起業の理由
テクノロジーヒーローを作りたい。
ソコラボで革命的な研究開発テーマを掲げ、最高のメンバーを集め、その過程を公開し、エンタメとして届ける。その目的は、世の中にたくさんのテクノロジーヒーローを生み出すことです。ではなぜテクノロジーヒーローを生み出したいのか?その理由は、小学生時代にロボコンに憧れ、中学生になってロボコンに「オタクっぽくてカッコ悪い」というレッテルを貼り、自分で貼ったそのレッテルに苦しみ続けた経験から、自分と同じような興味を持つ子供たちにそんな経験をさせたくないと思ったからです。
ロボコンに憧れる少年
山梨県の大月東小学校に通っている奈良少年。小学校二年生。工作が大好きで暇さえあれば何か作っています。特にロボコンが大好きで、11月15日に開催されたロボコン第五回大会の放送をテレビの前に正座してロボコンを見ています。そして、独創的なロボットを作る佐世保高専チームに心底憧れ、「おれは佐世保高専に行って、ロボコンで優勝する!」と両親に熱く語っています。
ロボコンで優勝するべく、毎日「ふっちゃんち」というプラモ屋にかよい、お小遣いが入ればタミヤの工作シリーズや高学年向けのプラモを買って作っています。乱雑なふっちゃんちのどこになにがあるか、それがいくらなのか、店長のふっちゃんより把握しています。ふっちゃんは店の奥でゴロゴロしながら新聞を読んでいて、お客さんがきても知らん顔です。お客さんがふっちゃんに「これいくら?」と聞くと、ふっちゃんはめんどくさそうに奈良ちゃんを読んで、「これいくらだっけ?」と聞いてきます。
ロボコン優勝を目指す奈良ちゃん。小学校3年生の時には、リモコン戦車のプラモを魔改造して、まず、立たせてロボットにしました。それにマジックハンド機構を追加して、リモコン操作できるマジックハンドロボットを作ったりしてました。
小学5年生のお年玉では、大人でも組み立てるのがむずかしい、1万4千円の完全組み立て式のラジコンを作ります。学習机の棚には、ニッパーや塗料、などが効率よく並べられ、ロボコンでの優勝に向けて着実に成長していました。
自分で貼ったレッテル
しかし、小学6年生になり、仲の良かった友達は一人、二人と東京に服を買いに行くことなど興味が移っていき、聡を残してプラモや工作から離れていってしまいました。そしてある日、友達の一人から「奈良、お前なんでそんなダサい服着てるの?」と聞かれたのをきっかけにして、いまだに工作に夢中な自分のことが「恥ずかしい」と思うようになってしまいました。
そして、奈良少年は小学校から中学校に上がるタイミングで、「オタクっぽい人がやる趣味で、ちょっと気持ち悪い」というレッテルをロボコンや工作に貼ってしまったのです。
中学校に入った奈良ちゃんがとった行動は、大好きな工作という趣味を封印して、ひた隠しにし、次に好きだった音楽という趣味に移行することでした。ギターを始めて、バンドやって、ちょっと悪いことなんかしちゃったりして、と自分のポジションを作る作業に取り掛かりました。
隠れエンジニア生活
こうなるともう隠れキリシタンみたいなもんです。ついつい工作好きが出てしまうので、意識して隠さなければいけません。特に気を付けなくてはならないのは、友達を家に呼ぶときです。自分の部屋にはギターが置いてあり、東京で買った服やバッグが置いてあります。おしゃれな映画ポスター(Train spotting)を貼り、いい感じの部屋を演出します。しかし、学習机には作りかけのプラモが入っており、というか隠してあり、効率的な配置の工具や塗料が入ったままです。
万が一机を開けられた場合の言い訳もばっちり考えています。「あ、それ?その机小学生の時に使っててそのままだから」とそっけなく、つれない感じで、いかにも興味なさそうに言います。実際に何度か、勝手に机を開けられています。「昔の写真とかねーの?」とか、「なんかエッチな本とか隠し持ってねーの?」とかいう話題は危険信号です。「あ?ねーし」とか言いながら、「エッチな本もあるけど、それ以上に、まだ湿ってる塗装用の筆とか、最近出たばかりの車種のプラモが見つからないかひやひや」するのです。
隠れエンジニア生活を続け、自分のキャラクターや立ち位置が確立してくると、「そろそろ工作好きを出しても受け入れてもらえるのでは?」という気持ちもわいてきます。小学生時代から全く興味のなかった友達は難しいにしても、小さい頃は一緒にプラモを作り、大人向けのバイクのプラモ(ドカティ)を完成させられる奈良少年に尊敬のまなざしを向けていた友達なら、わかってくれるのでは?と思ったりします。そこで、「そういえば最近ふっちゃんちいってねーよな?なんかふと、久しぶりにプラモとか工作とかしたくなったりするときない?」とか聞いてみます。「え?全然www なにまだプラモとか好きなの?」と返ってきて「いやいやいやいや全然だし!それより今度でた新曲聞いた?」となって撃沈です。
それでもやっぱり工学部に行きたい
とはいえ、人生の進路を決める大学受験ではさすがに気持ちを偽ることができず、工学部を目指します。ただ、目指す理由は「紅の豚が好きすぎてパイロットになりたいから航空工学科に行くんだ」としています。紅の豚が好きなのも、パイロットになりたい気持ちがあるのも本音です。が、航空工学科は飛行機を作るための学科であり、パイロットになるのに特にここでの学びは必要ありません。完全にパイロットよりモノづくりへの未練、憧れで工学部へ進みます。
大学でも隠れキリシタンを続けているうちに、いつの間にがどちらが本当の自分なのかわからなくなってきます。モノづくりに興味がないふり、バンドや部活が最優先のふり、がいつの間にか本当の自分のように感じられてきます。自分の外側をくるんでいた非エンジニアの鎧が、中に入ってきて同居するようになります。そして、就職の時期にはパイロット試験を受け、7次の最終面接を突破。身体検査に進みます。この時、「俺本当にこれでいいのかな?一生何も作らなくていいのかな?」と頭をよぎり、「俺、やっぱりやめます」というか言うまいかまさにその時、普通に身体検査で不合格になります。
社会に出て芽生えた志
で、楽器メーカーに入り、これまで我慢してきた自分のモノづくりに対する欲望を開放しようとします。と、同時に、自分の中に培った非エンジニア的な人格が、商品企画や営業という仕事への興味を駆り立て、実際に商品企画開発営業というような仕事をするようになります。そしてそこで、技術系に対するレッテル、営業系に対するレッテルの両方に苦しみながら、それを剥がす戦いを続けます。そうした活動を続けるうちに、志のようなものが芽生えてきます。
「世の中にあるいろんなレッテルを剥がして人間の持つ可能性を解放したい。まずはエンジニア、理系、技術系に貼られたレッテルを剥がし、テクノロジーヒーローがたくさん生まれる社会を作りたい。」
そんな思いから、ソコラボを始めました。本当の自分を解放し、会社の枠組みも超えて、エンジニアとしての欲望と商品企画者としての欲望をむき出しに、100年、200年先に世の中に当たり前に使われている技術を、今、ここ浜松で作り始めます!
おまけ
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