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【レビュー】3連敗のタイミング 第21節 レアル・ソシエダ - ヘタフェ

久しぶりに連敗中のレアル・ソシエダ。
しかも3日前のELラツィオ戦では今季初の3失点を喫した。流れが悪い。

今節はホームでのヘタフェ戦。
前回対戦時に一方的にやられたトラウマが残っているので、ここでリベンジしつつ、復調のきざしが見えることを願うばかり。



前回、ヘタフェ戦はこちらから



チームコンディション

この時期に新たな負傷者が出ていないのは結構すごい。


スターティングメンバー

トゥリエンテス、オラサガスティ、パチェコを起用。
アイエンは4日後のPAOK戦で出場停止のためここで。



試合結果

 0ー3

チームスタッツ

数値は FotMob.com より

同じようなスタッツ。
なんで得点数だけ違うのかというところを、後で少しだけ触れる予定。

シュート位置

前半

後半

個人スタッツ

いつもながら久保はさすがのパフォーマンス。


試合内容

ロングボールの応酬

ソシエダの守備の話から。

ヘタフェは元々ほとんどビルドアップをせず、自陣にボールがある時はひたすらロングボールを放り込んでくる。そのためソシエダは、得意のハイプレスを仕掛けられる機会がそもそも無い

なのでヘタフェのCB2人(15&22)に対しては、オヤルサバルとオラサガスティが必要があればプレスを掛けるといった程度。どうせロングボールを蹴ってくるので奪うことまではできない。でも誰もプレスに行かないとなかなか蹴ってこない。

余談ながらオラサガスティは、数試合前のラージョ戦で先発起用された時も同じような守備の役割を担っていたが、ブライスやスチッチとは違うタスクというのがとても良い。


話を戻して。
ロングボールが届く先では4対4、+スビメンディという構図になる。
噛み合わせ的にフリーになりがちなスビメンディの役割は、セカンドボールの回収

ただし、背後からヘタフェのプレスが来ることは分かっているため、無理に足元に収めることはしない。特に自陣では、アバウトでもなんでも良いので前へ、少し滞空時間のあるボールを蹴り返す。

もしヘタフェ陣内でボールを収められたら、そこから攻撃をスタートという感じ。

でもヘタフェはヘタフェで、自陣にボールがあるのを嫌がってとにかく蹴り返してくる。

結果、センターラインを挟んでボールが飛び交うようなシーンが増える。



攻撃のパターン

続いては攻撃時の話。

ソシエダのゴールキックやキーパーへのバックパスに対して、ヘタフェは同数でハイプレスを掛けてくる。なのでソシエダはビルドアップはせず、ロングボール主体でリスクを回避。

とはいえ、ヘタフェのハイプレス自体は織り込み済みだったようで、この試合ではゴールキックで違いが見られた。

まずトゥリエンテスがスビメンディと並んで低い位置を取り、ヘタフェのピボーテ2人(5&2番)を釣り出す。

オラサガスティにはCB22番ドゥアルテが対応するという状況。
ここからそれぞれ、次のような方向に動く。

GKレミーロがロングボールを蹴るモーションに入ると、ハイプレスを掛ける必要がないことを察したヘタフェは、マンツーよりもゾーンを優先する。

(レミーロがロングボールを蹴る体勢になるとゾーン優先)

結果としてオラサガスティか、セカンドボールを拾えるポジションで久保が前向きでフリーとなる。

(左のオラサガスティを使う時もあるし、右のアランブルの前を狙うこともある)

という、GKレミーロから始まる形をひとつのパターンとしていた。

もうひとつのパターンは、オヤルサバルが右に流れてくる形

久保にロングボールを送り、その落下点にオヤルサバルが入ってくる。
久保は外に流れることでフリーになる、というもの。


いずれのパターンも、どうやって久保に前向きでボールを預けるかというところを目標にしているのが分かる。

ただ、ロングボールを使う以上、どうしても競り合いのシーンは出てくる。
CFオヤルサバルは競り合いに強いタイプではないし、ヘタフェの土俵で戦っていたことに変わりはない。



ボックス内の人数

必ずしも狙ったパターンからではなかったにしても、ソシエダは右の久保に収まったところから、何度かチャンスシーンを作り出していく。

たまたま公式Xに上がっていたので、2シーン引用させてもらう。

もうひとつ。

久保の切れ味鋭いドリブル突破についつい目を奪われてしまうが、ここではちょっとヘタフェのディフェンスの人数に注目してほしい。

上のシーンでは久保に対して2人、クロスに対してボックス内には7人ものディフェンスがいる。
同じようにもうひとつのシーンでもカウントすると、久保に対しては3人、ボックス内には6人いるのが分かる。

つまりどちらも9人。
これは前線に残したCF1人を除く全員が、ピンチの時には自陣深くまで帰陣しているということになる。

ソシエダに得点のチャンスは何度かあったものの、結局は0点。
その背景には、ヘタフェのハードワークがあったことは間違いない。



3連敗のタイミング

今季初の3連敗。

この3試合でのスコアの合計は1得点7失点
つまり攻守両面で上手くいっていないということになる。

今季序盤の第3節アラベス戦から6試合、3分3敗と勝ちがなかった時ですら、スコアの合計は3得点5失点。今よりはほんの少しマシに見える。

得点不足の原因については以前に少し取り上げたが、ソシエダがポゼッションサッカーを軸としているので、そもそもの得点数が増えにくいこと。
それにセットプレーからのゴールが無いことが拍車を掛けている。

では失点数が増えている原因はといえば、直接的にはプレスの強度不足にあり、間接的には過密日程にある。

ソシエダの堅守を支えるのはハイプレスであり、それを掻い潜られてもプレスバックでリカバリーできる時は格上相手だろうと引けを取らない。

ただ、中2〜3日の試合間隔で毎回継続するのは体力的に無理がある。
かといって過密日程はどうにもならない。


では、これら攻守両面での問題をどうするか。

解決策は2つ。

1. 戦術でなんとかする
2. 新戦力も使ってなんとかする

奇しくも今は1月下旬、冬の移籍市場が開いている。
ウルコ(15)、サディク(19)、マグナセライア(25)の番号も空いている。

アルグアシル監督は新戦力という選択肢に慎重な姿勢を見せているが、このタイミングでの3連敗とあってどうなるか。

移籍市場は現地時間2月3日まで。
動向が注目される。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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