先輩の奢りは後輩に返す
以前メーカーでファクシミリの技術職に就いてました。
自分の得意分野は通信手順。電話回線を使う古い技術ですが、聴覚も活かせるこの分野を学ぶことが、僕はとても好きでした。
約30年前のある日の残業後、2人の先輩と一緒に帰ったとき、ふいに駅の近くで飲むことになったのです。この2人と飲みに行くのは初めてで、何を話せば良いか心配でしたが何とFAXの通信手順を肴に酒が進む愉快な夜になりました。通信手順で歓談できた体験が新鮮で楽しかった。
さてお勘定。自分も払うつもりでいたけど一人の先輩から「お前は良いよ」と言われ、もう一人の先輩から印象に残る言葉をもらったのです。
「お前は後輩に奢れ」
先輩になると大変だなぁなんて頭をよぎったけど、
先輩が言いたいのはそうじゃない。
そんな気がして考えると
「あー、なるほど」
わかりました。
「世の中そうやって回っているのだ」と。
先輩には奢り返さない。
その分、後輩に奢る。
世の中そういうもの。
会社でもそうだし、
社会でもそう。
今の生活基盤、電気、ガス、水道、自動車などなど身の回りには生活インフラが整っているのは全部先人による恩恵。先人が頑張って遺した生活基盤を当然の権利のように満喫するのは何か違う。
恩恵を授かったということは、先輩に奢ってもらったということだ。
だから後輩に奢って恩を返す。懸命に働いて未来に価値を遺すのだ。
世の中そういうこと、とその先輩の言葉で気付かされた。
大切なことを教えてくれた高原さんと安藤さん、感謝してます。
元気かな?