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【インタビュー】ソーシャルベンチャー・NPOでの複業・転職のリアル~MVP検証からサービスリリースまで vol3【エンジニア編】株式会社スターコネクト

2024年3月23日
ソーシャルベンチャー、インパクトスタートアップにおける複業転職キャリアイベント「ソーシャルキャリアフェス2024」が開催され、同日に、
ソーシャルベンチャー、インパクトスタートアップに特化したハイクラス人材向け複業転職サイト「ソーシャリア」が本リリースされました。

このソーシャリアの事業立上げで特徴的だったのは、
「エンジニア」、「事業開発」メンバー共に、「完全”複業”チーム」での事業立上げだったことです。
本インタビューでは、プロダクト開発に欠かせない、エンジニアの複業メンバーにスポットを当てて、代表の水本さん、CPOの武井さん、エンジニアの外村さんにお聞きしました。
「事業立上げフェーズにおける、複業人材の活用方法は?」
「事業立上げフェーズにおける、複業のリアルとは?」
に迫っていきたいと思います。

【スピーカー】

水本 洋志  株式会社スターコネクト代表取締役CEO 製薬会社(武田薬品、ノバルティスファーマ)、外資系コンサルティング会社(PwC)でヘルスケア業界の営業・マーケティング領域を中心に、戦略立案~実行支援まで幅広い経験を積む。 独立後、ヘルスケア業界の新規事業開発、営業・マーケティング組織立ち上げ支援を行う傍ら、株式会社ボーダレス・ジャパンが運営する「ボーダレスアカデミー」にてソーシャルビジネスに出会う。 「社会をより良くする事業創りの為のエコシステム構築」に向け、第一弾となるサービス「ソーシャリア」をローンチ。 製薬営業・マーケティング専門誌「Monthlyミクス」での執筆、講演実績など多数


武井 聡  株式会社スターコネクト執行役員CPO 東京大学を卒業後、株式会社ビズリーチにソフトウェアエンジニアとして入社。 その後、医療系スタートアップの株式会社CureAppに転職。 プロダクトマネージャーとして、日本初となる“治療アプリ“のリリースをはじめ、新サービスの立上げを経験。 CureAppでの経験から医師という存在の特別さを知り、医師を志す。 2022年、三重大学医学部に入学。 医学生兼フリーランスとして新規事業立上げや中途採用の支援を経験。 2023年1月から「ソーシャリア」に携わり、現在は執行役員CPOとして開発組織を統括。 ノーコード開発ツールであるBubbleを活用した新しい開発スタイルに挑戦中。


外村 大  大学を卒業後、株式会社ベイカレント・コンサルティングに入社。システム開発プロジェクトのPMO、IT-SMEを担当。その後、株式会社ローカルベンチャールームに転職し、UXエンジニアとして複数の新規プロダクト開発に従事。現在は、フリーランスのUXエンジニアとして、新規事業の 0→1 フェーズのプロダクト開発を支援している。

事業立上げフェーズにおける複業人材の活用方法とは?

ーはじめに複業人材を受け入れている企業側として、代表の水本さんに質問です。複業人材を活用した背景/理由を教えてください。

水本さん:
2021年に半年ほどかけてソーシャリアの事業プランを考えていたのですが、プランを形にしていく際にベータ版のプロダクト開発が必要で、エンジニアを探していました。

一方で、スタートアップの立ち上げフェーズで資金も限られているので、いきなり正社員で採用するというのは難しく、複業で関わってくれるエンジニアを探しました。

ー一人目の複業メンバーの外村さんとの出会いのきっかけを教えてください

水本さん:
ソーシャリアのビジネスプランを考えたあと、サービスのプロトタイプを作成するためにノーコードでのプロダクト開発を学べるプログラミングスクールに通いました。
外村さんはプログラミングスクールで講師をしており、そこで出会いました。

ノーコードで、プロダクトの原型となるサービスを作りましたが、限界を感じ、プログラミングスクール卒業後の2022年9月ごろから外村さんに全面的に開発をお願いしました。

ー続いて外村さんにお聞きします。複業で参加することへの躊躇などはありましたか?

外村さん:
水本さんは、プログラミングスクールの中で、高いレベルでアイデアを形にし、受講後にサービスとして立ち上げようとしていたので、自分自身何か力になれれば良いなと思っていました。丁度そのタイミングで、水本さんからプロダクト開発の話を頂きました。

水本さんは、プログラミングスクールの2期目の生徒で、何か力になりたいと思っていましたし、活動自体を応援したいという気持ちがあったので、複業で参画する事に躊躇はありませんでした。

丁度フリーランスとして独立するタイミングでもあったので、フルタイムではなく、複業で関わるという形も参加しやすかったです。

ー複業という形でお願いした理由はありますか?
水本さん:
事業を前に進めていく上で、優秀なエンジニアが必要でしたが、事業立上げ時にフルタイムでお願いするのは現実的ではなかったので、複業という形で、お互いのことを知る機会を作り、徐々にお願いする範囲を広げていければと考えていました。

また、別の理由としては、お客様に新たな採用手法として、複業を勧める前に自社で積極的に取り入れながら効果を検証していきたいという狙いもありました。

ー開発部分の業務でどんなことをお任せしていたんですか?

水本さん:
デザイン、機能一覧の作成、UIやデータベースの設計などです。
全体的な構想や要件などの認識合わせなどは行っていましたが、プロダクト開発の部分は、全面的にお任せしていました。

ー業務をお任せする際に、複業人材だからこそ悩んだり考えていたポイントはありましたか?

水本さん:
エンジニアへの開発部分の依頼は切り出しもしやすく、複業でも比較的任せやすかったです。
しかし、当たり前ですが、複業はフルコミットに比べると時間が限られており、時間的な制約があります。

どのタイミングで事業を伸ばすかといった、「ビジネスサイドのスピード感」と整合性を合わせることは、意識して進めました。

ただ、ビジネスプランを考えていた段階でも、「ソーシャルビジネスの市場」で、「複業転職」という世界を実現するには、時間を要する点については、周りからもアドバイス頂いていましたし、自分も同じように考えていました。

なので、しっかりユーザーの声を聞きながら、必要な機能が何なのかについてじっくり考えながら、開発を進めていくことが大事だと考えていたので、中長期的に複業人材に伴走いただきながら、じっくりと開発していくアプローチは、親和性が高かったと思いますね。


ー新規事業立ち上げのフェーズに複業人材を採用することのメリットはどのようなものがありますか?

水本さん:
いくつかありましたが、まずはフレキシビリティが高いという点です。
ソーシャリア立ち上げ当初はスターコネクトの既存事業を行いながら複業のような形で立ち上げを行っていたのですが、新規事業の立ち上げは試行錯誤が必要なので、どこかで必要なキャッシュを作り、新規事業と既存事業の並行期間を作りながら、徐々にソフトランディングさせていくことが重要だと思います。

キャッシュの面でも、要件等が明確に決まっていない、事業立上げフェーズでは、固定的なチーム体制ではなく、複業メンバーを中心としたフレキシブルな組織体制の方が良いと思います。

ーその他に、複業人材を活用することのメリットはどの様なものがありますか?

水本さん:
スタートアップの事業立上げフェーズでは、「転職では出会うことが難しい優秀人材が、複業だと来てくれること」です。
これはソーシャリアに限らず、突然、転職で武井さんや、外村さんの様な優秀なエンジニアを雇うのは、非常に難しいと思います。それは資金面だけでなく、転職者本人の気持ちから考えてもハードルが高いと思います。
そういう意味では、「複業」というのは、「新たな採用手法」としてもメリットがあると強く思います。

ー複業チームで立ち上げを行う中で、実際に感じたデメリットはありますか?

水本さん:
先ほども少し触れましたが、限られた時間の中での関わりになるので、フルコミットに比べて、「事業スピードが遅くなる」という事です。
あとは「コミュニケーションコスト」は一定かかってしまうと思います。フルコミットの場合、オフィスで隣にいて、口頭でお願いしたらすぐに解決できることも、リモートで別空間、時間軸の中でのチームの場合、slack等で工夫しながら連絡する必要があり、その辺りの難しさはあると思います。

ーコミュニケーションの難しさ等の課題感もあるとのことですが、複業チームでのコミュニケーションにおいて注意している点はありますか?

水本さん:
「明確な指示を出す」様に心がけています。
slackでコミュニケーションすることは大変だと話しましたが、slackで書けるということは、しっかりと言語化して、お願いできるという事なので、逆に言うとslackで書けないことを依頼してはいけないと感じました。

一方で、ソーシャリアの場合は、武井さんが製品開発側と事業開発側の橋渡しをしてくれていて、ビジネスサイドの要望を翻訳してくれるので、最近はそこまで気を遣うことはなくなり、スムーズに製品開発側にお願いできていると思います。

【編集後記】
自らが複業という働き方を最大限に活用し、クライアントにもその価値を伝えている水本さん。

一人で事業を始められてから仲間が増えていった過程や、その背景をお伺いし、
「複業人材を活用する価値は事業立ち上げフェーズにこそ活きる」という熱いメッセージが伝わってきました。

そして、一見当たり前のようですが「自分自身が心から価値を感じているものを、自社サービスとして扱うことの幸せ」というものを水本さんへのインタビューを通して感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は複業人材のお二人へのインタビュー内容をお伝えします!

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