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みんなが主人公でなければいけない —— coconovaミュージックナイト 比嘉さん 【地域と歩むまちづくりvol.8】

こんにちは。沖縄県名護市の「地域の公園」coconovaです。

このnoteでは、coconovaをキッカケにあたらしいことを始めてくれた人たちのインタビューをお届けしています。

過去のインタビュー一覧はこちら。

今回は、coconovaで毎週水曜に行っている音楽イベント「ミュージックナイト」の最初期メンバーである比嘉さんをご紹介したいと思います!

比嘉さん
ミュージシャン。沖縄県出身。2018年から名護に移住した。音楽歴は40年以上。本業のかたわら、名護や本部、今帰仁、コザなどで活発なライブ活動を行っている。1年ほど前から水曜19時から開催しているcoconovaのミュージックナイトの最初期メンバー。月に一回、フリーマーケットでライブも開催している。
Written by 平良海舟(スタジオユリグラフ

フラットな関係性を大切にする音楽イベント

 毎週水曜、7時からココノバで行われているミュージックナイト。ギターや三線、鍵盤ハーモニカ、太鼓など、アコースティック系の楽器を持ち寄り、沖縄のポップスなどを演奏しています。心地よい音楽と雰囲気がココノバ中に響き渡るミュージックナイトでは、「参加者同士のフラットな関係」が大切にされているといいます。

「教える人がいるわけじゃないんですよ。ぼくは平等な関係が好きなんです。若い子も、初心者も、みんなが主人公じゃないといけないと思ってます。楽器はじめたばかりの人もいるし、『自分はいいよ』って人もいるけど、一緒にやろう、やってみよう、って声掛けしてます」

 そう語るのは、ミュージックナイトで最初期から参加し続けている比嘉さん。40年以上、音楽を続けてきた比嘉さんは、名護や本部、今帰仁、コザなどで精力的に活動するギタリスト。スキルも高く、ミュージックナイトの参加者たちからリスペクトされている比嘉さんは、とにかく参加者一人ひとりを大切にしているようです。

「月に一回、ココノバのフリーマーケットでミュージックナイトのメンバーと演奏を披露してるんですよ。週一でやってる演奏練習も、とにかく楽しくて、自分の生活にかかせない大切な時間ですね。ココノバ以外の活動として、ぼくの音楽仲間がやってる箱やイベントに、ミュージックナイトのメンバーを連れて行ってライブしたりしてます。連れて行った人はみんな『ココノバ以外のライブにも出れてよかった』って喜んでくれますよ」

 週に一回のミュージックナイトも、月に一回のフリーマーケットでのライブも、今では「生活にかかせないもの」になったと言う比嘉さん。参加者に優しく声掛けしながら、いつもニコニコ上機嫌でギターや三線を弾いています。

新たな居場所を作り上げた"音楽"というツール

比嘉さんが音楽をはじめたのは中学三年生の頃。友達がギターを弾いているのを聞いて、すぐに練習を開始したそうです。「なんでもハマったら徹底しちゃうんです」と語る比嘉さんは、卒業するまでの数か月で、5曲ほど弾けるようになりました。

「ギターを弾き始めてから、次第に三線もやるようになりました。今は沖縄のポップスをやってるけど、昔は沖縄の伝統的な古典も三線で演奏していましたね」

首里出身の比嘉さんが名護に移住したのは4年前のこと。引っ越してしばらくは、「名護がアウェイに感じられた」といいます。そんな比嘉さんの転機になったのは、東江のビーチにあったコミュニティでした。

「東江のビーチに、音楽好きが集まって一緒に演奏している噂を聞いたんです。そこで私が耳コピした曲をみんなと共有したりしながら、徐々に名護が居心地よくなったんです。三年前に、その東江の集まりでcoconovaの代表の北野君にもはじめて会いました」

イベントで一緒に音楽をしている仲間の紹介で、比嘉さんはcoconovaを訪れたといいます。ミュージックナイトは、coconvoa館長の具志堅と二人でスタートしました。比嘉さんは職場の友達を誘い、その友達がさらに人を呼び……という風にして、どんどん参加者は増えていったそうです。

ミュージックナイトに通い続けているアンディさんは、「月に一回、フリーマーケットで発表する、という目標があるので、それが楽しいですね」と語ります。また、7か月以上参加しているルーシーさんは、「敷居が低いところがいい」と言います。「ギターはじめたばっかりの子がいて、お母さんと一緒に来るんですけど、そういう初心者でもぜんぜん来て弾ける場所だな、って思います」

ちょっとした勇気が新しい出会いを紡ぐ

そんな気の合う仲間たちに囲まれた比嘉さん。「coconovaで一番印象に残っている出来事はなんですか?」と尋ねてみると、「私の誕生祝いですね」と笑いました。

「誕生日の日に、何も考えずcoconovaに来たら、なんか人数多かったんですよ。そしたら、急にさ、バンと照明が消えて、みんなが大きなギターの形のケーキを持ってきた。あんなに感動したのはじめてですよ。やがて涙出るところだった。夜眠れなかったぐらい嬉しかったです(笑)」

誕生日をきっかけにして、あらためて「coconovaのみんなに大事にされている」と感じたといいます。継続的にきちんとミュージックナイトを開催したり、メンバーを連れて外のライブを経験させたり……といった活動をしてよかった、と再認識したそうです。「今後、ますますやる気が出ましたよ。次はみんなと何しようかな、って今も試行錯誤してるさ」

音楽を通して、名護で100人以上も友達をつくったという比嘉さん。どんなときにも、はじめの一歩を踏み出していくためには、自分の習慣を変える「勇気」が必要だと言います。

「自分はめんどくさがりな性格なんですよ。だから、やりたいことできない、やりたいなあって言うだけになりがちな人間です。だけど、ちょっとだけ自分の生活習慣を変えたら、偶然の出会いが見つかる。視野がパッと広がって、実際に面白いことも起こったりする。自分の勇気が、新しいきっかけを引き寄せるんですよ」

比嘉さんのモットーは「有言実行」。やりたいことを言葉にして、実際に行動に移すことを大切にしているそうです。メンバー一人ひとりに特別な体験を提供できるよう、試行錯誤していると語る比嘉さんの言葉に嘘はないはず。音楽を楽しみたい人、そして誰にでも優しく接する比嘉さんに会ってみたい人はぜひ、水曜19時に開催されるミュージックナイトにご参加ください。

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