SOCOではたらくひとびと 代表取締役CEO 上野 操子
SOCOで働くメンバーは実際にどのような業務に取り組んでいるのでしょうか?一人ひとりにフォーカスし、これまでのキャリアや現在の取り組み、将来の夢などを聞きました。今回は代表取締役CEOの上野操子です。
#プロフィール
上野 操子
京都生まれ京都育ち。就職を機に東京へ引っ越し、コロナをきっかけに会社ごと群馬県高崎市へ。高崎愛が溢れ出てしまい「あなたの地元じゃないよね?」と突っ込まれること多々あり。基本は標準語、ときどき関西弁。自然が好きで、休日は登山やサイクリング、ツーリングなどを楽しんでいます。
海外で芽生えた社会課題への意識が起業のきっかけに
──まずは上野さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?
大学では農学部で森林経営計画を専攻し、遠く離れた対象物を観測する「リモートセンシング(遠隔探査)」技術とGISを使って、どこにどの樹種がどれくらいあるかを調べる森林資源量の調査などに携わってきました。
学生時代にはカナダに留学し、多様な生き方や価値観に触れました。周囲の友人が自分の夢に向かってやりたいことを選択し、実現していく姿にカルチャーショックを受け、閉じこもっていた殻が破れたような実感があったのもこの頃です。
それをきっかけに海外に興味を持ち、ベトナムやラオスなど東南アジアへたびたび足を運びましたが、途上国の貧困の現状やストリートチルドレンを目の当たりにし、「何か力になれないか」という支援への課題意識を感じるようになりました。
──そもそも、森林を研究する道に進んだ理由は何だったのでしょうか?
子どもの頃から自然に触れることが好きで、将来は「砂漠してしまった土地を緑化して蘇らせたい」という夢がありました。ですが日本では研究している大学が少なく、ならば森林の領域から緑化に向けた研究ができないかと思ったためです。
卒業後は民間の測量会社に就職し、建設コンサルタントとしてGISの技術を活用して企業にコンサルティングする仕事に従事してきました。これまで学んできたことを活かせるやりがいある仕事だったのですが、当時は非常にハードワークで…。3年半ほど勤務したのち、フリーランスのビジネスコンサルタントとして活動することにしました。
フリーランスになってからは環境も仕事に対する価値観も一変しました。出会う仲間が増え、ビジネスに対する視野が大きく広がるうち、海外での体験が蘇ってきました。日本は恵まれた環境で、やりたいことが自由にできている一方で、世界には働く機会が得られなかったり、満足のいく教育が受けられなかったりする子どもがまだまだ大勢います。
2019年にミャンマーを訪れた時にも、インフラや働く環境は整っていなくても自分の未来を必死に生きている子どもにたくさん出会いました。ならば「彼らに働けるチャンスを作って応援したい」という思いが湧き上がり、その一歩として同年末にSOCOを設立しました。
コンサルティング×GIS技術で企業の課題を解決する
──SOCOの事業内容について教えてください。
コンサルティング事業を主軸とし、GISを使って地図に位置情報を付加しデータを可視化するサービスを提供しています。地図が密接に関っている業界・業種というと、建設業界や測量業界、観光業界などが思い浮かぶかもしれませんが、実際は地図が活用できる業種・業界はとても幅広いんです。
例えば営業領域では、エクセルなどで管理していた取引先データを地図と紐づけることで最適なルートを導き出し、営業活動を効率化することが可能です。不動産業界では管理物件と地域の土地の状況(埋立地かどうか、浸水想定区域に含まれているか、など)を重ね合わせることで、物件の安全性を証明することもできます。
──SOCOの強みはどのようなところにありますか?
一つはビジネスコンサルタントの経験から得た知見とコンサルティング力です。企業が抱える課題の本質を捉え、位置情報に関する知見とGISの技術を掛け合わせながら最適な解決方法をご提案しています。もう一つはフォロー体制の充実です。データの提供のみならず、導入後の初期サポートからシステム開発のサポート、初めて地図データに触れる従業員の方に向けて講習や活用方法のレクチャーなども行っています。
──これまで携わったプロジェクトの中で特に印象に残ったお仕事は?
以前、ある地域を対象に栗農家さんの農地データを取りまとめる仕事がありました。どのようにデータを設計すれば利用する方が使いやすいのか、メンテナンスしやすいかなど工夫しながらUI(ユーザー・インターフェース)を作り上げていったのですが、これまで提供してきたさまざまなソリューションと、蓄積してきたノウハウを活かして完成した取り組みでした。
現在は主に自治体の職員さんに活用いただいていますが、ゆくゆくは農家さんとも共有し、生産性の向上にも寄与できたらと考えています。今回は農業のデータでしたが、今後さまざまな業種・業界に応用できる事例だと感じました。
──「起業してよかった」と思う時はどんなときでしょうか?
良くも悪くも、経営者として自分が意思決定できるところには楽しみとやりがいを感じます。大変なこともありますが、「やりたいことを諦めず、自分らしく過ごせる社会の実現へ」というミッションを実現するまでは、最後までやり遂げたいと思っています。
会社員時代は一つの組織に所属し、その枠組みの中で仕事することに少し窮屈さを感じることもありました。でも今はそんなモヤモヤが解消され、共にビジョンの実現を目指す仲間がいます。仲間の存在がすごく嬉しくて、毎日ワクワクしながら仕事をしています。
目標の実現に向けて海外での事業も視野に
──現在、SOCOのメンバーにはどのような方がいらっしゃいますか?また、今後どんな方にSOCOに加わってほしいとお考えですか?
デザイナーやプロジェクトマネージャー、GISエンジニア、バックオフィス、オペレーターなど多岐にわたりますが、仲間作りはまだまだこれからです。
一緒に働きたいと思うのは、同じ目線で動いてくれる方や、新たなビジネスを作り上げて開拓していきたいというマインドのある方です。職種としては、地図データに関わってくださる方はもちろん、オールラウンドに動いてくださる方や採用のプロフェッショナル、企業の抱える課題を解決したいコンサルティングの視点を持った方に加わっていただきたいと考えています。
また今後、事業づくりや海外での事業展開も視野に入れています。新規事業の立ち上げや企画が得意な方、海外志向のある方には活躍いただけるフィールドがあると思います。
──経営者としてご自身が成長したと感じることは?
人との関わりを大切にするようになりました。設立当初は売上やキャッシュフローばかりに目がいってしまったこともありましたが、クライアントや仲間としっかり向き合い、思いやりを持って働きたい。そういった価値観が持てるようになったのは成長かなと思います。
──上野さんがお仕事において大切にしていることは何ですか?
一つはプロフェッショナル意識です。例えばご依頼に対して額面通りの回答を返すのではなく、相手の意図と背景を汲み取り期待を超える仕事をしたいと考えています。もう一つは弱音を吐かないこと。一つひとつの仕事に真摯に向き合い、最後まで責任を持って取り組むことを心がけています。
──上野さんにとってのモチベーションの源は?
やはり「やると決めたらからやるしかない」という創業時の思いはモチベーションの源になっています。それから高崎に拠点を移してからは地域の環境にも元気をもらっています。ゆくゆくは地域の方々と一緒に何か新たな取り組みができたらと考えているところです。
──最後に、今後やりたいことや目標を教えてください。
現在、海外での事業展開も検討しており、目標実現に少しでも近づけたらと準備を進めているところです。チームに関してもリモートとリアルな場の両方を活用しながら密に連携し、まとまりのあるチームを作っていけたらと考えています。
GISや位置情報は馴染みのない方も多いと思いますが、あらゆる情報を地図上に可視化・分析することで新たな価値を見出し企業のDXを加速させる取り組みです。一歩一歩積み重ねながら、企業と社会の成長に貢献できたらと思います。
いかがでしたでしょうか?今後も、メンバー紹介や弊社のサービス紹介などを発信していく予定ですので、お楽しみにしていてください!