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【レビュー】降って湧いたボーナスタイム 第25節 レアル・ソシエダ - レガネス

レアル・ソシエダは前節ベティスに敗れ、順位を11まで落としてしまった。
直近5試合での成績は4勝1敗ながら、リーガに限れば1勝4敗。なかなか中位を抜け出せないでいる。

今節の対戦相手は、現在16位のレガネス。次節がアウェイのバルセロナ戦ということを考えると、このレガネス戦は絶対に落とせない。

Googleより

前節、ベティス戦

EL PO2ndレグ、ミッティラン戦



チームコンディション

  • スベルディアとベッカーが出場停止

  • スチッチとパチェコは怪我のためお休み

  • ソシエダは中2日(つらい)

  • レガネスは中8日


スターティングメンバー

  • 直近のミッティラン戦からの変更は7人。(赤字)

  • 過密日程により全然スタメンを固定できない反面、活躍する選手も多岐に渡っているのはポジティブ要素。



試合結果

 3ー0

得点者:ザハリャン久保オラサガスティ

チームスタッツ

数値は FotMob.com より

どのゴールもゴラッソの類いだったので、スコアのわりにxGは低め。
ちなみにビッグチャンス1は得点に繋がっていない。

シュート位置

前半

xG: 0.39

後半

xG: 0.34

個人スタッツ


試合内容

ボーナスタイム

レガネスの守備設計から見ていく。

スタートは5−3−2の形。
レガネスの中盤3人がソシエダの中盤3人をマンツーマンでつかみ、後ろに5人を並べている。

ソシエダの両SBアランブルとハビ・ロペスに対しては基本ノーマーク。
前線の2人(10番ラバ、19番ガルシア)がそこへのパスコースを切りつつ、もしSBにパスが渡った時には、後ろからのスライドで対応する。

(こんな感じ)

という決まりこそあるものの、あまり機能しない。

前半12分。

ザハリャンがボールを引き取りに行くと、フリーのアランブルへのパスコースが空く。ここに出されては面倒と、5番タピアはそのパスコースを潰すように横からプレスを掛けにくる。

でもプレスが横からなんだから、ザハリャンは簡単に前を向ける

しかも不可解なことに、一連の流れによって広がったライン間に久保が下りてくると、なぜかフリーでボールを受けさせてくれる

(なぜ?)

左CB22番ナスタシッチが前に出てこない理由も、左SB11番フアン・クルスがマンツーのままついてこない理由も、正直よく分からない。
最終ラインがゾーン重視なのか、DFが釣り出された裏を突かれるのを警戒していたのか。あるいは想定外だったのか。

とにもかくにも、ソシエダはザハリャン&久保を経由すれば一気にチャンスが広がるという謎のボーナスタイムを得る。

ソシエダの先制点はこのタイミング。
中央で受けた久保が左に展開。(右は人がいないので)
ボックス内までレガネスDF陣を押し込み、ザハリャンがPAエリア外からミドルを突き刺した。

レガネスのディフェンスは、他にも難点がある。

それはファーストディフェンダーである前線の2人(10番ラバ、19番ガルシア)のディフェンスがだいぶゆるいこと。しかも外へのパスをさえぎるように寄せてくる。
なのでソシエダの両CBアリッツとアゲルドは、その気になれば自分で持ち運んで行くことも難しくない。

前半15分。
アゲルドの前進に、レガネスは対応できる人員がいない。

(仕方ないからって、ここでも5番タピア)

5番タピアか17番ネヨウが食いついたところでパスを送れば、ソシエダはまたしてもライン間でパスを受けて前を向ける

この流れから、再びザハリャンのミドルが決まりそうになったところで、レガネスはシステムを変更。
残念ながらボーナスタイムは終わってしまったが、この間にとりあえず先制点をあげられていたことは大きかった。

変更後のレガネスは4−2−3−1。
中盤が同数のマンマークになったことで、だいぶ安定されてしまった。

(オフェンス力の高い11番フアン・クルスが1列前に)

それでもCF19番ガルシアのプレスは相変わらずゆるいため、ソシエダはCBのところで詰まることはない。

アゲルドが負傷交代してしまった後も、CBマルティンの持ち運びや、オスカルソンのポストなどを使いながら前進を試みる。

そして、ロストした時は素早くプレスをかけて即時奪回。
レガネスがポジトラで狙ってくるロングボール1本でのカウンターには、GKレミーロが普段より前に出てスペースを潰して対応していく。


ハイプレス局面に関して。

レガネスの4−2−3−1に、ソシエダは最近よく見るあのスライドで対応。

ザハリャン、マリン、セルヒオ・ゴメスの3人が、ボールの位置に応じてマークをスライドさせていくというもの。

(詳しくはこちらで説明しています)

今回の試合で特徴的だったのは久保の位置。

いつもより少し下げ、11番フアン・クルスにボールが収まった時に素早くアランブルのヘルプに向かえるようにしていた。

ちなみに、オスカルソンがしっかりと相手GKドミトロビッチまでプレスを掛けてくれるおかげで、左SB2番アルティミラのところへはほとんどパスが出てこない。

そしてGKドミトロビッチからロングボールが蹴られた後は、マリンがセカンドボールの回収に向かう。

それぞれが役割をしっかりと果たしていたことでソシエダの守備は安定し、特に危険なシーンもないまま前半を終えることが出来た。


後半

後半開始直後、ソシエダは久保のワンチャンスで追加点を得る。

久保にマーク1枚しかつけないなんて、レガネスはどう考えても準備不足。


2点のビハインドを負ったレガネスは攻勢に出る。
ロングボールを控え、右SB12番ロシェのオーバーラップを起点に縦に早い攻撃を展開。さらにはプレスの緩かったCF19番ガルシアを下げ、前線からのプレス強度も上げ始める。

ソシエダも前半同様に高い集中力を見せてはいるものの、レガネスの勢いがなかなか衰えない。

ソシエダは少しボールを落ち着けようという意思は見られるものの、戦況はあまり変わらないまま時間が過ぎていく。

そして、一進一退のまま迎えた後半35分。
コーナーからのこぼれ球をオラサガスティが思い切りよく振り抜き、またまたゴラッソ。

この一発により、勝利を決定付けた。



イエローの累積状況

さて、いよいよ強豪ぞろいの3連戦を迎える。

コパデルレイ準決勝マドリー戦(1st)
リーガ第26節バルセロナ戦
EL決勝T1回戦ユナイテッド戦 (1st)

--- ちなみにその後は ---
・リーガ第27節セビージャ戦
・EL決勝T1回戦ユナイテッド戦 (2nd)

ただこの3連戦、全てコンペティション(大会)が違う。
カードの累積状況がごっちゃになってきたので、ちょっと整理してみた。

(25節終了時/カードもらっている人だけ記載)

コパは問題ないとして、リーガではリーチのかかっている人がわりと多い。
ELは準々決勝終了後にカードの累積がリセットされるが、今はまだそれを計算できる段階には程遠い。

とはいえ、このカード問題自体はそこまでナーバスになるものではない。

あまりに過密日程が続いているせいで、代えが利かない選手であってもどこかで休ませる必要が出てくる。そして最近はそのターンオーバーによって、出番の少なかった選手たちがチャンスを掴み、台頭してきた。

チームの総合力は明らかに増している。

久保が次節のバルセロナ戦に出れないのはあまりにつらいが、その分、マドリー戦とユナイテッド戦に集中してもらえるということなら諦めもつく。


心配なのは、カードの累積に怪我人を絡めて考えた時
特にセンターバックとインテリオール。

センターバックでは既にパチェコが離脱中だが、アゲルドも負傷となるとだいぶ痛い。スベルディアは小さい怪我で欠場することが多くなっているし、アリッツはSBとCBでの代役として逆に出番が増え過ぎている。

今回のレガネス戦で、最終的にはマルティンとベイティアという若いCBコンビだったことを、若手の台頭と手放しには喜べない。

インテリオールでは、ハーフタイムに違和感を訴えて退いたザハリャン。
直近のミッティラン戦で負傷したスチッチ。これにブライスのイエロー累積問題が加わると一気に危機感が増してくる。


過密日程が一区切りするのはまだもう少し先。
とにかく怪我には気をつけてください。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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