映画「タイタニック」をソシオニクスで読解!登場キャラクター23人の性格タイプ解説
現在、3D版がリバイバル上映中の映画「タイタニック」。
ジェームズ・キャメロン監督による、誰もが知っている大ヒット名画で、数々の名シーンはいまだに色褪せることがありません。
今回は、ソシオニクスを使って映画「タイタニック」の登場人物を徹底分析していきます。
ソシオニクスを通すことでより一層物語を深く味わうことができます。
※ネタバレ必須なので、映画をまだ見たことがない人は、鑑賞後に読むことをお勧めします。
「昔見たことがあるけど、あらためて見直してみたい!」
「ソシオニクスが実際どんなふうに物語読解に役立つのか知りたい」
「タイプ診断を自分でもできるようになりたい」
ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
タイタニックのあらすじをソシオニクスで解説
まずはそれぞれのキャラクターの特徴的なシーンをあげながら解説していく前に、物語の全般的な説明をしていきます。
タイタニックは、デルタクアドラの倫理直観タイプ”EII”である主人公ローズが、直観倫理タイプ”IEE”のジャックと出会うことによって経験した、人生の変化をタイタニック号沈没の経緯とともに思い返すという形式で進んでいきます。
ローズ:EIIドミナント→内向・倫理・直観・合理
ジャック:IEEハーモナイザー→外向・倫理・直観・非合理
2人は鏡像関係と呼ばれるタイプで、共通性の高い2タイプを通して語られるドラマは、必然的に「倫理的で直観的」な色を帯びています。
タイタニックの持つ、
・人生の意義についての問いかけ
・愛
・最後まで希望を持ち続けること
・自らの信念に従って人生を選び取ること
などの見る人々の心を動かすメッセージは、ソシオニクス的に読み解くと倫理的で直観的と言えるのです。
この物語においてはクアドラの違いによる価値観の対立も観察することが可能で、主要キャラクターのキャルとローズ母はアルファクアドラに属するタイプのキャラクターです。
では、いよいよそれぞれのキャラクターのタイプと、その特徴がよく現れている印象的なシーンを紹介していきます。
ローズ・デウィット・ブケイター
(演:ケイト・ウィンスレット)
基本タイプ:EII
サブタイプ:ドミナント
本作の主人公ローズはEIIというタイプです。
EIIは、倫理的な見地から物事を判断する能力が特徴です。
倫理とは、物事の善悪を判断する理性のことです。母のルースや婚約者のキャルによる無分別な発言に対して、倫理的な批判を強く行うシーンがしばしば見られます。
また、EIIは直観的なタイプでもあるので物事の本質を捉える力にも秀でています。
ジャックと出会った翌日に、船のデッキで散歩をしながら会話をしているシーンで、ジャックのスケッチブックを見たローズは
「あなたには人を見る目がある」
とジャックの絵と着眼点を讃えますが、これはまさにローズの直観力によって、ジャックの直観力を見抜いたというシーンです。
またお嬢様のローズは、婚約者との結婚、決められた人生のレールに対して強い息苦しさを感じています。
冒頭での「内心では、叫んでいた」と言う独白は、倫理型のなかでも内向倫理型であることが示唆されます。
人生のレールを決められていることに対して、自らの力のみでは抜け出すことが困難であると感じているところには、EIIらしい外界への働きかける力の弱さを感じます。
普段の印象は主張的で、気が強く見えることから内向型であると判定することに違和感があるかもしれませんが、この「気の強さ」の印象は、サブタイプがドミナントタイプであることに起因しています。
ローズは、1人の女性として決然とした強い意志を持っていますが、一方で現状を打破することはできずに葛藤をしているキャラクターなのです。
①ローズ本来のあり方を取り戻すタイタニックポーズのシーン
映画史上でも最も有名でアイコニックなシーンの1つとも言える、船首でのシーン。
ここはまさに、家族のプレッシャーや決められた人生のレール、家柄、金銭的な豊かさと地位などの檻から飛び出して、
・自分の信じる愛を選ぶ=Fi(内向倫理)
・人生の新たな可能性に賭ける=Ne(外向直観)
と読み取ることができます。
Fi=内向倫理は「関係性の倫理」と呼ばれていて、2人が互いに信頼しあっていることを確認するシーンとなっており、この直後に起こる海難事故をより悲劇的に見せています。
②意思決定に時間のかかる内向合理型のローズ
全体的に、大きな決断をするのに時間がかかっている描写は、内向合理型らしいと言えるかもしれません。
・ジャックとの出会いに運命を感じながらも母親からの説得を受けて、一度はジャックに対して「もう会えない」と伝えるシーン
・宝石を盗んだ濡れ衣を着せられたジャックが、無実であるとその場で確信できなかったシーン
・ジャックとキャルから説得され、一旦は救命ボートに乗り込むシーン
などなど。
それでもジャックとの出会いを経て以降のローズの人生は、大きな挑戦にもひるまずに向かっていき人生を謳歌した様子が、老後のローズの家や私物、写真などの描写を通して垣間見ることができます。
【補足】
その他にも、ランチの最中に他の金持ちたちが「船の大きさ」を讃えおだてあっているシーンで不機嫌そうにタバコをふかすところからも、ローズがこの空間に対して感情的に反発していることがわかります。
Fe=(集団の感情的な状態=ムード)を無視していると解釈していいかもしれません。
この場で発せられるローズの数々の空気を冷やす発言と、それに対する周囲の反応もクアドラの対比構造が垣間見えるので印象的です。
ジャック・ドーソン
(演:レオナルド・ディカプリオ)
基本タイプ:IEE
サブタイプ:ハーモナイザー
主人公のジャックは、貧しいながらも自由を謳歌する若者。
映画「タイタニック」のなかでも、特に「直観に導かれて生きる」ことを体現するキャラクターです。
数々の本質をついた鋭い発言からも、直観型の特徴が表れています。
また非合理型であるジャックは、合理型に比べて柔軟であるという特徴があり、パニックになった船上という「カオス」の中で活性化され、見事に状況を乗りこなすジャックは、まさに非合理タイプらしいキャラクターです。
①IEEらしさが溢れるディナーのシーン
ローズの危機を助けたことで一等客たちのディナーに招待されたジャックは、食事の席で緊張しながらも上流階級の客たちに臆することなく自らの人生観を語ります。
ローズの母、ルースに「根無草の生活で満足か?」と問われたことに対し、ジャックは
「自分には健康な身体と白紙のスケッチブックがある。何が起こるかわからない1日を楽しむことができる」
「人生は贈り物で、無駄にしたくない。次にどんなカードが配られるかはわからないし、人生も同じようなもの。だから毎日を大切にしていきたい」
と直観的な比喩を交えて答えています。
②可能性をどこまでも信じるジャックの価値観(外向直観=Ne)
先程、直観力とは「心の目で見る力」と解説しましたが、一体何を見ているのでしょうか。
ソシオニクス理論では、人は直観力を使って「本質・可能性・背景・イメージ・パターン…」といった抽象的な事柄を知覚しているとされています。
(一方ソシオニクスにおいて直観と対になる感覚は「色・形・質感・重さ・温度」などの具体的な事柄を知覚しています)
タイタニック号が深海に沈んでしまったあと、他の乗客たちとともに海に投げ出されることになったジャックは、ローズに「絶対に何があっても諦めないで」という渾身のメッセージを伝えます。
どのような状況においても希望を捨てずに可能性を見つけて生きてきた、IEEのジャックが残す言葉として、これほど心を動かすものはないでしょう。
【補足①】
そもそも一文無しのジャックが豪華客船に乗ることができたのは、ポーカーの賭けで勝ったからでした。
ポーカーの対戦相手にジャックは胸ぐらをつかまれ、殴られそうになりますが、その瞬間ジャックは咄嗟に殴られることを覚悟したかのように目を閉じます。
この「目を閉じる」という行動は、彼のサブタイプ「ハーモナイザー」が回避型であることも影響しているかもしれません。
【補足②】
全体的な印象で言うと、タイタニック号に乗船した直後に船の先端で親友ファブリッツィオ(SLIクリエイティブ)とともに「俺は世界の王様だ!ふぉ〜〜」と叫ぶシーンなどからも、IEEらしいお調子者っぽさが見て取れます。
ジャックとローズの関係:鏡像関係
EIIドミナントタイプであるローズは、内向的で規範的な性格であることが災いし、自らの境遇と、周囲の思惑というしがらみに文字通り囚われています。
タイタニックは、そんなローズが「外向的で柔軟な性格のジャックと出会うことによって、彼女本来の人生を切り開いていく力を取り戻す」という構造の物語です。
ここからは2人の関係をさらにソシオニクス的に詳しく見ていきましょう。
冒頭でも簡単に述べましたが、IEEのジャックと、EIIのローズは鏡像関係と呼ばれる関係です。
鏡像関係とは、一方が人生において最も重要だと考えていることを、他方が実践しているという関係性です。
・ローズは倫理に関して強い意見をもっており、ジャックはそれを実践している
・ジャックは直観に関して強い意見を持っており、ローズはそれを実践している
たとえば浸水が進んだ船内から避難をしている最中で、逃げ遅れた子どもが泣き叫んでいるところに遭遇したジャックとローズ。
「助けなきゃ」と言うローズと、実際に子どもを抱き抱えにいくジャックは、まさにこの鏡像関係の象徴的なシーンと言えるかもしれません。
また、鏡像関係は「互いに微修正をし合う関係」とも説明されています。
出会った翌日、「婚約者を愛しているのか?」とジャックに質問され「プライベートな感情について会ったばかりの人に聞くなんて失礼だ」とローズは言い返しますが、これはまさに倫理、モラルに関する指摘です。
この直後に、怒ったローズはジャックに対して「ここは一等客のフロアだからあなたが立ち去って」と言いますが、これに対してジャックは「今度は君が失礼なことを言うじゃん」と返します。
それぞれの”立場”から、互いの発言に対して倫理的な観点で修正をし合う構造となっています。
キャルドン・ホックリー(キャル)
(演:ビリー・ゼイン)
基本タイプ:ILE
サブタイプ:ドミナント
ローズの婚約者で、ジャックの恋敵。
本作では、アルファクアドラから遣わされた勇士として、ローズの母ルース(ESE)と、しばしば価値観と利害が一致している様子が描かれています。
一方、婚約者であるローズはキャルに心を開かず、ジャックとは恋敵の関係。
彼のキャラクターこそが、映画「タイタニック」を魅力的に彩っています。
①愛情の伝え方の拙さから、倫理的な情報の代謝能力の弱さが見えるキャル
キャルはローズとの結婚を押し進めていく上で、ローズが自分に心を開かないことに苛立ちを感じています。
なかなか心を開いてくれないローズに対して、彼女の愛をなんとか掴み取ろうと、56カラットのブルーダイヤ「碧洋のハート」を送るキャル。
とても高価な宝石で愛の大きさを伝えようとしますが、愛情の伝え方としてはジャックと比較するとどうしても拙い印象となります。
マリーアントワネットが所有したと言われる権威ある宝石を渡しながら「自分たちは王族なんだ」と言いうキャルと、船首で「俺は世界の王だ〜ふぉ〜〜」と叫ぐジャックは、見事な対比となっています。
そして、ローズが最終的に選び愛するのは、このお調子者のジャックであるところが、この物語が非常にデルタクアドラ的な価値観であることを表しています。
②非合理タイプと衝動性
またキャルは、出会ったばかりであるにも関わらず自分よりもスムーズにローズとコミュニケーションをとっているジャックの登場で、内心は煮えくり返っています。
それが決定的となった、三等客室のダンスパーティの翌日のシーン。
キャルは、ローズを激しく叱責します。
嫉妬心、「思い通りにならない」というキャルの胸中にあるジレンマはこのときに臨界点を超えており、それまで努めてジェントルマンを演じていたキャルの化けの皮が剥がれる瞬間です。
また物語終盤で、ラブジョイの懐から銃を抜き取り、ジャックとローズの後を追いかける名シーンも、理性を失った衝動的な状態に陥っていると捉えることができます。
常に行動をともにしている合理型のラブジョイが、そんなキャルの様子に呆れる表情が映るのも要チェックです。
【補足①】
実証機能は、普段はあまり表に出ることはありませんが、ピンチのときや、パフォーマンスとして行うときなどに使用されると言われています。
キャルにとっての実証機能は、外向論理= Teで、これが印象的に現れているのは、ボートの席を確保する2つのシーンです。
まず救命ボートの席を確保するために、「これはビジネスだ」と言いながらマードックに札束を渡すシーン。
アルファクアドラのなかでは最も外向論理(=Te)の機能を使えるILEのタイプは、土壇場の状況でこのように交渉を強く持ち出すことができます。
また、その後いよいよボートの席を確保するため、子どもを抱き抱えて父親のフリをするシーンでも、外向論理=Teの計算高さが活かされています。
【補足②】
ローズが収集している当時無名のピカソの絵に対して、キャルは「指で描いたみたいだな。売れない画家の絵だから安いんだ」とけなします。
自らの感性で作品のなかに美を見出し(Si=内向感覚)、「だから価値がある」と判断するFi=内向倫理のローズと対照的なキャルの性格が現れるシーンです。
ローズがこの絵を「夢のなかにいるような感じ。そこには真実もロジックもない」と評価するあたりに、ローズの主観的な価値観が強く現れています。
【補足③】
ちなみにキャルとローズの関係は管理関係と呼ばれますが、管理関係の特徴が具体的に現れているシーンは、今回は読み取ることができませんでした。
キャルとジャックの対比
先ほどの「王族/世界の王」のモチーフもそうですが、タイタニックという物語の中で、ジャックとキャルの対比は非常に物語を豊かにしています。
ディナーのシーンで、「タイタニック号のチケットは運よくポーカーで勝ったんです。自分はとてもラッキーでした」とジャックが発言したことに対し、モリーは「よく言った!」と応じて、アーチボルト大佐が「人生は運ゲーだ」とジャックの価値観に賛同の意を示します。
(モリーとアーチボルト大佐は2人ともIEEドミナントタイプ)
彼らの境遇を客観的に見た場合、圧倒的に裕福なアーチボルトや、成り上がることに成功したモリーは、貧しいジャックとの”幸運度”に差があるのは明らか。
ですが、境遇や人生の背景が大きく違いながらも、同じ価値観を共有できる点も興味深いですよね。
それに対して、キャルは「自分で運を勝ち取ることも重要だ」と主張し、静かに、しかし確実に2人の間には価値の相違があることがわかります。
ルース・デウィット・ブケイター
(演:フランシス・フィッシャー)
基本タイプ:ESE
サブタイプ:ノーマライザー
ローズの母。
ローズの人生を拘束している張本人で、ローズが自身の価値観(Te-Fi、Ne-Si)を選びとる上で障壁となる価値観(Fe-Ti、Ne-Si)を体現しています。
「夫が残したのは家名と借金だけ。生き残るには結婚しかない」と言うルースに、「そんなの不公平じゃないか」と抗議をするローズ。
それに対して母ルースは、「人生は不公平なもの。特に女性にとっては」と返します。
当時の時代背景を考えると、女性が取れる選択肢はまちがいなく少なかったでしょう。
一方、たとえば外向論理型のLSEであれば、高価な持ち物をオークションにかけて、針子をすることにルースほどの感情的な抵抗感はなく、むしろ生きるためには積極的に活用しただろうと推察できます。
ここからルースが、倫理型であることが読み取れます。
また、このシーンで見せる涙は、ESEが見せる渾身の感情表現(Fe=外向倫理)とも言えます。
普段の態度が控え目で物静かな印象を与えるところから、サブタイプが回避型であることもわかりやすい人物です。
ここまで紹介した主要キャラクダーのほかにもタイタニックには数多くの脇を彩る魅力的なキャラクターや関係性が描かれています。
以下に、ソシオスクールでタイプ判定できたキャラクターを一覧でご紹介します。
※判定に自信がないものについては、(?)を記載してあります。
ファブリッツィオ・デ・ロッシ
(演:ダニー・ヌッチ)
基本タイプ:SLI
サブタイプ:クリエイティブ
ジャックの親友。
ジャックとの相性は、基本タイプで見て双対関係、サブタイプで見ても双対関係となるまさに理想的な関係性。
船首で「自由の女神がもう見えるよ、もちろんまだ小さくだけど」と言ってみせるところなどもお調子者な側面が出ています。
サブタイプがクリエイティブタイプであることは、劇中のキャラクターの中で比較的わかりやすいかもしれません。
またタイタニック号に乗り込む場面での「アメリカで100万長者になる」というセリフからは、経済的な成功(Te=外向論理)への意欲が読み取れます(ちなみにIEEのジャックはこの時点で王侯貴族になっています)。
トミーが死んでしまったあとも、彼の着ていたライフジャケットを取って最後まで諦めずにボートを降ろす手助けに奮闘する様子なども、つい感情移入してしまう描写となっています。
トーマス・“トミー”・ライアン
(演:ジェイソン・ベリー)
基本タイプ:SLI
サブタイプ:ハーモナイザー
ジャック一味の中で一番頼りになる存在で、船内への浸水が本格化してからのテキパキとした判断力が冴え渡っています。
ファブリッツィオとは、サブタイプが真逆ですが、基本タイプはSLIで同一関係。
ゲートを突破した後に船員に浴びせる一発が痛快です。
マーガレット・“モリー”・ブラウン
(演:キャシー・ベイツ)
基本タイプ:IEE
サブタイプ:ドミナント
登場したその瞬間から、乗船直後の従者を感じよくこき使う様子が描かれ、ドミナントタイプであることがわかるキャラクターです。
海に投げ出された人たちの救助に向かおうとしないボートの船員と沈黙する他の客たちに対して
「あそこで溺れているのはあんたの夫でしょ?」
と感情に訴えているところから倫理型であることがわかります。
ほとんどのシーンにおいて、機知的でユーモア精神にあふれている魅力的な人物として描かれているため、きっと彼女のファンも多いでしょう。
IEEドミナントタイプは利他的なパーソナリティであることが多いのですが、これは、
・息子のジャケットをジャックに貸すシーンの「おせっかい」っぷりを発揮するシーン
・ディナーのシーンでカトラリーの使う順番をアドバイスしたり、ペンを貸したりするシーン
によく現れています。
同じくディナーのシーンで、ジャックに対する嫌味を言うルースをギロっと睨みつけるところなどもIEEドミナントが怒りを感じたときによく見せる仕草です。
トーマス・アンドリュース
(演:ヴィクター・ガーバー)
基本タイプ:LSE
サブタイプ:ハーモナイザー
全編通して賢明で良識的な人物として描かれている人物です。
「鋲の1つひとつにこだわって作ったんですよね?」とイズメイから聞かれているシーンからもわかるように、LSEハーモナイザーは、高品質で安全なサービス、製品を提供したいという思いが強い傾向があります。
沈没が確定的になってからも、被害を最小限に抑えるべく行動を続けていた人物であり、ローズたちと最後に交わす会話で「もっと頑丈な船を設計すればよかった」と後悔する姿には胸が締め付けられます。
ブルース・イズメイ
(演:ジョナサン・ハイド)
基本タイプ:EII
サブタイプ:クリエイティブ
タイタニック号を所有する、ホワイト・スター・ライン社の経営者。
ランチのシーンにおける
「サイズが巨大であることがタイタニックの特徴で、サイズは安全性、豪華さ、そして力強さ、を象徴している」
という発言は直観型らしいコンセプチュアルな物言いです。
タイタニック号の事故は、この”大きければ安全”というコンセプトを過信したことが背景にあります。
氷山衝突後も、経営のトップらしからぬ姿を連発してしまい、世界中のEIIクリエイティブの名誉を貶めてしまいました。
スパイサー・ラブジョイ
(演:デビッド・ワーナー)
基本タイプLSI
サブタイプ:ノーマライザー
キャルの秘書であり、元刑事。
ベータクアドラから出演している唯一のキャラクター。
登場シーンはほぼ姿勢が硬直しているあたりが合理型のノーマライザーらしい。
キャルの「最後には金がものを言う」という発言に対して「これ(拳銃)もあります」と返すあたりに、実力行使を正当な手段として捉えるベータの価値観が見えます。
物語冒頭、ジャックがローズを救出したあとのひと騒動の最中、瞬時に「靴紐が解けジャケットを脱ぐ余裕があった矛盾」に気づくあたり、観察眼が鋭く頭がキレることもわかりますね(Si-Ti)。
ジャックとは衝突関係、ローズとは超自我関係になります。
エドワード・スミス
(演:バーナード・ヒル)
基本タイプ:SLI
サブタイプ:ハーモナイザー
タイタニック号の船長。
現代パートで「船長としての豊富な経験が仇になった」という指摘が入っていますが、その背景には経営からのタイタニック号のマーケティングと船の安全運行という、両天秤を迫られてたことが過去編で明かされます。
結果的に判断ミスをしてしまったスミス船長は、船長であるにも関わらず途中で呆然自失状態となり操舵室に引きこもってしまいます。その最後に何を思っていたのか考えてしまいます。
ウィリアム・マードック
(演:ユアン・スチュワート)
基本タイプ:LSE
サブタイプ:ノーマライザー(?)
規範的、生真面目で実直な性格であることは、登場するほぼすべてのシーンで表れています。
パニックを収めようと誤って乗客を銃殺してしまい、その後自身も自殺する描写は映画の脚色であり、史実とは異なるそうです。
ヘンリー・ワイルド
(演:マーク・リンゼイ・チャップマン)
基本タイプ:LSE
サブタイプ:クリエイティブ(?)
タイタニック号の航海士長。デッキチェアにつかまり救命ボートを呼び戻そうと笛を吹き続ける。
ジョセフ・ベル
(演:テリー・フォレスタル)
基本タイプ:LSE
サブタイプ:ドミナント
機関長。氷山発見から衝突までの間など、機関士たちへ迅速かつ的確な指示を出す姿が描かれています。多分キレやすい。
チャールズ・ライトラー
(演:ジョニー・フィリップス)
基本タイプ:EII
サブタイプ:ノーマライザー
タイタニック号の2等航海士。
まず「女性と子どもを優先避難」というガイドラインに則るかどうかを上司に確認を取り、それを遵守する点に、よくも悪くもEIIノーマライザー”らしさ”が出ています。
それなりに現場の指揮を取ってはいますが、失敗を極度に恐れている(ボートが人数に耐えられるか心配)ためか、安全な範囲でオペレーションを続けることしかできません。
その後、上司(アンドリュース)からの叱責を受けて初めて、定員いっぱいに避難ボートに客を乗せることができるようになるところも、”らしさ”と言えるでしょう。
ハロルド・ロウ
(演:ヨアン・グリフィズ)
基本タイプ:SLI
サブタイプ:ノーマライザー
タイタニック号の5等航海士。沈没後に救助に向かった唯一の救命ボートの指揮官。
ウォレス・ハートリー
(演:ジョナサン・エヴァンス=ジョーンズ)
基本タイプ:LSE
サブタイプ:クリエイティブ
タイタニックの楽指団のバンドマスター兼ヴァイオリニスト。船がどんどん傾くなかで観客のパニックをしずめるため沈没寸前まで賛美歌『主よ御許に近づかん』を演奏。
戻る楽隊員
基本タイプ:EII
サブタイプ:ドミナント
トーマス・バイルズ神父
(演:ジェームズ・ランカスター)
基本タイプ:EII
サブタイプ:ドミナント(?)
2等船客。船が傾く中、彼は乗客たちに最後まで新約聖書を読み祈り続ける。
チャールズ・ジョーキン
(演:リアム・タオイー)
基本タイプ:EII
サブタイプ:ハーモナイザー
パン焼き係主任。
ローズが転びそうになったときに手を差し伸べたり、船が沈没する直前まで飲酒している様子が描かれています。
ロック・ロベット
(演:ビル・パクストン)
基本タイプLSE
サブタイプ:ドミナント(?)
トレジャー・ハンター
ルイス・ボーディーン
(演:ルイス・アバナシー)
基本タイプ:IEE
サブタイプ:クリエイティブ
ロベットの相棒のトレジャーハンター。
リジー・カルバート
(演:スージー・エイミス)
基本タイプ:EII
サブタイプ:ノーマライザー
ローズ(ミセス・カルバート)の孫娘。ローズの身の回りを世話している。
まとめ
以上、映画「タイタニック」に登場する主要キャラクター(と名脇役たち)のソシオニクスのタイプと印象的なシーンをご紹介しました。
ソシオニクスを通さずに見ても大変素晴らしい映画ですが、ソシオニクスを通してみることでさらに深く味わうことができるのではないでしょうか。
皆さんの、推しキャラは何タイプでしたか?
ソシオスクールでは、今後も映画やドラマなどをソシオニクス的に読解していくシリーズを公開していく予定です。
「こんな作品を扱ってほしい!」
などの希望がある場合は、リクエストをTwitterのDMから送ってくださいね!
(おまけ)タイタニックトリビア
ソシオニクスとは直接的に関係はありませんが、タイタニックオタクの運営が発見した映画の中の細かすぎるトリビアをいくつかご紹介します。
・老後ローズの家には、バラがたくさん飾られていてお茶目でかわいい。
・アンドリュースさんが置き時計の針を調整しているのは、船が傾いてしまっているから。船の傾きで止まってしまった時計の針を最後の瞬間まで調整しているアンドリュースの描写が切ない。持ち運べる懐中時計は画期的な発明だったと言うことでもある(?)。
・ファブリッツィオが三等客のパーティーでダンスに誘う女性のことを、ファブリッツィオは乗船直後の時点ですれ違って、すでに目で追っている。
・「ジャックも木の板の上に乗れば助かっただろう」というツッコミは間違い。なぜならジャックは一度、ローズを板の上に登らせたあと自分も登ろうとしており、しかしその木の板はひっくり返ってしまった。その後ローズが無事に乗れたことを確認し、納得したように小さく頷いている。ジャックがそんなことを思いつかないわけない。
(ちなみに、ジャックと同タイプの人がタイタニック初見の際に、浸水が始まった時点で「何か浮くもの探せばいいんじゃない?」と言い出して、同タイプって怖いと思いました)
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