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【レビュー】的確な修正を見せたリターンマッチ Copa del Ray 準々決勝 レアル・ソシエダ - オサスナ

再びオサスナ戦。

レアル・ソシエダは4日前に行われた同カードで敗れたばかり。でも内容は決して悪くなかったし、今回はホームゲームというメリットもある。

オサスナには今季シーズンダブル(2敗)をくらった上、半分お遊びとはいえPSMプレシーズンマッチでも負けている。

このままでは終われない。



コパデルレイのラウンド16はこちらから



チームコンディション

冬の移籍マーケットでの獲得は無し。


スターティングメンバー

(前回からの変更点を赤字で示している)

ソシエダは4人、オサスナは1人を入れ替え。



試合結果

 2ー0

得点者:バレネチェアブライス

チームスタッツ

数値は FotMob.com より

前半35分にオサスナのCBカテナが退場。

シュート位置

前半

xG: 1.29

左WGのバレネチェアが、中央でフィニッシャーとなっている。

後半

xG: 0.39

1人多かったことを踏まえると、やや控えめな印象。

個人スタッツ


試合内容

今回のレビューでは、前回対戦時との違いに焦点を置きながら進めていこうかと。

攻撃面での変化

目立った違いは、右サイドでボールを収める位置。

前回も右の大外で待つ久保に届けて1対1(or2)という形が多かったが、その仕掛ける位置をより前に設定してきた感じがある。

右の高い位置を狙うのは久保だけではない。

久保にマンツーマンでついてくるSB3番フアン・クルスを釣り出した時には、ブライスやオヤルサバルがその裏を積極的に狙う。

あるいは久保が足元で受けた時に、右SBのアリッツが大外を回るケースも。

(縦は久保が使うために空けておくのが普通なので、実は結構珍しい)

いずれも右で高い位置を取ろうとしている。

また、右から崩そうという狙いは、GKレミーロからのパスにも見られる。

ロングボールを蹴る時は、必ずと言っていいほど右サイドへ。

この時にオヤルサバルだけでなく、バレネチェアも流れて来る。
左WGのバレネチェアが大外に固執せず、むしろ中央に寄ってくるのは前回も見た通り。

そして前半21分。
そのバレネチェアが絡み、先制点に繋がる。

(久保がヘディングで競り勝ったのはさすがに想定外だっただろうけど)

なおこの試合では、左SBアイエンが高い位置を取って3−2−5のようなシーンは見られなかったが、比較的早い段階で先制点が取れたためと思われる。



守備面での変化

続いては守備面。
前回のレビューにて、守備時の問題点を2つ指摘している

左サイド

ひとつはハイプレス時。
ソシエダはマークをスライドさせてプレスを掛ける形だったため、バレネチェアが2人を見る瞬間が発生する。

(前回使った図なので、出てるメンツが少し違う)

そこまでは良いとして、問題はオサスナの右SB12番アレーソが高い位置まで走り込んできた時。

これにバレネチェアが1人で対応するのは、なかなか難しい。

(これも前回の)

戻りながらのディフェンスになってしまうし、走る距離が伸びることで守備面での負担も増してしまう。というもの。


この問題に対するソシエダの修正は、マンツーマンで対応していた左SB(前回ハビ・ロペス、今回アイエン)をゾーンに変更したこと。

オサスナの右SB12番アレーソが上がってきた時、アイエンはそれまでマークしていた右WG14番ガルシアを放し、大外のゾーンを優先。
これによりバレネチェアのディフェンスがシンプルになり、自陣深くまで戻る必要もなくなる。

アイエンが放した右WG14番ガルシアに対しては、ひとまずアゲルドがマークにつく。
ただし、この右WG14番ガルシアは下りる動きでスペースを作ろうとすることが多い。そうした時は、戻ってきたマリンに受け渡す。

(7番モンカジョラが攻撃に絡んでくることも多々あるので、バレネチェアとマリンのディフェンス意識は高め。)

左はこれで解決。


右サイド

こちらは右SBがプレスに出ていった時、その裏のスペース対応。
前回はスベルディアがカバーしていたが、あまりしっくりきていない印象があった。

(前回)

ここを、スビメンディがマンツーで最後まで行く方向に修正。

右SBの裏のケアに関しては、スベルディアとスビメンディのどちらが行った方が良いという結論は特にない。CBが釣り出されるか、ライン間に穴が生まれるかの話になるので、チームや監督の考え方次第。

なので重要なのは、どっちが行くのが良いかではなく、どう対応するかがちゃんと決まっていること

裏のケアをスビメンディに決めたことで、スベルディアはCF17番ブディミルに集中できるし、右SBアリッツも左WG11番バルハにプレスを掛けにいく出足がスムーズになる。


2つの問題点をしっかりと修正したことで、システム上の問題はなし。

前回対戦時よりも守備の役割がハッキリした分、プレスが早い。
さらにはカップ戦という緊迫感も加わってか、ここ数試合あまり見られていなかったプレスバックも積極的に見られる。
強度の高い守備を徹底し、前半30分にはハイプレス局面から追加点を奪う。

攻守両面での修正がはまった、完璧なゲームプランだった。



アドバンテージを活かせない

ソシエダが追加点をあげた直後、オサスナが退場者を出したことで大勢たいせいは決したかに思われた。でもそんなことは全然なかった。

オサスナは11人だった時よりもむしろラインを高く保ち、コンパクトなエリアでの展開に持ち込もうとする。攻撃時には右SBに加え、左SBも高い位置を取ることで攻撃の人数を確保。

コーナーキックやフリーキックのチャンスになれば、必ずボックス内に5人は入るし、セカンドを拾うための人員をボックス外に2人置いてくる。

当然ソシエダのカウンターを受けるが、全力で戻ってカバー。積極的にダブルチームにいくし、スプリントも怠らない。

ストレスやら疲れやらかでラフプレーが増えたのだけはやや残念だったが、窮地に立たされても全く諦めない姿勢は素晴らしかった。


そんなオサスナの気迫溢れるプレーに対し、ソシエダはなかなかリズムを作れない。
オサスナの中盤(4−2−3or4−3−2)の脇でこそボールを収められるものの、その後が続かず。攻守が頻繁に入れ替わる慌ただしい展開に。

もちろん、2点差ということを考慮してある程度セーブしていたのかもしれないが、それにしても1人多いアドバンテージを活かせない。
だんだんと攻撃にかける人数も減っていき、後ろに荷重していく。

結局その後に大チャンスは無かったが、それを嘆くよりも、大ピンチが無かったまま試合終了の時を迎えられたことを喜ぶべきなのかもしれない。

もし後半30分くらいまでに失点していたら、もしオサスナのホームだったら、全く違った流れになっていたことは想像に難くない。


次戦に向けて

ついに準決勝。

残ったのはマドリー、バルセロナ、アトレティコ。
あまりに順当すぎて、めちゃくちゃきつい。

しかも準決勝はホーム&アウェイ方式で、力の差が結果に反映されやすい。
順位の落ちているリーガだって全く手を抜けないし、ELの決勝トーナメントPOプレーオフがあるため試合数もかさんでくる。

EL出場権獲得ルートとしては、こっちの方が圧倒的に厳しいようにも映る。


とりあえず、組み合わせ抽選会は2月12日(水)ということで。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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