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【EDH】相手ターンに構えない?!誰でも使える嵐の咆哮、エリス


はじめに

お疲れ様です。そちです。

前回の「ポルクラノスの再誕」の記事ですが、多くの人に読んでいただけたようで幸いです。
正直、閲覧数が驚くほど伸びているのでビビっています。

今回は「嵐の咆哮、エリス」の統率者デッキの紹介です。
私が愛用している「生ける卒論、オクタヴィア」と半分くらい同じレシピですが、色が増えた影響で何かとできることが増えており、横展開も自力でできるので大変扱いやすいです。

デッキレシピ


「嵐の咆哮、エリス」を考える

「嵐の咆哮、エリス」が抱える矛盾

まず最初に、このデッキのジェネラルの「嵐の咆哮、エリス」のテキストを深掘りしていきましょう。

今回のジェネラルです
このトークンは多めに準備しましょう

能力は大きく分けて3つです。

  1. 飛行・果敢

  2. 各ターン自分の2つ目の呪文を唱えた時に、飛行・果敢・4/4のトークンを生成

  3. 墓地のインスタントとソーサリーのマナ総量の種類1つにつき2マナ軽くなる

マナコスト軽減能力を活かして早期に着地、高性能なトークンで盤面を制圧、飛行と果敢を活かして積極的に攻撃し、戦闘ダメージによる勝利を目指す、攻撃的なジェネラルです。

また、マナコスト軽減能力は統率者税も軽減できるため、終盤でも2~4マナという軽いコストで唱えることが容易となっています。

この3つのテキストから、「インスタントとソーサリーを連打してね!」という圧が伝わってきますが、はたしてそんなに簡単なものなのでしょうか?

実際はそうではありません。
インスタントとソーサリーを活用するのは共通していますが、実はそれぞれの能力が異なる活用方法を求めています。
具体的には以下の通りです。

  1. 果敢→自分ターンに呪文を連打したい(性能の高いソーサリー優先)

  2. トークン生成→複数ターンに小分けにして呪文を唱えたい(軽いインスタント優先)

  3. マナコスト軽減→サイクリングや手札コストを活用したい(唱えない)

見事に全てが別方向を向いています。

そのため、全ての能力を素直に満たすようなデッキ構築は何かしらの工夫が必要と考えられます。

今回のデッキでの解決策

今回のデッキでは、これらの問題を解決するために「エリスをコピーするもしくはエリスの誘発回数を増やす」手法を取ります。

伝説ではないコピーなのが重要
注意点は後ほど

そうすることで、上記の問題を以下のように解決できます。

  1. 果敢→誘発回数が増え、エリスも増えているのでダメージ効率UP

  2. トークン生成→誘発回数もエリスも増えているため、自分ターンのアクションのみでも十分な数のトークンを生成可能

  3. マナコスト軽減→コピー呪文はマナコストが大きいので軽減しやすい+1ターン2回のアクションが基本となるのでサイクリング付き高コスト呪文も使用可能

デメリットとしては、以下のものがあります。

  • コピーや誘発回数追加カードが手札に貯まると2回のアクションが取りにくくなり、果敢の回数も稼ぎにくくなる

  • コピーや誘発回数追加カードはマナコストが重いため、妨害手段が少なくなりがち

1つ目のデメリットは、無理に手札に抱えず、手札交換カードの手札コストとして序盤に捨てる勇気があれば基本的には発生しません。
プレイングでカバーできる範囲だと思います。

2つ目のデメリットを改善するために、1マナで使える確定カウンターや1マナの除去、火力モードを持つ手札交換カードをいくつか採用しています。
そもそも果敢ビートダウンなので仕方なしと割り切っている部分ではあります。
また、「嵐の咆哮、エリス」自身は基本的に統率者税が4~5回かかっても2~4マナで唱えられますので、全体除去は相対的に有利になることが多く、ラッキーくらいに思ってプレイできます。

副次的なメリットとして、コピー系カードはいずれもマナコストが重たいことから土地がフルタップの状態でターンを渡すことになり、ヘイトが上がりにくくなることもあります。

ですので、トークンを生成する時も全力で、打点を上げる時も全力な、構えずに戦う超前のめりなデッキとなりました。

デッキのパワーレベルは5~6です。
即死コンボが無い純粋な殴りジェネラルです。
「嵐の咆哮、エリス」が着地するまでの時間は異様に早いですが、相手を倒し切るだけのトークン生成には時間がかかりがちです。
総評すると中速に分類されると思います。

使い方

まずは墓地肥やし

「嵐の咆哮、エリス」はマナコスト軽減が前提のクリーチャーです。まずは「墓地のインスタントとソーサリーのマナ総量が4種類以上」を目指して墓地を肥やしましょう。

「嵐の咆哮、エリス」の着地の目安は3~4ターン目です。それが可能そうな手札をキープしてください。

その過程で便利なのが、サイクリングや手札から捨てて使える能力を持つ高コストカードです。
これらは序盤は唱えることができず、終盤も唱えることは稀のため、積極的に捨てていきましょう。

サイクリング呪文代表
手札から捨てられる呪文代表

また、赤の「X枚捨ててXorY枚引く」手札交換カードは序盤には墓地肥やし、終盤は手札の質の向上という役割を持てるため、大変優秀です。重たいカードもこれで捨てましょう。

手札交換呪文代表

そして「生ける卒論、オクタヴィア」でも紹介しましたが、このデッキでも「物静かな思索」は最強です。むしろ、こっちのデッキの方が強いです。

墓地の呪文枚数を参照するならこれ!

マナコストを散らすようにデッキから墓地へ送れば2マナのソーサリーで8マナ軽減ですし、それらはフラッシュバックを持っているのでリソースとしても使えます。
2マナのソーサリー1枚で8マナ加速して3枚ドローとなれば、流石に最強です。
土地2枚と「物静かな思索」(をサーチできる教示者)だけでキープしてもいいくらいに強いカードです。

また、「嵐の咆哮、エリス」を出したターンは、できる限り他の呪文を唱えてトークンを生成しましょう。
単純に勿体無いのと、布告除去を避ける目的があります。逆にそれが不可能であれば、最速で「嵐の咆哮、エリス」を出すことに拘らなくて大丈夫です。

コピーや追加誘発を展開しながらトークン生成

エリスが着地した後は、エリスのコピートークンの生成や、誘発回数を追加できるクリーチャーを展開していきます。

コピートークンは戦闘に参加できるのが魅力です。ソーサリー呪文でコピーを作れるものは果敢の誘発にも貢献できます。

反復付きコピー呪文でトークン量産!

誘発回数を追加できるクリーチャーは果敢も追加で誘発するようになります。
打点が飛躍的に伸びたり、エリスのコピートークンの能力も追加で誘発できたりするためメリットが大きいのが特徴です。
しかし、2枚しか採用していないので、使い時を考えたり、守る手段がある状態でプレイしたりする必要があります。

指定を「エレメンタル」とするとトークンの果敢も増えます

また、上記のカードは単に出すだけではなく、追加で1~2マナのソーサリーかインスタントを唱えてトークンを生成するようにしましょう。
もったいないので。

トークンを生成するために2つ目の呪文を唱える時は「金切り声のドレイク」が役に立ちます。
青マナさえあれば、毎ターンのトークン生成が約束されます。

毎ターン唱えられますが、クリーチャーなので果敢は誘発しません

手札補充

墓地を肥やし、クリーチャーを展開していれば、数ターン以内に手札が枯渇します。
「宝船の巡航」「永遠渡り」などで手札を補充し、ゲームを終わらせる準備を整えましょう。

墓地が肥えているためコスト確保は容易
4マナで10枚ドロー!!

果敢で大ダメージ!

トークンの数が揃い、手札補充もできたら、対戦相手を倒すために打点を引き上げましょう。

1~2マナの手札交換ができるインスタントやソーサリーを連打して、果敢を何度も誘発させれば、大ダメージを叩き込めます。

注意点として、赤の手札交換カードは手札枚数が減るものがあります。カードをプレイする順番や手札枚数には気を配りましょう。

追加ターンorダメージ倍増でフィニッシュ!

対戦相手は、こちらの土地とクリーチャーと手札の枚数からリーサルを予想して立ち回るはずです。
そうなれば、共倒れを狙ってギリギリのタイミングで全体除去を使ってきます。

そこで、「時間への侵入」のような追加ターンや、「嘲笑」のようなダメージ倍加でダメージレースを狂わせて一気に勝負を決めましょう。

アサクリコラボのおかげでかなり安くなりました
「セラの使者」のプロテクションにも対処可能!

「嵐の咆哮、エリス」デッキでは、トークン生成と速攻付与の相性が抜群なので、「アシュリングの特権」「龍の大嵐」「憤怒」を採用しています。
トークンが速攻を持てばダメージ効率が上がり、追加ターンやダメージ倍化を更に強く使えます。

指定は「偶数」!奇数クリーチャーはタップインになるオマケ付き
速攻付与には先置きが必須ですが、火力が強い!
序盤に墓地に落ちると別ゲーです

他にも「引き離しの噴火」で到達を持つクリーチャーを無視したり、「爆走」「難解な試験」でブロッカーを排除したり、「突破」「戦闘魔道士の隊長、バルモア」でトランプルを付与したりできます。
対戦相手の盤面に合わせて、カードの温存やサーチを行い、対戦相手を殴り切りましょう。

呪文としてカウントできる土地であり、フィニッシャーも兼ねています。
トークンが死なない全体火力かつ、墓地では8マナ扱いなのでとても便利
宣言は「トークンではないクリーチャー」
マナコストが軽いトランプル付与かつキャントリップ
果敢と合わせると簡単に致死ダメージになります

弱点

墓地対策

墓地の枚数を参照してマナコスト軽減を行うため、墓地対策は天敵です。
特に序盤は打ち消しを構えられないため、素通りとなってしまいます。

「ボジューカの沼」のような使い切りの墓地追放なら何とかなる可能性が高いです。合計で4~6マナあれば4種類くらいは用意できることが多々あります。

使い切りならなんとかなる例

問題は「安らかなる眠り」「虚空の力線」「未認可霊柩車」のような、継続的に墓地対策を行うカードです。特に、色的にエンチャントには触りにくいので、打ち消せずに出されてしまったら、周りの人に頭を下げて破壊してもらいましょう。

信心ギミックのあるデッキから出てきたときは驚きました(負け)

ちなみに、「綿密な分析」のドローはプレイヤーを対象に取るので、対戦相手にドローを献上できます。
最悪の場合は交渉材料にしましょう。

攻撃抑止

戦闘ダメージで対戦相手を倒す性質上、「プロパガンダ」等はやはり厳しいです。
しかし、1番厳しいのは「サンドワームの収斂」です。エンチャントなので除去できません。打ち消せなかったら終わりなので、周りの人に頭を下げて破壊してもらいましょう。

ランプデッキに雑に入ってるイメージがある

呪文を唱える回数に制限をかけるカード

「エーテル宣誓会の法学者」のような、呪文を連打するデッキに刺さるメタカードは全部刺さります。

また、「リスティックの研究」「スレイベンの守護者、サリア」のようなソフトなロックも十分キツイです。

除去が当たるものに関しては、除去してから動きましょう。

飛行or到達トークンを量産するカード

「嵐の咆哮、エリス」と、生成されるトークンは飛行・果敢 4/4という最強にカッコイイ性能をしていますが、トランプルを持っていません。

ですので、飛行や到達を持つトークンを量産するデッキと対戦する時にダメージが通らなくなることがあります。

「突破」は「神秘の教示者」「親身の教示者」で、「戦闘魔道士の隊長、バルモア」は「交錯の混乱」の変成能力でサーチできます。
必要に応じてサーチし、そのままトドメを刺しましょう。

「物静かな思索」もサーチ可能な万能カード

使用上の注意点

「うろつく玉座」で指定するクリーチャータイプ

必ず''エレメンタル''を指定してください。

''邪術師''を指定すると、トークンの果敢が2回誘発しなくなります。
ご注意ください。

「双対の声、ヴェイラン」「戦闘魔道士の隊長、バルモア」の誘発条件

「双対の声、ヴェイラン」による追加誘発は''インスタントかソーサリーを唱えたかコピーした時に誘発する能力''です。

「嵐の咆哮、エリス」がトークンを生成するための''2つ目の呪文''がインスタントでもソーサリーでもない場合は追加で誘発しません。「金切り声のドレイク」を活用する際には注意しましょう。

「戦闘魔道士の隊長、バルモア」は果敢のような強化能力を持ちますが、アーティファクトやエンチャントでは誘発しません。

分割カードのマナ総量

ググッてください。詳しいことが書いてあります。

ザックリ言うと、墓地にある間は2つのモードのマナ総量の合計値のみをマナ総量として扱います。
墓地では「疾走+爆走」は3+5で8マナ、「嘲笑+負傷」は3+3で6マナです。3マナでも5マナでもありませんので、コストの軽減量を計算する際には気を付けましょう。

8マナです
6マナです

「物静かな思索」で墓地に送るカードの優先順位

1マナは「巧みな回避」を優先して墓地に送ってください。
というのも、2ターン目に「物静かな思索」→3ターン目に「嵐の咆哮、エリス」と動くと余るマナが1マナしかありません。
ですので、フラッシュバックコストが1マナの「巧みな回避」を無駄打ちする必要に迫られるシーンが多々あります。他にも、そのターンの残りのマナの関係で、フラッシュバックコストが1マナのカードを墓地へ置いておくと何かと便利です。

3マナは「電撃の啓示」しかありません。何も考えずに墓地へ送りましょう。

4マナは「綿密な分析」一択です。このデッキは、手札が増えるカードが意外と少ないので、早めに「綿密な分析」を墓地へ置いておく必要があります。また、4マナで2枚ドローのみというのは弱いので、素引きケアも兼ねています。

改善点

ピッチスペルを入れる

フルタップでターンを渡すことがあるため、青系ジェネラルなのに妨害が苦手です。

ピッチスペルの打ち消しが強いのは勿論なのですが、5マナのインスタントとしてコスト軽減に貢献できるのも優秀なので、「意志の力」はオススメです。
私は持ってないので入れていません。

「これ買うなら違うデッキ作るわ」←ハリファイバーでも同じことを数年言ってた

妨害を増やす

このデッキは「どうせ相手ターンに動かないしなぁ」と考えて打ち消しや除去の枚数が少なめとなっています。

各種ピッチスペルの打ち消しは勿論ですが、バウンス除去も少ないので増やしても良いかもしれません。

手札増強カードを増やす

「印象的な高貴さ」や「リスティックの研究」のような大量ドローカードが欲しくなる時があります。不足を感じたら入れてみてください。

割と今のうちに買っておいた方がいいカードだと思っています

フラッシュバック呪文のバリエーションを増やす

現状のレシピでは、フラッシュバック付きのインスタントやソーサリーは1~4マナのみとなっています。
ですので、マナ総量のバリエーションを増やした方が戦いやすくなります。

しかしフラッシュバック付き呪文はお世辞にも性能が高いとは言えませんので、少しずつ差し替えて調整しましょう。

分割カードを増やす

分割カードは性能がやや劣りますが、マナ総量の種類を増やす上では重要な役割を持っています。
現状のデッキは1~2マナのインスタントとソーサリーが多めの構成になっていますので、調整してみてください。

マナアーティファクトを増やす

現状のレシピだと「太陽の指輪」しかマナアーティファクトが入っていません。
このデッキではマナアーティファクトも果敢を誘発させる役割があるので、多めにする選択肢もあると思います。

ですが、切削でインスタントもソーサリーも落ちなくなるリスクがありますので、慎重に枚数配分を変える必要があります。

最後に

今回は「嵐の咆哮、エリス」の統率者デッキの紹介でした。

以前紹介した「生ける卒論、オクタヴィア」より爆発力には欠けますが、色が多い上に統率者税も軽減でき、クリーチャートークンの生成も簡単なので、扱いやすいデッキです。

なにより、ジェネラルが異常に軽いため、常に脅威として盤面に圧をかけ続けられるので、「ゲームに参加している感」を味わいやすいです。

呪文を連打する楽しさを味わいたい方は是非作ってみてください。

読んでくださりありがとうございました。


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