ミャンマーのゆるキャラが夢を描く
ターニャとヤンゴン水物語
2017年。国土交通省の田本さんと伊藤さん(当時、国交相出向中)といっしょに、下水道啓発アニメーションのミャンマー版を作ることになった。
さすがに、ミャンマーでアンコールワットのワッティーというわけにはいかない。
ビルマ語で話すのにふさわしいキャラクター。
それでは、ミャンマーの象徴シュエダゴンパゴダや、世界遺産のパゴダをキャラクター化しようしてみる。すると、色々な人に止められる。敬虔な仏教国であるミャンマーでは、寺院をキャラクター化するような行為は許されないらしい。
どうやらミャンマーの文化に詳しい人が、キャラクターを考えた方が良さそうだ。カンボジア在住の我々SocialCompassのメンバーが作るのは、お門違いかもしれない。
そんな時に出逢ったのが、黒糖の妖精『ターニャ』とその仲間たちだ。
ミャンマーの女起業が描いたターニャ
ターニャはミャンマー在住の日本人、新谷夢さんがデザインしたキャラクターだ。
新谷夢さんは2012年にミャンマーへ移住し、主要都市ヤンゴンでお土産ビジネスを手がける女性起業家。
現地のオーガニック食材に拘ったクッキーは、ボージョーアウンサン市場内にある直営店舗や、ヤンゴン国際空港で販売されている。ミャンマーの定番のお土産だ。
そんな、現地で活躍する方がデザインしたキャラクターならば、ミャンマーで長く愛されるのではないか?そう思い、ターニャとのコラボレーションをお願いする。
制作した動画は、カンボジア・ミャンマーの文化交流を目的とした大規模イベントプエドーのブース展示にて公開された。
カンボジアの水道事業が北九州市が受託して大成功したことに倣って、福岡市や大阪市とともにミャンマーの水道事業を計画していたのだ。ブースはターニャ一色に染まった。
しかし、ターニャの活躍はこれだけに留まらない。
2020年11月、新谷夢さんが描いたエッセイ漫画が、ヤングジャンプ漫画賞のエッセイ部門佳作・審査員特別賞を受賞する。(漫画内のキャラクターは姿はターニャだが、名前はちろ子)
やはり、ミャンマーでの展開はターニャで正解だった。
そう思っていた。
しかし、2021年2月1日。ミャンマーでクーデターが起こる。
新谷夢さんは、コロナで一時的に日本へ帰国していた。ミャンマー在住者には苦しいニュースだっただろう。
ミャンマーの今
ところが、クーデターとコロナ禍真っ只中の2020年5月。ソーシャルメディアで新谷夢さんが、ミャンマーに戻ったことを知る。
ミャンマーから日本へ帰る人はいるだろが、逆はあまり聞かない。今回、この記事の取材と称して、久しぶりに新谷夢さんとzoomでお話を聞かせて貰うことにした。
最近のミャンマーは、どうなのか?
実際、近所で爆発の音も聞こえる。
そして、救急車の音も町中に鳴り響く。
そんな日常だ。
実際、新谷夢さんのお店のあるボージョーアウンサン市場も大半が閉まっていて、仕事もままならない。
それだけではない。六名のスタッフは、全員コロナに罹ってしまう。若いので命に別状はないようなのでが、まだ味覚が戻らないスタッフもいるようだ。
そして、銀行も止まっていて、現金の引き出しもできない。手持ちの現金だけでやりくりをしている。
想像以上に過酷な状況。。。
しかし、そんな状況の中でも、新谷夢さんは郊外の村で栽培するモリンガを使った新商品も開発も行っている。
そして、そのモリンガのキャラクター”モーリン”もめちゃくちゃ可愛い。
ターニャの愉快な仲間がまた一人増えたのだ。
とはいえ、まだまだミャンマー状況が改善される見通しは見えてはいない。新しいことをやって、多くの発信するのはまだ早い状況にあるようだ。
なぜこのような状況のミャンマーに再び戻ったのか?
それは「ミャンマー人のスタッフに戻ってきて欲しい」と言われたからだと、新谷夢さんは言う。
とはいえ、クーデターにコロナ禍になぜ??危険過ぎる。ミャンマーは、深刻な状況なのだ。
ところが、この漫画『脱サラしてミャンマーでクッキーを打ってみた』を読むとよくわかる。
新谷夢さんは、ミャンマー人のスタッフたちと「夢を叶えるために。」戻ってきたのだ。
新谷さんがミャンマーへ戻ってきて、ミャンマー人のスタッフも心強いことだろう。逆に言えば、現金も使えないこの現状は、日本人だけで生活することはかなりの厳しさを感じる。
新谷夢さんとミャンマー人のスタッフの方々が支え合って、この苦難を乗り越え、夢を叶えて言って欲しい。
今のミャンマーに、私ができることを見つけることができていない。いつか、もう少し状況が落ち着いたら、またミャンマーに行って、『ターニャ2』や『モーリン』のアニメも作りたい。
ミャンマーに平穏と安定を心から望む。
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