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【開催レポート】ソーシャルキャリアMeetup #01
2025年1月、社会性と経済性を両立する事業で、新しい市場を切り開く4社をお招きし、ソーシャルキャリアMeetupを開催しました。
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本イベントでは、市場開拓の最前線で顧客と向き合う、「セールス」、「事業開発」を担う登壇者から、現場での挑戦のリアルを解像度高く語っていただきました。
イベント後のアンケートでも、「ソーシャルベンチャーの実態がよく分かった」「自身のキャリア観を見直すきっかけになった」等、多くの反響を頂いています。
このレポートでは、イベントの内容を詳しくお届けするとともに、各登壇企業が求める人材像等についても紹介していきます。
尚、本イベントに込めた私たちの想いについては、以下の記事でも紹介してますので、こちらも是非ご覧ください!
当日のアジェンダ
当日はピッチ形式の各社企業紹介から、ソーシャルビジネスの解像度向上に寄与する各種テーマでのパネルディスカッション、そして各社の採用情報等について、対話形式でお伺いしました。
当日のアジェンダ
➀オープニング
・ソーシャリアが目指す世界観の共有
➁企業紹介
➂パネルディスカッション
・各社のグロースフェーズに至るまでの道のり
・社会性と経済性の両立における難しさと醍醐味
・型にとらわれない営業・事業開発のリアル
・次のステージに向けた戦略と構想、等々
➃求める人材像
企業紹介については、弊社CPOの武井が、各社の詳細を以下それぞれの記事で綴っていますので、是非こちらもご覧ください。
(それぞれ、本当にアツい企業であることを実感できるので、ご一読ください。。)
パネルディスカッションのハイライト
イベント前半では各社のピッチを通し、それぞれが目指すアツい未来への希望を垣間見る中、パネルディスカッションでは、ソーシャルベンチャーの現場を闊歩している皆さまから様々な論点が飛び交いました。
その中でも象徴的だったポイントについて、幾つかご紹介します!
ソーシャルベンチャーの実態
ディスカッションを通し、「社会的企業だから優しい」という一般論は、ソーシャルベンチャーのリアルを表現するという意味においてミスリーディングかもしれない、という印象的な気づきがありました。
(参加者からもこの点に係る感想を多くお寄せいただいています)
ヘラルボニーの國分さんは、「私たちは、経済合理性限界曲線に挑戦するからこそ、意思決定をはじめ、より険しい推進力が必要になります」と仰りました。
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エールの藤村さんも付随して、「『社会のため』という言葉だけでは顧客の心は動きません。ROIという共通言語等にも向き合いながら勝負する必要があります」と、通常のビジネスに比して直面する論点の多さを指摘します。
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Inspire Highの杉浦さんからは、「教育というドメインで社会変革を目指すからこそ、既存の枠組みでは測れない価値を、いかに市場が受け入れる形で提供できるか。その挑戦は決して生易しいものではありません」という発言がありました。
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鍵となるマインドセット
また、他者承認への依存から脱却するマインドセットについての議論も極めて興味深かったです。
「『誰かの役に立ちたい』という動機だけでは足りない。むしろ『自己中』とも言える強い主体性を持ち、自分が物語の主人公として社会を変えていく覚悟が必要です」と、國分さん(ヘラルボニー)は印象的な発言をされていました。
それを受けハチドリ電力の池田さんも「私たちは挑戦、実行、利他、スピード、ワクワクというバリューを掲げています。社会課題に向き合うと、時に悲壮感が漂いがちですが、だからこそ主体的に楽しむ姿勢が重要です」と語ります。
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内発的に湧き出す力に従っているからこそ、愚直に市場開拓の最前線に立ち続けられることを、参加者も垣間見たのではないでしょうか。
既存の枠組みを超えた営業・事業開発
ディスカッションの中では、各社が現在のビジネスモデルに至るまでに経た、様々な試行錯誤にも話が及びました。
池田さん(ハチドリ電力)は、「電力会社としてではなく、新しい価値を提供する主体として、企画力とクリエイティビティを発揮する営業を目指しています」と述べています。
コモディティの性質が強い電力事業では、通常の営業で既存マーケットを開拓するハードルが高くなる故、価値創出型の営業を愚直に続けられている姿が印象的でした。
杉浦さん(Inspire High)は、「当初はB2Cのオンライン教育事業として始めましたが、使いたい消費者だけに届くサービスでは、本当に必要な対象へサービスが届かないジレンマがあった。そこで半年で大きくピボットし、学校教育向けのB2Bモデルへと転換。現在では全国の生徒さんに届けられるようになりました」と語ります。
藤村さん(エール)も、「従来の研修会社との差別化を図るため、『聞く』というアプローチを軸に、組織全体の本質的な変容を支援するモデル確立を目指すと共に、昨年からは大企業マーケットの開拓をメインスコープとしています」と語ります。
これ等の生の声は、大きな事業の方向転換を迫られることも少なくない現場のリアルを垣間見る、印象的なお話だったのではないでしょうか。
各社が求める人材像
今回登壇いただいた4社は何れもグロースフェーズ。採用にも力を入れており、イベント最後には各社が求める人材像についても語ってもらいました。その中で、各社から共通して出てきた要素が以下です。
・複雑系を楽しむことができるマインドセット
・管掌領域に拘らず、型にはまらない推進力
・自身の欲求に真っすぐ向き合う自己理解
また併せて、各社からは以下のようなメッセージも頂きました。
※併記している各社の求人ポジションは、この限りではございません(求人の一部を記載)。詳しくはソーシャリア内の募集を探すよりご確認ください。
ハチドリ電力が求める人材
カオスな環境でも、挑戦、実行、利他、スピード、ワクワクというバリューを体現して働くことができる人材
営業という型にはまらず、新しい価値創造に挑戦できる人
気候変動という課題への挑戦に関心のある方
Inspire Highが求める人材
相手の言葉で価値を語れる人
教育の未来を自分ごととして捉えられる人
AIとの共生時代における教育の変革期に関心のある方
ヘラルボニーが求める人材
強い自己理解と、それを言語化できる人
その延長で、ヘラルボニーのミッションと自己の欲求が重なる方
「シャンゼリゼ通りにヘラルボニーを」という夢を共有してくれる、グローバル展開を共に描ける人
エールが求める人材
抽象度の高い価値を具体化できる人
(サービスが未確立の領域において自身で価値を定義できる人材)組織変容という難題に粘り強く取り組める方
おわりに
今回のイベントを通じて、ソーシャルベンチャーが決して「優しい」事業領域ではない、という印象をお持ちになった方も多いのではないでしょうか。ソーシャルベンチャーは、市場原理だけでは解決できない課題に、ビジネスの手法で挑戦する、極めてチャレンジングな領域です。
しかし同時に、その困難さゆえの醍醐味があることも伝わってきました。ハチドリ電力の池田氏が「踊るように働く」がモットーだと語ったように、課題に立ち向かう中でも、その過程を楽しみ、新しい価値を創造していく。そんな登壇者の姿勢が印象的でした。
社会課題の解決に、ビジネスを通じて挑戦する。その道のりは決して平坦ではありませんが、だからこそ、キャリアを賭けるに値する挑戦といえるのではないかと、私たちは考えています。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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