他人まかせ、托卵

托卵(たくらん)。今の年齢や置かれた環境の影響なのか、托卵たくらんの動画を拝見して色々考えさせられました。

托卵たくらんとは自分が産んだ卵の抱卵や子育てを仮親に託する一種の寄生です。同じ種の托卵を種内托卵といい、他の種への托卵を種間托卵というようです。

種間托卵で有名なカッコウは托卵したい鳥の巣を見つけると、じっとその巣を観察します。そして親鳥が離れた瞬間、その巣に飛び乗りサッと産卵して飛び去ります。その間10秒程度の早業はやわざ。その巣の親鳥は養親やしないおやとなり、生まれたカッコウの雛に給餌きゅうじし続けます。

知っていたのはここまでの知識で、その詳細を動画で詳しく知りました。

目も開いていないひなが生まれてすぐに何をするか?
それは養親やしないおやが産んだ卵や雛を巣から落とすことです。

肢体を精一杯動かして、卵を背負って巣の外に押し出します。
養親やしないおやが居てもお構いなし。生まれた雛でもお構いなし。

雛の目はまだ開いてないので完全に本能的な行動でしょう。悪魔に取り憑かれたような行動が本能だとは、ホラー映画より遥かに怖い現実です。

兄弟殺しは他の鳥でも見られますが、その親鳥は生存戦略として奨励?しているようです。カッコウの恐ろしさは生後すぐに他の”卵”を抹殺して、餌の独占環境を事前準備するプログラムが本能として遺伝されていること。

雛が養親やしないおやに餌をねだるのは仕方ないけど、他の卵や雛を排除するあざとさは本能とはいえおぞまましい。自分より遥かに大きい雛を養う親鳥は、実の子を皆殺しされて自分の種の存続が危うくなる。自然は厳しい。

これは鳥の話。だけど人間でもこんなに利己的な本能があるとしたら恐ろしい。環境による歪んだ認知ではなく、パラサイト本能が実装された遺伝子。

道徳の発達が未熟だと問題行動になり得るけれど、遺伝子レベルなら話は別だ。脳科学とか発達心理学とか認知に続いて、こうなると遺伝医学にも関心が向いてしまう。医学生?ちょっとキビシー。不可能は無いけど。

世の中には知らないことだらけ。学びは果てしなく続く〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?