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公徳心(17)認知発達と社会人

認知発達を考える上で、道徳性発達段階(コールバーグ)と社会性視点取得(セルマン)は欠かせません。共に、年代に応じた段階があるので、以下の表のように相互に照らし合わせることができます。

引用元
道徳的判断力を高める道徳の授業の展開 ― 問題解決的な学習における発問の工夫を通して 
三次市立十日市小学校 青山 裕美

(広島県立教育センター 平成28 年度教員長期研修 道徳教育をテーマとした研究論文)

上記の表を参考にしながら「社会人」はどうあるべきか、私は私なりの解釈でこう考えます。

段階4は”守”、段階5は”破”、段階6は”離”。新卒社員は段階4からのスタートで、中堅社員は段階5以上が必須。管理職は段階6まで発達したもの。つまり社会人の成長には認知発達が大切で、その成長欲求が社会人のたしなみと考えています。

段階3以下は褒められたい、罰を逃れたい、良く見られたい、というおさない道徳観。発達過程なら(自分の欠乏を補完する)欠乏欲求、発達の逆行過程なら(究極的には胎児に戻ろうとする)退行欲求と言われます。これは社会人として頂けないレベル。

先日の記事で、仙台市民読本で仙台人は「公徳心が甚だ幼稚」と評されていたことをお伝えしました。

こうとく‐しん【公徳心】
〘名〙 社会の一員としての正しい生きかたを守る精神。

出典 精選版 日本国語大辞典

公徳心は中学校の道徳の授業で学ぶもので、道徳発達では段階4で芽生え始めるもの。すなわち公徳心が幼稚な成人とは、発達段階は3以下で退行欲求に支配されている状態となります

そういう人が仙台に多いと評されたのが昭和10年代。今はどうかというと…、今も確かに多いかもしれません。

多分、周りがみんなそうだから自覚してないし、自覚したところでどうしたらいいかわからないでしょう。

それはとても気の毒だと思っているのですが、いくら慎重に触れても傷を負うので、もはや手に負えなくなりつつあります。


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