私が「卓球の物理学」を挫折した理由(&少しだけ今後について)
みなさんは何かブログ・SNSでの情報発信を通じて挫折したことはありますか?私についてはタイトルの通りです。挫折にもいくつか種類があると思いますが、私が経験した挫折は以下の2つ。
誰にも発信が注目されない挫折
認知が広がったときに叩かれる挫折
卓球の物理学はあくまで好きで発信しているコンテンツであり、バズらせるための戦略性がなかったため、注目されるのにも時間がかかりました。ブログは数年、YouTubeも一定の認知が広がるのに半年かかりました。
YouTubeも、最初の2ヶ月は週2本ぐらいを投稿していましたが、当時は「たとえ一定の価値があるチャンネルだったとしても、ある日突然伸びるまでに時間がかかることもある」ということを知らず、一時更新をストップしてしまっていました。そのときのチャンネル登録者は10人前後だったと記憶しています。
そうして2ヶ月ほど放置したある日、ふとチャンネル登録者を確認してみると20人ほどまで増えていました。更新が止まっているのに登録してくれる人がいることに、感謝と申し訳なさを感じていました。「この人たちのために、もう少しだけ頑張ってみよう」というのがチャンネルを再開したきっかけです。その後1ヶ月ほどで登録者が5000人ほどまで増えたときには、すごい勢いで脳汁が出ていました。こんなに急激に伸びることがあるのか、と。
しかし、その後ほどなくして、卓球の物理学での発信活動は挫折することになります。アンチ、というわけではないですが、考え方の違う人たちに批判コメントを書かれるケースが増えました。自身の不勉強を指摘される真っ当な批判もありましたが、自分にはおよそ理解できない理由での批判もありました。私は他者からの批判に慣れていませんでした。
これは高学歴あるあるなのかもしれません。(特に日本の)学歴社会を駆け上がるということは、用意されている正解を追い求めることと言い切ってしまってもいいと思います。しかしその教育システムは「その正解さえ追い求めれば、誰もが納得してくれるだろう」という思考につながりかねない考え方を醸成します。実際、私はそのようになっていました。結果として、「発信活動には何か正解があって、それを提示し続けていれば批判されることはない」という、今考えればだいぶ浅はかな思考に陥ってしまっていました。
しかしもし本当にそうなのであれば、例えば科学的には正しくないはずの反ワクチンのような考え方が一定の支持を集めることはないはずです。基本的にワクチンは、「10万人の命が助かる代わりに100人ぐらいには副作用がある」といった代物です(数字は適当です)。つまりいかにそれがマクロで見たときの正解であっても、副作用被害者側の100人、もしくはその身近な人であれば、その人の視点からは「反ワクチン」が正しくなり得ます。単に扇動されているだけの人もいますが、話がややこしくなるので、そこは割愛します。
要するに、大局で見た時の正しさと、自分の目で見て経験した正しさは異なります。卓球も例外ではありません。各々がそれぞれのカメラとレンズを持っている。視野角も違えばピントも違います。どんなに広い視野角の人同士でも、向いている方向が逆方向であれば、見える景色は全く違う。つまりどんな意見であったとしても、各々の考え方や経験値が異なる以上、批判は必ずきます。しかし当時の私は、そのことを理解していなかった。それが挫折の理由です。
そしてそんな感じで自分が未熟だったこともあり、批判に引きずられてしまった結果、私の発信に好意的な人たちの期待をも裏切ることにもなってしまいました。YouTubeの動画で言えば、高評価率は軒並み90%を超えていたにもかかわらず、わざわざその高評価を押してくれた人たちに目を向けることができていませんでした。
卓球の物理学を休んでいる間の2年間は、別のチャンネルを収益化するなどして、ネット上での活動自体は続けていました。その一番手はBackrooms Japanというチャンネルで、もちろんアンチの数はゼロではないですが、コメント欄のやさしさという点ではかなり誇れるチャンネルになりました。若者向けだからだろうか?年を取るにしたがって寛容さが失われていくことと、アンチの増殖には関係があるのかなあ、なんて思ったりしています。
一見すると変なことやってんなと、そう思われそうな経験をしつつ、チャンネル運営を通して不特定多数への発信を行う発信者としてのマインドがかなり培われてきたと感じています。そしてこの成長した自分を以って、今一度「卓球の物理学」の発信活動にも再挑戦しようと思えるようになりました。
今度は1割のアンチに目を向けるのではなく、9割の応援してくれる人たちに目を向けられるように。自分のカメラとレンズで見て経験してきたことをインターネット上に置いておくことで、それが少しでもどこかの誰かの役に立つように。
自分の心に留めておいてもよさそうな内容ではありましたが、同じような悩みを抱えている人がいるかもしれない。卓球の話題ではなかったものの、どこかの誰かの役に立つかもしれないという点では似たようなものです。よって、現時点での心境をweb上に残しておくことにしました。
参考になれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。