見出し画像

人との出会いが、世界に彩をもたらす。

「FUN THINGS KYOTO」吉村大さまインタビュー


シルクスクリーン技術を用いたプリントワークショップ「FUN THINGS KYOTO」を広める活動をしている株式会社よしむらしるくすくりーん代表の吉村大さま。この度Social firm Fest.に協賛いただきました。なぜ協賛くださったのか、どんな想いで活動されているのか。そんな吉村さんの価値観や人生に迫りました。


苦しみを吐き出し、多様な価値観と出会う場があれば、世界の見え方は変わる。自身の原体験から、Social firm Fest.に価値を感じた


ーSocial firm Fest.に協賛いただいた理由をお聞かせください。

吉村:価値観に共感して、何かお力になりたいと思った、というのが率直なところです。代表の永井さんには昨年春から夏頃にお会いし、Social firm Fest.のお話を聞きました。

​​​​悩みを抱える人たち、そして悩みを乗り越えた人たちが集まり、一人ひとりが抱える課題や違和感を、ただの「問題」として捉えるのではなく、新しい働き方のアイデアへと生かす場。そんな場こそ、必要だと感じました。

若い世代の方は、この先どうしようとモヤモヤを抱えたり、悩むことが多いと思うのです。僕も、かつて人生でいろんなことに苦しみ、悩みました。そんな時に、もっと早く相談できる場所があったらよかったなと。

過去の自分が欲しかった場所だと感じるからこそ、今度は「乗り越えた側」として、何かお役に立てたらなと思いました。

ーなるほど。吉村さん自身も、これまでの人生で、誰にも相談せず悩んだことがあったのでしょうか。

吉村:僕自身、10代後半の頃に全身アトピーを患い、2年ほど引きこもった時期がありました。ちょうど周りが大学生になって、色々なことに挑戦し、たくさん遊ぶタイミングでした。そこで、大きく言うと、社会の当たり前からドロップアウトしてしまった感覚があったんです。

加えて、僕の両親が個人経営の事業をやっており、僕は2代目として事業を継いだので、 俗に言う一般的な社会にあまり出なかったんです。いわゆる家族経営ですね。

僕の家業は、アーティストのライブなどで売り出す大量生産のTシャツをプリントする製造業でした。下請けでひたすら製造する職人なので、あまり人と接する機会がなく…良くも悪くも閉鎖的な環境だったので、人と接する機会も少なく、苦手意識がありました。

ーそうだったのですね...!そんな“世間の当たり前から外れている”という苦しみからは、どのように乗り越えられたのですか。

吉村:人との出会いでした。

僕は30代後半、今から5年ほど前に、異業種の経営者チームに加入した時に、そこにはそれぞれの苦しい思いを糧に、自分のビジネスを通じて社会を良くしたい、という方がたくさんいらっしゃって。そこで本当に救われました。

みんなそれぞれの事情で、何かしらで苦しんでいる。でも、それをパワーに、人の役に立てるんだという事実に、喜びを感じました。

他者から見たら「そんなことないよ」と思うことでも、ご自身の中ではすごく苦しくて、人には言えないことって、誰でも生きていたら1つはあると思うんですよね。それに、人のことは良く見えるもの。自分1人が悩んでいるように思って、苦しみがちだと思うんです。
そんな気づきがあってから、僕自身も、苦しかった経験や想いを少しずつオープンにできるようになってきました。アトピーの件もそうですし、両親が早く亡くなってしまったこととか。悩んだこともたくさんあったけど、それを他の誰かに伝えることで、何か救いになるのだという、ポジティブに捉えることができました。

小学生、中学生、高校生、そして20代前半ぐらいの、ちょうど悩みやすい時に、「おっちゃんもこうやったで」と。偉そうに言うんじゃなくて、「こんな苦しい時期もあったけど、今は楽しくやれているよ」と伝えることが、希望になるんじゃないかなと。そんなことが、僕ができる1つのお役目かなと思ってますね。

ー苦しみを1人で抱えず、話して共有するだけでも、気持ちが楽になりますよね。

吉村:そう思います。閉鎖的な環境であれば、なかなか価値観の共有ができない。多様な意見を伝え合える環境が、みんなそれぞれにあるといいなと思います。

圧迫された働き方から、個性を活かし自分らしさを表現する働き方へ。プリントワークショップ「FUN THINGS KYOTO」の取り組みとは。

ー株式会社よしむらしるくすくりーんさんの「働く人の”ツラい”を変えるアイデア」をお聞かせください!

吉村:今はプリントワークショップ事業を通じて、僕自身がイベントの出店をするだけでなく、「技術の提供」によって、働き方の幅を広げています。

かつて大量生産のプリント工場を経営していた際は、従業員さんがたくさんいました。納期スケジュールを絶対守らせねばならない、全て同じように作らねばならない、一枚もミスしてはならない、という、圧迫された世界だったんですね。

そこから今は、プリントワークショップを通じて「個性を活かし、自分らしさを表現する」働き方を提供しています。

僕のシルクスクリーンプリントは、資格は必要ないですが、学べる場所がありません。
そこで、僕はいろいろな方にパートナーになっていただいています。簡単に言ったらフランチャイズに近いのですが、フランチャイズは「親会社が上」と「加盟店が下」のように感じて嫌なので、“パートナーシップ”という形をとっています。

ーパートナーシップとは、具体的にどのようなものなのでしょうか…?

吉村:プリントワークショップ「FUN THINGS KYOTO」のブランドの世界観とプリントの技術を提供しています。僕がやってることは、世界で誰もやってないビジネスモデルなので。実はyoutubeとかでもハウツー動画があるのですが、絶対に見ただけじゃできない技術なんです。なので、最初に僕がレクチャーをし、インクやTシャツの材料を購入いただく。

特に障害のある方が行くB型の就労支援施設で、今のお仕事にシルクスクリーンプリントを取り入れませんか、とご提案しています。導入先の環境、世界を変えていくことができるのではないかと。

ーどのように変えていけるのでしょうか?

吉村:就労支援施設さんでのお仕事は、例えば100円ショップの製品の袋詰めなど、内職に近いものが多いのですよね。 それらにも何月何日までに納品するという納期があるので、間に合わなければスタッフさんが残業するケースもあります。また、作業を黙々とやる形になるので、どうしても閉鎖的な状況で。ご自宅からは外に出ていても、人との繋がりが生まれにくい状況にあると感じました。

そこで、僕たちのプリントワークショップを取り入れていただくことによって、 イベント出店を通じて地域の方と繋がれるきっかけが作れます。また、Tシャツ1枚の中でも様々な工程があるので、それぞれの特性を活かす役割分担ができます。例えば、絵を描くことが好きな方はデザイナーとして、黙々と作業することが好きな方にはプリントする職人さんになっていただいて、など。バトンリレーのように様々な人の手によって紡がれていく、そんなストーリー性も、心が豊かになると思っています。

ープリントワークショップ技術の提供により、圧迫ではない形の新しい働き方が生まれているのですね。

吉村:特にファッションは自己表現に繋がりますよね。ご自身がデザインしたもの、ご自身がプリントしたものを、ネットやリアル店舗で購入いただいた時の感動。自分の作ったものでお金がちゃんと得られる経験は、社会から承認され、繋がりを感じる、非常に大切なものだなと感じます。

現代はまだまだ”健常者”と”障がい者”とが分けられた社会です。「あなたは障がい者だから」という無意識な区別は、人の可能性を閉ざしてしまいます。彼らには彼らの個性があり、ポテンシャルを秘めている。踏み出すきっかけを作れる自信があって。

また、自分で着る服を自分で作るという体験中の感情や思いも込められることで、服の価値が変わります。流行になぞらえた大量生産の服ではなく、「自分で作ったものを大切に着るのがかっこいいよね」という世界観を作っていきたいのです。僕は両親から受け継いだ大切な工場を2年前に完全に辞めて、人生をプリントワークショップにかけることに決めています。

ー確かに、誰かが作ったトレンドではなく、自分自身の想いや個性に焦点を当てたオリジナルのTシャツは、宝物になりそうです…!

吉村:そうなのです。新しい価値観のムーブメントとして、「FUN THINGS KYOTO」というプリントワークショップを広めていきます!

ワークショップの様子

ー最後に、Social firm Fest.に期待していることを教えてください!

吉村:生きづらさを感じられてる人が、今はそれで大丈夫なのだと気づき、自分で自分の可能性を1番信じてあげれるようなきっかけになったら嬉しいなと思っています。

どうしても人って、周囲と比べて良いか悪いかで自分を見がちじゃないですか。人と比べて劣ってることに落ち込んでしまう。けど、全然そんな必要性はなくて。今のネガティブな感情や体験が、実は5年後、10年後にはあなたの人生にとって絶対プラスになってるんです。僕自身、アトピーがひどい時期は人生最悪だと思っていましたが、今は楽しいです。

ただ、つらい時はどうしてもそう思えないと思います。なので、僕みたいな“乗り越えた”人の話は希望になるのではないかなと。人との出会いが人生を変える。当日、誰かと繋がり、心が晴れやかになる機会になることを期待しています。

ー当日は、「FUN THINGS KYOTO」のプリントワークショップも体験できるのですよね。

吉村:そうなのです!デザインは完全オリジナル。クラウドファンディングの中で皆さんから集めたメッセージの中から厳選して、オリジナルのデザインを1つ制作させていただきます!
ぜひ僕らのプリントワークショップを体験しにきてくださいね。

お待ちしております!



Social firm Fest.のクラウドファンディングページはこちら

「FUN THINGS KYOTO」のプリントエコバックがもらえるページはこちら

「FUN THINGS KYOTO」さんのホームページはこちら

「FUN THINGS KYOTO」さんのSNSはこちら


いいなと思ったら応援しよう!