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そろそろ35歳問題を考えたい人のための読書会 村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』を読む(7/28)

35歳になった春、彼は自分がすでに人生の折り返し点を曲がってしまったことを確認した。

村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』「プールサイド」

こんにちは、SOCIALDIAのもっちです。

突然ですが私はいま29歳なので、次回7月に読書会をする時には30歳になっています。
これまで多くの先輩たちから「オレ、来月30歳なんだよなー」と言われる度「いや、言うてなんも変わらないじゃないっすかー」と適当に相槌を打たされてきたあの30歳。
25歳くらいから発生する、自分がいつから"アラサー"なのかという議論にすらもはや参画できないジャスト30歳。
「30超えると太るから気をつけなよ」と余計すぎるお節介ハラスメントを5億回は受けてきた、徹頭徹尾30歳です。

基本的に上はもう全部「うるせぇー!」で終わりなのですが、転職や結婚があったり、親が還暦や退職を迎えたりなど、なんらか人生の転機を実感しやすい年齢であるのもまた事実ではあります。

しかし、どうにも30代にまとわりつく「負のオーラ」はなんなのでしょうか。私たちは、どうして30歳に「なってしまう」という複雑な気持ちで誕生日を迎えるのでしょうか。一つ補助線を引くならば、批評家・東浩紀の『クォンタム・ファミリーズ』には以下のような描写があります。

ある職業を選べば、別の職業を選べないし、あるひとと結婚すれば別のひととは結婚できない。直接法過去と直接法未来の総和は確実に減少し、仮定法過去の総和がそのぶん増えていく。

そして、その両者のバランスは、おそらく三十五歳あたりで逆転するのだ。その閾値を超えると、ひとは過去の記憶や未来の夢よりも、むしろ仮定法の亡霊に悩まされるようになる。

東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』

つまり、35歳くらいを境として「未来の夢」のようなものを複数描くことができなくなり、人生がある一つの「未来の夢」に向けて収縮していく。そしてそれと同時に「あの時あれもできたはず」という後悔にさいなまれるようになる。これを東浩紀は「35歳問題」と名付けます。

これはとても実感に即した問題ではないでしょうか。新卒1年目であれば無限に選べたように見える就職選択肢も、29歳の転職ともなると非常に限られたものとなってきます。
つまり、ある種のプレ「35歳問題」としてわかりやすく出てくるのが「30歳」という年齢なのかもしれません。

そうはいっても実際問題として、私たちの30代は現前としてあるわけです。選択肢が少ないとしても、自分にとっての理想的な会社を選び取らねばならないし、マッチングアプリの「いいね」を誰かには押さねばならない。

今回の読書会では、この35歳にまつわるイメージを解きほぐし、参加者みんなで語り合ってみたい…ということで、冒頭で引用した文章の出所である『回転木馬のデッド・ヒート』を扱います。発端である「プールサイド」に特に触れましたが、読書会では本全体を扱えればと思います!

35歳問題に悩む方であれば(そうでなくても)お気軽にご参加ください。

読書会詳細 

扱う本:村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』
日時:2024年7月28日(日)15時~
形式:Zoomオンライン開催
参加費:無料
お申込み方法:SOCIALDIAのSTORESより、リンク先の画面に従ってお申し込みください👇

★お申し込み済の方で、参加が難しくなったという方は、お手数ですが以下までご連絡くださいませ。
light.socialdia@gmail.com

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