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ブロックチェーン技術を活用して宝くじの完全デジタル化を実現する。
この記事の概要
この度、暗号資産とスマートコントラクトを活用した分散型宝くじWebアプリケーションをテスト環境で開発しました。
この記事では、開発に至った経緯とウェブアプリケーションで解決できる事について記載します。
宝くじの仕組み
この記事を読み始める前に、前提知識として宝くじがどのように運営されているのかを書きます。
すでに知っている方は読み飛ばしていただければと思います。
宝くじの発売元は、地方自治体です。
総務省から発売許可を得ている地方自治体が、受託銀行に宝くじの作成から販売促進、抽選発表までといった宝くじの販売に関わるほとんどの業務を業務委託しています。(話の趣旨がぶれるので、地方自治体は認可してるだけで、実態は違うぞ!という議論はここではなしで行こうと思います。)
![](https://assets.st-note.com/img/1651364330634-Tw4K9YLgiD.png?width=1200)
販売元が地方自治体となると”収益金は何に使われているのか?”と疑問に思う方も少なくないと思います。
全体の売上の40%程になる収益金は、学校を初めとする子どもたちのための助成金や暮らしのインフラの整備、環境保全活動といった公共事業に役立てられているそうです。
宝くじを作ろうと思った経緯
ブロックチェーンやスマートコントラクトの仕組みを学んでいる際に、宝くじとスマートコントラクトは相性が良いのではと感じたことがきっかけで今回のウェブアプリケーションの制作に至りました。
まずスマートコントラクトは一度デプロイすると中身を変更することができません。例えば現行の宝くじであれば、販売のタイミング、抽選のタイミング、当せん金納付のタイミングなど多くで不正することが可能です。
ないとは思いますが、実は販売した当せん番号をすべて管理していて、販売していない当選番号を意図的に当選させることもできます。
その一方でスマートコントラクトは購入金額、抽選方法、当せん金納付のすべての工程が最初に決めたルール(プログラム)に従って機械的に実施されます。
つまり全く不正をすることができません。
また誰に配当金が配られたかアドレスを通じて知ることが容易にできます。(個人情報を特定することはできません。)
これらはあくまで仕組みを学んだ上での想定であり、それが実際に可能かどうかを確認するために実装しました。
現在の宝くじが抱える課題
現在の宝くじが抱える課題についてざっと書き出してみます。
・透明性がない。
・分配率が低い。
・紙の販売による余計なコストがかかっている。
・すぐに受け取れない(銀行への受け取りが必要)
そもそも、誰がどのような仕組みで当選しているのかが見えづらい部分があり透明性が非常に低いことに加えて、
総務省が提出している宝くじ受託業務の資料によると販促費やその他諸経費により売上収益金と当選金の割合が圧迫されています。 ↓
![](https://assets.st-note.com/img/1651326941189-4HNZiPoqNq.png?width=1200)
↓ちなみに諸経費の合計は毎年1500億円程度だそう。。。
![](https://assets.st-note.com/img/1651326835740-KF1DtDEExC.png?width=1200)
また、当選した際にすぐに受け取りに行けない(銀行に行かないといけない)ことも残念ポイントです。
高額当選の場合、銀行の個室に通されるらしいですがそれはそれで醍醐味か笑
余談はさておき、デジタル化できてないことが原因で上記の問題点があることは自明です。
ブロックチェーン技術で提供するソリューション
ブロックチェーン技術を活用することでみなさんにお届けるすることができる新たな宝くじの特徴は以下です。
・透明性が高い
(誰が当選者でどのように分配されたのかが明確)
・経費削減による高い分配率
(売り捌き手数料、支払い会手数料、印刷・運送費・その他経費を節約できるため節約できた分を当選金に割り振ることが可能です)
・当選金がすぐに受け取れる
(walletに送金するので当選金をすぐに受け取ることができます。)
サービス化する上での課題点と解決策
〜B to C ではなく B to G へ〜
そもそも論として宝くじを個人が開発することは違法です。
※一般の個人や会社などが発売することは、刑法第187条で禁止されています。 from 宝くじ公式サイト
我々が独自で宝くじを運営することは難しく、発行したトークンを上場させることも難しいと考えます。
そのため、分散型の宝くじシステムを構築したら宝くじを発注している地方自治体に提供していこうと考えています。
地方自治体or受託業務を受けている銀行どちらが、我々のシステムを活用するのか未確定ですが、いずれにせよ、現在抱えている課題の多くを解決できそうです。
今後、さらなる改良を加えて正式にサービスとしてリリースできればと考えておりますので後続の発信を楽しみにお待ちいただければと思います!