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ATC Journal

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龍谷大学社会学部・椿原ゼミによる読書案内とエッセイ。
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#大学生

流言とデマとは何なのか

広井脩(2001)『流言とデマの社会学』文藝春秋  流言とは、辞書的には噂とかデマと同義とされる。人から人へと伝えられる話の中で、無根拠性や無責任性の目立つものが流言とされてきた。造言飛語など明らかなデマを意味する言葉もある。  本書では、流言の特徴として5つの特徴があげられている。1つは、人から人へと伝えられる情報であること。2つ目は、正々堂々と表明されるというより秘密の色彩を帯びていること。3つ目は、事実の確認なしに語られること。4つ目は、その情報の内容が次第にゆがめら

観光都市京都「ビフォーアフター」

中井治郎(2020)『観光は滅びない 99.9%減からの復活が京都からはじまる』星海社  2020年春には、私たちがこれまで慣れ親しんだ街の景色は変わってしまったのではないだろうか。それは間違いなくコロナの影響だと考える。観光都市である京都でも景色が一変し、観光客がいなくなったというニュースを見た人もいると考える。コロナ直前は人類が歴史史上もっとも世界を移動したと言われている。世界の国際観光客が「2000年には7億人足らずに過ぎなかった」が、2018年では14億、2019年