バスーカおばちゃんとアニメを作る!
カンボジア・バッタンバンからさらに二時間近く行ったサムロートで、農協のおばさま方といっしょにアニメーションの制作を行いました。
NPO法人テラルネッサンスがJICA草の根支援で行っている『地雷埋設地域にある農協の運営強化支援』。
我々ソーシャルコンパスは、このプロジェクトの中で、元は地雷原だった場所を農地に開拓した方々の農協を対象に、プロモーション力向上のサポートを行っています。
テラルネッサンスと一緒に、農協のおじさま方、おばさま方と直接打ち合わせをしながら進めて行きました。商品のパッケージデザインや看板、そして農協のロゴのデザインを行ってきました。
そしてデザイン作業だけではなく、SNS運用のための動画作成のレクチャーも行っています。我々が動画を制作するのではなく、彼ら自身で作れる映像を模索するのです。
2023年8月に、一度目のワークショップとしてサムロートに赴き、デザインのための聞き取り調査や撮影、そしてSNS運用のための撮影ワークショップを行いました。
無理に難しいことを教えても続きません。農協の方々が持っている機材(スマホ)や知識、環境に合わせて、内容を考えました。
そして2023年11月に、製作したデザインのお披露目。そして、動画撮影から一歩進んで、アニメーションのワークショップも試してみることにしました。
田舎の農協のおじさま方、おばさま方とアニメーション制作。。。
いや、おじいちゃんと、おばあちゃんです。
ちょっと、どこまでできるのか。。。不安がなかったと言ったら嘘になります。
子どもたちにたくさんやってきたワークショップですが、果たして
「そもそも、カンボジアの高齢の方々は興味を持ってもらえるのだろうか。。。」
しかし。。。それはいい意味で、裏切られました!
みなさん、アニメーション作りに興味を持ってくれただけではなく、絵を描くのも真剣そのもの。
黙々と集中して、作業をしてくれました。
そして、みなさん、単純に絵が上手。
正直、驚きました。
カンボジアの学校では、美術の教育が行われていません。
今までは、子どもたちはもちろん、大人に絵を描かせようとしても、手が止まってしまう方々ばかりです。
日本人が思う以上に、カンボジアの方々は絵を描けないのです。
しかし、サムロート地区のおじさま、おばさま方は違いました。
高齢の方々の方が、上手なのです。(若い方々の方は、やっぱりちょっとイマイチ…w)
なぜなのか?
それは、高齢の方々はポルポトの内戦の前の教育を受けていたからなのです。
内戦前のカンボジアは、フランス統治下。当時は、美術の授業があったと、おばさま方は教えてくれました。
さすがフランス。
内戦前のカンボジアの教育レベルは思った以上に高かったようです。
しかし、彼女たちは、ポルポト政権前のロンノル政権時に兵士として徴兵されます。女性兵士時代には、コンポンチュナムの空港建築などにも関わっていた話してくれました。
そして、女性ながらも、バズーカなども扱っていたということです。
豪快です。
凄すぎます!!
まさに今の姿からは、想像がつきません。
カンボジアのおばさんは、絵も上手で、バズーカも扱えるなんて衝撃的にもほどがあります。
ポルポト政権に攻められて、ロンノル軍は崩壊します。
話によると、彼女たちは、歩いてコンポンチュナムからサムロートに移住しきたということでした。つまり、行き場がなくて、逃げてきたのです。
その当時のサムロートは、完全なる地雷地帯。
本当に危険の中、今まで、生き抜いてこられたのです。
そんな、バズーカを持っていたおばさま方が、農具を経て、久しぶりにペンを握って描いたアニメーション!!
めちゃくちゃ素敵だと思いませんか?
アニメーションを教えに行ったら、それ以上のことを教えてもらえました。
そして、こちらがサムロートの農協の方々が、自ら作ったYouTube動画!!
(クメール語ですが)ぜひ、ご覧ください!!