わかる、わかるけど

会社からの帰り道。見事な夕焼けをみていると、遠くから救急車のサイレンの音が近づいてくる。誰かがたいへんな目にあっているのだから、他人ごとではなく心配になる。

ところが、交差点を突っ切る救急車をみつけると、おばあちゃんに抱っこされた小さな男の子が「ウーウー、ウーウー」と働くクルマをみつけてはしゃいでいるのだ。

わかる。わかるけど。男の子を強く抱きしめるおばあちゃんのなんとも言えない表情を横目に、地下鉄の駅に潜るのであった。