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【レビュー】ポケット攻略を目指す Copa del Ray3回戦 ポンフェラディーナ - レアル・ソシエダ

レアル・ソシエダの2025年初戦は国内カップ戦、コパデルレイから。

相手は3部のポンフェラディーナ。
実力的には格下ながら、一筋縄ではいかないのがカップ戦。すでにビジャレアルやジローナといった1部所属のチームもいくつか負けている。

しかもポンフェラディーナは3部の中でも上位にいるチーム。

2位にいるのはソシエダB

ソシエダはメンバーを落とすことなく臨むものと思われる。


2回戦はこちらから


チームコンディション

  • ザハリャンが復帰

  • スビメンディ(肋骨)、アゲルド(腰)、ベッカー(忌引)がお休み

  • サディクがレンタルでバレンシアに加入

  • マグナセライアもレンタルでコルドバ(2部)へ


スターティングメンバー

ピボーテにはトゥリエンテスを起用。
前線3枚はやや珍しい組み合わせ。


試合結果

 2ー0

得点者:オヤルサバル、ブライス

チームスタッツ

数値は FotMob.com より

攻撃面よりも守備面が気になってしまうスタッツ。
被シュート数がさすがに多すぎるような。

シュート位置

右がソシエダ

個人スタッツ

今回は個人スタッツの発表がありませんでした。


試合内容

前半

ソシエダの攻撃はビルドアップ主体の4−3−3。

両WGのオヤルサバルとセルヒオ・ゴメスは、久保やバレネチェアのように外で受けて1対1を仕掛けるタイプではない。
その辺を考慮してか、前半はWGを少し内側に配置するシーンが目立った。

前半10分。
左WGセルヒオ・ゴメスが絞ってライン間に顔を出し、空いた大外に左SBハビ・ロペスが上がってくる。

こうした形はこれまでにも何度かあったが、この試合で特徴的だったのは、さらにその先まで明確な意図を持っていたこと。

大外でフリーを作ることよりも、最終的にポケットを取ることを目標としていた。

なのでもしパチェコからハビ・ロペスにパスが出ていれば、セルヒオ・ゴメスがポケットを狙う。

WGが絞らなければ、SBはハーフレーンを走ってポケットを狙う。
こちらは前半35分。

オヤルサバルはポジションチェンジ中

そしてWGもSBも行けない時は、中央からオラサガスティが出てくる。

ここまで徹底したポケット狙いはおそらく今季初。

サイドからシンプルにクロスを上げても、ソシエダは空中戦が得意ではないし、結果も出ていない。それよりもこうしたポケット侵入からのクロスの方が、大いに可能性を感じる

あるいは、ポケットを狙うことで新たなスペースを生み、また別のチャンスシーンを作ることにも繋がる。

何度かあった形

ただ、残念ながら前半の得点は0。
ポケット侵入までの形は何度も再現できていたものの、その先が合わず、シュートまでは至っていない

今後もう少しブラッシュアップさせてくるような感じはする。


前半のソシエダの守備に関して。

CFがオスカルソンということもあってか、ソシエダはミドルブロック主体。
ポンフェラディーナのCBがボールを持った時にはある程度はプレスにいくが、全体が連動してハイプレスを掛けるということはない。

実力差で考えれば、ポンフェルディーナはある程度ロングボールを蹴ってくるから、という見立てだろうか。

ソシエダとしては珍しくプレス強度が低く、ややらしさに欠ける内容ではあった。

インターセプト数0にプレス強度の低さが表れている



後半

ソシエダは後半の頭から久保とスチッチを投入すると、戦術を一変。

前半の(攻)ポゼッション&(守)ミドルブロックから、()カウンタープレス&()ハイプレスに切り替えて点を取りにいく。

後半1分、ポンフェラディーナのバックパスのシーン。

オヤルサバルのチェイシングに後ろが連動。
アランブルも躊躇なくマークを1列上げてくる。

ソシエダが前半いつになくプレス強度を下げていたのは、ここで一気に強度を上げ、ポンフェルディーナに対応させないためだったのかもしれない。

ソシエダは右の久保を起点に後半開始から再三のチャンスを演出。
わずか5分でポンフェラディーナを完全に押し込んだ。

主導権を握ったソシエダはハイプレスを継続。
後半9分に相手の陣内でセカンドボールを奪うと、ポジトラから素早くゴールを目指し先制。

追加点もやはりハイプレスから。スチッチが高い位置で引っ掛けたところから少ない手数でショートカウンターに繋げてゴールを奪った。

その後は再びペースを落とし、余力を残しながら時間を進める。

最終盤はポンフェラディーナの猛攻を受けるも、マレーロのファインセーブもあり、失点0という最高の形で試合を終えた。



総評

やや長めの休暇明けということもあって、てっきりベストメンバーで臨むのかと思ったが、そうではなかった。
久保とバレネチェアをベンチに置き、WGのカットインではなくポケットの攻略を目指したところは新鮮だった。

年末年始で久し振りに過密日程から解放されたことで、トレーニングに落とし込めたということだろうか。


ソシエダは直近のセルタ戦でも、結果の出ていたロングボール主体の戦術を封印し、ビルドアップ主体の攻撃をしていた。

もちろん、丁寧にビルドアップしていくのがアルグアシル監督が目指すサッカーであり、ひいてはソシエダのサッカーであることは間違いない。
ロングボール&カウンタープレスは、結果の出ない中での試行錯誤の結果であり、一時的なものである可能性はかなり高い。

ただ、この試合でも得点に繋がったのはプレスからのカウンターだったし、ポゼッションから崩しという流れからはビッグチャンスが生まれていない。

アルグアシル監督が今後、勝つための戦術を優先するのか、自らの目指す戦術を推し進めるのかはとても興味深い。



今後の日程

コパデルレイも次はいよいよベスト16。
主催するRFEF(スペインサッカー連盟)によれば、日程は1/15〜17(日本時間)になるという。

なので今後のソシエダの日程はこんな感じ。

1/14 ビジャレアル戦
1/15-17       コパデルレイ
1/20 バレンシア戦
1/24 ラツィオ戦 (EL)
1/27 ヘタフェ戦
1/31 POAK戦 (EL)

全て日本時間

とりあえずビジャレアル戦は日程変更の可能性が高いとのことながら、それにしてもまたしても過密日程。

トップレベルのサッカー選手はホント忙しいですね。
どうか大きな怪我しないようにお願いします。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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