GP(一般医)は◯◯の専門医
私の相方の父はGPでした。
1950年代にGPとして、メルボルン30キロ郊外に個人の診療所を開業。
故人なので直接話をきくことはできないけれども、彼のエピソードをきくと、本当の意味で「何でも診る、地域のお医者さん」だったとわかります。
田舎の自宅兼GP Surgery (診療所)。
部分麻酔の手術(Surgery)、出産(Delivery)から新生児、メンタルヘルスまで。
地域に根ざし、地域住民に信頼された総合医。
彼のお葬式とは別に、地元の人たち主催の特別なセレモニーもあったようです。
時代は変わって2019年。
今時は個人で開業するGP自体が減って、名前をブランディングし、複数のGPを抱えるメディカルセンターが増えました。
予防接種や怪我のドレッシングを変えたり、抜糸したりする常勤ナースがいるメディカルセンターもありますが、部分麻酔して手術も行うGPは少なくなったかもしれません。
オーストラリアのメディケアでBulk Billingを採用しているメディカルセンターだと、私たちは自己負担なしでGPを受診できます。
ただ、最近はBulk Billingのメディカルセンターが減り、1コンサルテーション15分が90ドル程度で、メディケアでカバーされない差額(50〜60ドル)は自己負担にさせるメディカルセンターが増えました。
そういうメディカルセンターのGPは専門を掲げ(厳密には専門医とは違い、Special interest in xxx 「xxx分野に関心が高い」と表記)、差別化を図っているようです。
昔のGPはなんでも診る最強ドクターだったわけですが、時代は変わり、人々のGPに対する認識が変わってしまいました。
だからなのか、医師会による人々のGPに対する認知度アップのプロモ広告。
「ただのGPではありません。
私はあなたの人生の専門医です。」
(Lifeを命か、人生か、ライフか翻訳を迷ったけど・・・)
Yourというのは訴求効果が高く、あなたの人生に寄り添う医師ですよ、と。
この広告、私は良いとこついてるな、と思いました。
GPっていうのは本来は何でも診れるのに、専門がない、専門性が高くない医師ということで、人々は誤解しがち。
Specialistと表現して、おそらくはGP自身をもバックアップしている。
件のお父さんのように、地域に根ざして(守秘義務は厳守)地域住民の身の上&健康相談に乗ってくれて、知識が豊富で治療や手術もできるスーパーGPの復活を願い、そして日本にも根ざすことを願います。
欲を言えば、薬の処方やちょっとした手術だけでなく、医学知識と「手」で人々をプロアクティブに健康に導くGP。
いつか必ず!