近親者が死去してから、行政手続きをするまでの備忘録

※これは筆者の体験談であり、すべての人がこのケースに該当するわけではないことをあらかじめ断っておく。

去る2023年1月3日、筆者の父が死去した。享年76歳。死因は心不全。
筆者はその年の前年、つまり2022年12月30日に介護施設にいる父と面会した。

父は2018年3月に脳梗塞で入院して治療を施したが、半身不随で言語障害を患ってしまった。そのため父の側からはおそらくこちらの言うことはわかっているものの、こちらは父が何を言おうとしているのかわからない。

それがしかめっ面の表情に出ていた。こちらもIT機器を使って何がいいたいのか勧めてみたが、面倒くさいのか拒否されてしまう。

このような状況が5年近く続き、2022年生前最後の父の面会となった。当然言語障害があるため、こちらには父の意図はわからない。しかし父は自分の最後がわかっているのか、帰り際に手を伸ばしていた。

触ったその手は布団の中にずっと入っているはずなのだが、冷たかった。母と弟に聞いたところ、その2日後つまり2023年の正月に父と面会したときには呼びかけても反応がなかったという。この話を後で聞いて「これが人が死ぬ」ということだと認識した。

その後役所への手続きに入るのだが、問題は暦日締め切りのものが多く、正月明けからバタバタしていた。

まず死亡届けを死後7日以内に出さないといけない。これが営業日ではなく暦日での締切である。つまり一般的な仕事納めの12月28日やゴールデンウィークの初日である5月2日などに近親者が死亡すると、役所自体がやっていないので、期限ギリギリでバタバタする。

筆者の父の葬儀は混んでいたということがあったのか、葬式は死亡してから約10日後の1月12日に執り行われることになった。この間に死亡届は母が手続きをした。

葬式は残された家族、筆者のケースは自分と母、弟、妻の4人のみで執り行い、他の家族は呼ばないことにした。葬式の手順は以下のスケジュールで行われた。

1.斎場に行く
2.遺体と対面する
3.棺桶の顔の部分の蓋を閉める
4.焼き場に行き合唱して見届ける
5.骨になるまで1~2時間あるので、その間に葬儀の支払い手続きを済ませる
6.箸渡し(2人で遺骨を骨壷に入れる行為)をする
7.骨壷に入った遺骨を自宅に持って帰る

最後の骨壷を持って帰るところは、通常であれば車を使って自宅に持って帰るところだが、車を持っている人が誰もいないため、母の家まで筆者が歩きと電車、バスを使って骨壷を運ぶこととなった。

骨壷本体が結構重たいため(体感的に7~8キロはあると思われる)、運ぶのに相当苦労した。運び終わったときには腕に力が入らない状態だった。

悲しみに暮れる暇もなく、母から死亡日から14日以内に届けないといけない書類があるというので、当日は夜の7時に自宅に帰り、翌日早朝7時半に母の家に再度事務手続きの手伝いをしに行くこととなった。ちなみに筆者の家と母の家は電車とバスを乗り継いで約1時間程度離れた場所にある。

まず必要な書類と国と地方自治体から、もらえる権利は何があるのか、それに必要な書類は何かの確認を2人でする。確認を終えて役所に行き、着いた時間は10時少し前。

いくつかの手続きがあるので、まずは役所の受付に口頭で質問する。受付の人は死亡に関する手続きの手順を丁寧に教えてくれた。滅多に起きないことなのでこういった手順を教えてくれるのは助かる。

まず介護保険を利用していたので、介護の窓口に行く。そこでサービスの過誤納がないか確認をする。そこからが大変で各窓口に行くたびに書類を書かないといけない。待ち時間とこの書類記入で疲れてしまう。

次に後期高齢者医療の窓口に行き、葬祭費の請求のため書類に記入をする。最後に未支給年金と遺族年金について窓口に行き、説明を受ける。ここで初めて役所で以下の書類を窓口で購入する。これは役所の窓口ではなく、年金事務所にて手続きを行なうために必要な書類だからだ。

・戸籍謄本(父が除籍されたもの)
・住民票(死亡した父の分と母の分の2通)
・前年分の非課税証明書

他にも必要な書類はあるが、それはこちらにあるもので役所で購入するのは上記の書類である。

知らないで進めると、何回も往復することになると受付の人から聞いていたので時間の削減ができてホッとしている。役所の手続きが終了したのが11時30分。ここでレストランで昼食を取る。

ここで母から「企業年金の未支給年金もあるはずなので、窓口に電話して」と言われ窓口に電話すると、上記の戸籍謄本と住民票(前年分の非課税証明書は不要)が必要で、返信用封筒を入れた書類を母の自宅に送るのでこれらを返信してほしいとの回答を得た。そこで役所に戻り同じ書類をもう一度購入する。

ここで本当に役所の手続を終えて、年金事務所に着いたのが12時50分。窓口でまた書類に必要事項を記入して、窓口が開くまで待つ。この待ち時間が約1時間10分。昼休みを挟んでいたためか、職員の数がまばらで前の人が呼ばれて自分たちが呼ばれるまで約30分待った。

最後に父の未支給年金と母の遺族年金の手続をする。ここでも書類に必要事項を記入する。職員とスムーズにやり取りをしたつもりだがこれでも40分程度の時間がかかった。最終的に手続を全部終えたときには時計は15時を回っていた。

役所で聞いた未支給年金については、死亡日を基準にして月割で支払われるようだ。父のケースの場合、1月3日に死亡したので2022年12月分と2023年1月分の年金の支給が未支給となって支払われる。年金の支給は偶数月に前2ヶ月分が支払われるので、このようになるようだ。

介護保険と後期高齢者医療保険の過誤納は、調べたところ被保険者資格喪失日の前月まで月割で計算し還付されるもよう。これらの請求はこの後審査をして母の銀行口座に振り込まれるのが、すべて大体2~4ヶ月先だという。

母も高齢のため書類の書き込みは自分が行ったが、自分自身もこの書類の書き込みと微妙な待ち時間が積み重なって、帰りは疲労困憊してしまった。それでも1日で役所関連の手続を終わらせてホッとしている。

12時前に役所の手続を終えてレストランに入り、13時前に年金事務所に行ったことが、1日で事務手続きを終えられた要因だったように思う。年金事務所は13時を過ぎてから、すごい込みだしたのでこの推測はあながち間違っていないと思う。当然書類を手書きで書くスピードも要因の一つとして挙げられる。

ご参考になれば幸いです。


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