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SNS「エコーチェンバー」が結果を左右した兵庫県知事選、選挙の新たな潮流
兵庫県知事選挙では、SNSが選挙戦を
大きく動かす要因となりました。
再出馬を目指した元斎藤知事は、初期
の支持低迷から、YouTubeやX(旧Twit
ter)を駆使した支持拡大戦術で大逆転
を果たしました。特にYouTuber立花
孝志氏による動画投稿が「パワハラは
なかった」「公約実現率98.8%」といっ
た発言を拡散し、斎藤氏支持の熱を
高めました。一方、対立候補稲村和美
氏は公式アカウント凍結やデマの拡散
など逆風に見舞われ、公職選挙法違反
の告発をしました。
本選挙戦では「エコーチェンバー」と
呼ばれるSNSの特性が顕著でした。
SNS上で似た意見の投稿が拡散される
中、支持者同士が結びつき、異なる
意見が排除される状況が生まれました。
斎藤元知事の支持者は支持者の投稿を
中心にシェアし、反対派は反対意見
のみで結束する「分断」が明確になり
ました。
この「エコーチェンバー」現象が、
当初は支持が伸び悩んだ斎藤氏の街頭
演説に対する関心を変え、最終的には
多くの聴衆を集める結果につながった
と考えられます。
立候補者、選挙対策本部の関係者は、
単にSNSを活用するだけに留まらず
より戦略的な活用。YouTuberやイン
フルエンサーなどとの連携といった
これまでの選挙ではやってこなかっ
たソーシャルメディアに対応できない
と、選挙には勝てない!という新たな
潮流となった選挙でした。
(2024.11.28 Vol.97)