インバウンド向け交通安全アニメーション『SocialCompass活動レポート0007』
日本へのインバウンドが増えたことにより、日本国内でレンタカーを借りる外国も増えていました。
それに伴って、訪日外国人の交通事故も増加傾向にありました。東京や京都のような電車で行ける定番観光地ではなく、レンタカーでないと行きづらい観光地へ行く訪日外国人も増えたからです。
なぜ、訪日外国人が運転すると交通事故を起こしてしまうのか?
例えば、この『止まれ』の標識。世界の標準は八角形なのに、なぜか日本だけは逆三角形の形です。それも、『止まれ』と日本語で表記されています。
知らなければ、止まれの意味だとわからないかもしれません。
それ以外にも海外と日本の交通事情が違うポイントとして、信号の黄色の間隔の違いがあります。日本の黄色信号は表示時間は、外国人にとって短く感じかんじるようです。
だから、タイミングで止まっていいいのか分かりず、思い切って渡ってしまう方々も多くなります。
しかし日本の赤信号の感覚は海外より短いので、無理に渡らず待つ方を選ぶんだほうがいいのです。ちょっと待てば、すぐ青信号です。(海外にはめちゃくちゃ赤信号で待たないといけない信号もよくあるので、気持ちもわかります。)
ただ単に、訪日外国人に知って頂くだけで、交通事故の件数は減らせるかもしません。
このように、海外の交通ルールと日本の交通ルールは微妙に違いがあるのです。
そして、やはり一番気をつけて欲しいのがスピード違反。
スピード出し過ぎず、ゆっくりを日本の風景を楽しんでもらうようなメッセージを訪日外国人の方々に届けたい。そんな思いを込めて2018年、公益財団法人国際交通安全学会(IATSS)と共に、訪日外国人向けに日本の交通ルールの啓発動画アニメーションを製作しました。
公益財団法人国際交通安全学会とは、本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏が、車の普及により交通事故が増えてしまったことに憂いて、理想的な交通社会の実現するために1974年に設立された団体です。
とはいえ訪日外国人向けといっても英語だけではありません。中国語、台湾中国語、タイ語、マレー語、韓国語などの多様な言語で作ることになりました。
それぞれの国の言語に合わせて、キャラクターデザインもその国にあったデザインを製作しました。中国のキャラクターはパンダ。英語版はテディーベア。台湾向けには国民的動物・ツキノワグマでした。
タイといえば、象。マレーシアは、何を血迷ったのかクアラルンプールのツインタワーをイメージしたキャラクターです。韓国向けには手堅くチマチョゴリを着た伝統的な韓国人のイメージのキャラクターを準備しました。
ストーリーは、キャラクターと言語以外は基本的には同じものです。しかし、右側通行もしくは左側通行の国なのかにより、微妙に調整・カスタマイズしてあったりもします。
英語版は(この場合アメリカから)日本へ観光に来たテディベアのカップル。(本編中には出てきませんが、「テディー(♂)」と「チャーミー(♀)」という名前だったりします。)
このアニメーションを作成してみて、改めて日本と海外の交通ルールの違いに驚かされました。
日本に比べて、海外の方々が自動車教習所で運転を学ぶ時間も短いようです。そして標識のように、日本独自の交通ルールも多数存在しているようです。日本語版はありませんが、日本人にとっても発見があるアニメーションになったのかもしれません。
中国語版。本編に出てきませんが、裏設定としてパンダの名前は「車車(♂)」と「安安(♀)」だったりします。
台湾中国語版。本編に出てきませんが、裏設定としてツキノワグマの名前は「ムーン(♂)」と「サンサン(♀)」だったりします。
タイ語版。本編に出てきませんが、裏設定として象の名前は「Elepy(♂)」と「Suliya(♀)」だったりします。
マレー語版。本編に出てきませんが、裏設定としてツインタワーの名前は「ライト(♂)」と「エル(♀)」だったりします。
韓国語版。本編に出てきませんが、裏設定としてふたりの名前はを決めていなかったりしますw