政治による貧困、といえばそうなんだけど…

明石市長によるツイート。『貧しい政治』とな。
政治を変えないと貧困から出れない、と。

で、同ツイートにリツイートされていたツイート。

カナダの大学の経済学で取り上げられたそうだ。日本の貧困者は薬物もやらず、犯罪者の家族でも移民でもない。教育水準が低いわけでもなく、怠惰でもなく勤勉で労働時間も長く、スキルが低いわけでもない。世界的にも例の無い、完全な「政策のミス」による貧困だと。

出典;Twitter

「政策のミス」による貧困、とな。
日本の貧困者はスキルが有るのに貧困なのは政治のせい、と。

確かに、と思うところは多々ある。効果の低い公的資金の分配。場当たり的な補助金ばかりで、拍車がかからない。そういう公金の遣い方をする政治が悪いと言えば悪い。もっと直接的な貧困対策をしてほしい。

確かに政治が問題なんだけど、政策のミスとは思えない。貧困対策、それだけじゃ実質賃金は上がらない。賃金は仕事の対価。仕事の質や価値を上げるのは政策ではなく労働。労働の高付加価値化、それは今は政策では厳しい。

そう思うのは、この5年間、こういう仕事ぶりを多く見たから。

  • 自発的に挑戦する意欲がなく、基本的に指示待ち。

  • 同僚に妬まれると居場所を失うから余計なことしない。

  • 指示されないと挑戦しない。それで失敗しても指示した人が悪い。

  • 新しいことを考えるのは、責任者の仕事。

  • 頭より手、手より口を動かす。

  • 周囲と比較した相対的貧困が妥当なら受け容れる。

  • クビにならないために職場と戦う。

端的に言うと、精神が自分のことで精一杯。カスタマーやスポンサーを、自分の仕事で喜ばせよう、価値を提供しようという意欲がない人が多かった。

物質的には経済的貧困だけど、精神的に心が貧しくなっている。それは、最近聞かなくなったけど、モラルハザードの影響だと思う。

巡り巡って自分の手にお金が入ってくるのは、お金を出した人がいるから。その人に誠意ある労働を提供しようという誠実さが欠けている。それは、物質的に恵まれていないことも一因かもしれないけど、誠実で居る価値が見いだせなくない社会に成り下がったからなのではないか?

誠実に生きているのに命を奪われた女性の事件は、その象徴だ。

頑張りすぎた感はある。もっと早く助けを求めるべきだった。でも、真面目に生きていた彼女が不遇な死に至ったのは、その真面目さゆえではなく、暴力がはびこる社会に問題が有る。自分の都合を押し通すためには、人の命も厭わない利己的な人が楽に生きる。その思想の根源は間違いなく政治だ。

不誠実な政治をしても政権で存在感を保つ政治家の存在。そういう政治家をきちんと裁けない、警察・検察・裁判所。権威の暴走は放置され、庶民の万引は処罰される不公平な法治国家。この国で真面目に生きるのがバカバカしくなる。ズルしたもの勝ちになる。モラルハザードは国の責任。

物質的な貧困の救済はもちろん政治の仕事。
精神的な貧困の救済も本来は政治の仕事。

この両面の貧困を手当しない限り、公金投入を増資しても、市場で非効率に使われるから、明石市長が示した実質賃金の折れ線グラフは上昇しない。

精神を豊かにする政治を強く求める。

この曲を聞くと思い出す。あいつ元気かな?

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