シリコンバレー出張報告

今回の(自費)出張で100万円近く使ってきました。笑
向こうでPlug & playにお邪魔し、尊敬する先輩のお家に3人で押しかけ、グロービス経営大学院の同級生で、サンフランシスコ在住の中島さん(1000人以上の中から入学式スピーチに選ばれた有名人)にけしかけられて急遽ボストンに飛んで帰れなくなる。この経験は100万円以上の価値がありました。絶対に。あったはず。多分。この先行投資のもとを取るため、このネタをしゃぶりつくしたいと思います。

目的

どうせ起業するリスクを取るなら、世界中にいい影響を与えられるような会社を作りたい。視座を最大限高めて、夢は大きく、歩みは着実に進めたい。起業文化の震源地はどうなっているのか?経産省の「始動」プログラムで視察から帰ってきた友達の話を聞いて、これは自分も行っておかなくては、と思い、プログラムの募集開始を待たずに自費で行くことにしました。ということで、この(自費)出張の目的は「シリコンバレーでバリバリやっている人たちと話して、自分の視座とのギャップを確認し、それを高めて帰ってくること」としました。今回の出張で気づいた視座・考え方の違いとそこから学んだことを3つ報告します。

1. まず飛べ!起業家は行動→学習→計画。これなら嫌でも学ぶ。

 日本から出発する直前に、中島さんのSNSへの投稿を発見。入学式スピーチを見て一方的に経歴を知っていること、プロジェクトマネジメントのコミュニティでWeb上でお話したことから、思い切ってダイレクトメッセージを送りました。ドキドキしながら待っているとすぐに快諾のお返事。サンフランシスコのカフェで中島さんとお会いし、「サンフランシスコ来るついでにMITに行ってすごいエンジニアに会おうと思ってたんですけど、MITってボストンなんですね。反対側だったんで今回は諦めましたw」みたいな話をしていたら、真顔で「いつ日本帰るんだっけ?」と聞かれ「今からred eye(夜行便)で飛んだら間に合うよ?次いつアメリカ来るの?今行かないと一生行かないかもよ?俺なら行くし、そういう感覚で移動する人とそうじゃない人ではやっぱり視野が変わってくるよね」と言われました。片道600ドル。往復で17-18万円くらい?アメリカに来る時の飛行機(変更不可)を一日早めて、すでに20万円くらい捨てちゃったからな…さらに17-18万円はきつい…そう考えた次の瞬間、「まじすか、行けちゃいますね。じゃ行きますわ」と答えてました。これを「Back to the futureで煽られたマーティ」反応といいます。そして、レンタカーでホテルに帰る代わりに、そのままSFO空港に向かい、ボストンに飛びました。結局お目当てのJohnとはニアミスですれ違いましたが、キャンパスで仲良くなったAnoopに四次元ポケットの話をし、「めちゃくちゃ面白い!次いつシリコンバレーに来るのか?」と興奮させ、Twitterでつながることができました。そのあと、悪天候でフライトがキャンセルになり、カウンターで「次は2日後」と言われてあわや日本に帰れなくなる事件が勃発。やばいことに。

2. 結局何とかなる!

 8月までは究極に忙しいから会えないと言っていたJohnも、「ちょっとボストン来たから会わない?」と連絡したら「今から行けば22時以降なら会える」とリアクションをくれました。帰りの便が18時(この時にはまだこの便に乗れると思っていたw)だったので残念ニアミス、次回Zoomでという返事をし、代わりにAnoopをナンパして四次元ポケットの話をしました。野球でも転がせば何かあるのと同じように、行動したら何かあるものです。
 そして、BOS空港の24番ゲートでフライトを待っていたら、30分前になってもスタッフが誰も来ない。あれ?と思って周りを見ると他の乗客もざわざわしています。遅延かな?と思って掲示板を見に行ったら「Canceled」の文字。「そもそも無理やりねじ込んだボストン行き。SFO空港に22時着で、レンタカーで一回ホテル戻って、荷物回収して、翌朝のフライトで日本に戻る予定だったよね。キャンセルってもしかして終了のお知らせか?」と目の前が真っ暗に。ダッシュでカウンターに行ったら長蛇の列。待ってるだけで18時になっちゃうよ!本当に飛ばないの?代わりの便はないの?
 結局1時間並び、カウンターで「どうしても今日中にサンフランシスコに帰りたいんだけど方法はないか????」と聞いたら「悪いけどフライトはキャンセルになったから、次の便は2日後だね」と返事。「いやいやいやいや。三連休に休暇を2日もつなげて来とんねん!あと二日も待ってたらもう一週間休暇延長やんけ!!まだ会社辞めてへんねん、今年度いっぱいは頑張りたいねん!」と思いつつ、「上司に事情を説明してあと1週間休暇を追加するか、時差あるけどテレワークみたいにするか、ホテルとレンタカー屋に電話してボストンから成田の直行便取るか、どの選択肢もクソしかないな。あ、しかもホテルの荷物に会社のPC入ってるわ。サンフランシスコにはどうやっても戻らんとかんやん。やばいな詰んだな。」と10分くらいの間にぶわーっと考えを巡らせました。
 いったん落ち着いて、航空券予約アプリで他のフライトを探し始めました。すると、意外とある!今日の夜便で帰ったらギリギリ日本行きのフライトには間に合う!ホテル帰る時間はないけど、ちゃんまりか長福に荷物回収してもらってSFOに来てもらったら何とかなる!よし、予約や!ということで手続きを進めていくと、「エラー。手続きの途中で売り切れたようです」的な表示。「売り切れたようです」じゃないのよ。せめてその人から聞いた感やめてよ!気を取り直してほかのフライトを見ると、まだまだある!よし!今度は急いで予約するぞ!あれ?急にクレジットカードの連携が切れたぞ。もう一回番号入力して…やばいやばい、さっきまで24番ゲートにいたやつら全員がライバルや。急げ。よしこれで購入手続き完了や!!あれ?「急に価格が変更になりました。新しい価格は2300ドルです」いやいやいやいや!国内便に30万円は出せんよ。さすがに高すぎるよ。足元見やがって。ほかの便だってあったしそっちにしよう。あれ、もう売り切れてる…30万円出すなら、日本行きの便を半日遅らせて、通常料金で買えるSFO行きの便にしたほうがいいな。よし、予約や。あれ?またクレジットカードが!!などとひとしきり格闘しているところに救世主が。飛行機がキャンセルになったことを心配してくれた中島さんから「Unitedで今日の夜便と明日の早朝便が空いてたよ」とメッセージ。俺が使ってた航空券予約アプリでは出なかった便や!!ということでUnitedのカウンターにダッシュ。22時便は売り切れたものの、翌朝6時便を通常料金でゲット。
 日本に帰る飛行機も時間変更することになりましたが、ZIPAIRで安い直行便が手に入り、何とか休暇期間中に日本に帰る手はずが整いました。ここで学んだことは、結局何とかなる、ということ。絶望している暇などないのです。

3. 覚悟の違い

 その日のうちにボストンに飛ぶとは夢にも思っていない昼下がり。サンフランシスコで中島さんに現時点の事業プランをぶつけました。返ってきた答えは「もしシリコンバレーの投資家に興味をもってもらいたいなら、そのスケールじゃ見向きもされないよ」というもの。もともと考えていたプランはもっと野心的なものだったのですが、チームで議論を重ねるうちに現実的なものに落ち着いてしまっていました。そして、中島さんからのアドバイスは、まさに最初に考えていた野心的なプランそのもの。小さくまとまろうとしていた自分自身が恥ずかしくなりました。そして、なぜ小さくまとまろうとしていたのか?それは「覚悟の違い」でした。
 シリコンバレーに移住してバリバリに起業家として活躍している若い日本人の話を中島さんから聞き、彼らには本気で「デカい事業」を作る覚悟がある、ということを言われました。一方、自分たちは、無意識のうちに自分たちの手に負えるレベルはどこかを探し、それ以上の重責を担う覚悟がなかったことを痛感しました。そんな気持ちもあり、気づいたらボストンに飛ぶことになっていました。そして、この経験によって、その覚悟というか度胸の差は、結局思い切って「飛んだ」経験の差である、ということを体感することになりました。ボストン行きがなければ、今後の人生で旅費が倍近くに膨らむような決断をすることは二度となかったと思います。ボストン行きがなければ、「急にボストンに飛んで、帰りの便がなくなっても何とかなる」という気持ちには一生なりませんし、「次は往復ZIPAIRの変更可能便でサンフランシスコに来て、急にボストンに行けるようにしておこう」とも思わなかったと思います。これ、まさに事業プランでも一緒で、「飛んだ」経験がなければ自分の中で「ここまではやれる」という範囲が極端に狭くなってしまいます。しかも、その範囲が狭くなっていることに一生気づかないのです。今回、100万円かけてシリコンバレー(自費)出張を経験していなければ本当に一生これに気づかないまま、自分の狭い守備範囲で事業プランを考え、自分なりの小さな覚悟で起業していました。今考えてもゾッとします。それにしても100万円はかかりすぎた。次に全く同じ旅程になっても1/3くらいの費用で済みます。まさに行動からの学習です。

最後に

シリコンバレー出張で貯金がゼロになったので、T-シャツ買ってください。グッズの収益が四次元ポケットの研究開発費用になります。売上100万円目指しています。
https://soco-lab.designstore.jp/



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