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【EDH】伝承の紡ぎ手ハキームの統率者デッキ【無限あり】


はじめに

お疲れ様です。そちです。
先日、カードショップのストレージで「伝承の紡ぎ手ハキーム」というカードを見つけました。

再録禁止、しかし200円

気になって調べると「再録禁止」「EDHRECの登録件数が約250件」「日本語の統率者デッキの解説記事が存在しない(と思われる)」など、限界ジェネラルであることが判明しました。
そしてオーラの踏み倒しという可能性を感じるテキストをしていたため、デッキ作成に取り組むこととなりました。
見慣れないカードや爆発的な打点、即死コンボ等、面白いデッキになったため、今後の同業者への参考文献の提供も兼ねてここに解説を書こうと思います。先駆者という名誉欲しさでもあります。

デッキのパワーレベルは4~5、Party~Battleの間くらいを想定しています。無限コンボが複数パターン存在しますが、青単色には優秀な打点強化系オーラが少ない上に、オーラをサーチできるカードが殆ど存在しない(特に全無限コンボルートでの必須カードがサーチ不可)ため、再現性の低さが致命的な弱点です。

デッキレシピ

デッキ解説

まず、このデッキの統率者は「伝承の紡ぎ手ハキーム」です。

本日の主役

5マナ2/4、飛行という赤点マナレシオの伝説のクリーチャーです。
しかし、本体とも呼べる2つの能力を持っています。

  1. 青シンボル2マナで墓地のオーラ1枚を自身に貼り付ける(但し、アップキープの間かつ、自身にオーラが付いてない場合のみ起動可能)

  2. 青シンボル2マナとタップで自身に付いているオーラを全て破壊する。

要するに、条件付きのオーラのリアニメイトと、今付いているオーラをリセットして再度付け直せるようになる能力です。
この能力で墓地の大型オーラを踏み倒す、青単とは思えない性能のジェネラルです。

そして、ハキームを使う上で最も重要なテクニックとして、「ハキームにオーラが付いていなければ能力を同じスタック上で複数回起動することで、複数枚のオーラを貼り付けられる」というものがあります。
この挙動は、ハキームにオーラが付いているかを能力起動時にのみ判定することが原因です。
この性質を利用して君だけの最強のハキームを作ろう!

作成にあたって色々調べたところ、解説記事ハキームの統率者デッキには以下の3種類のプランがあることがわかりました。(解説記事等が見当たらないので、EDHRECのレシピを読んで考察した内容です。)

  1. 修正値の大きい重量級オーラを踏み倒すビートプラン

  2. 墓地のコントロール奪取系オーラを自身に沢山貼り付け、オーラの貼り付け先を変更するカードで相手のクリーチャーを根こそぎ奪うコンボプラン

  3. 「ギックスのかぎ爪」「不実」で無限マナを作り、「現実からの遊離」「錬金術の研究」等で無限ダメージを与える無限コンボプラン

今回は1に加えて、3を改変した無限コンボを仕込みました。

使い方

マナ加速する

まず、このデッキは踏み倒しが主戦術ですが、そのためにマナが必要です。
ハキーム自体が5マナ、ターンを跨ぐとはいえ、その上でハキームのオーラを踏み倒すコストが青シンボル2マナのため、ある程度のマナ加速が必須です。特に、青シンボル2マナを複数回支払うために、青マナを出せるマナアーティファクトの展開と土地加速が必要です。

単色統率者のお供ともいえるマナアーティファクト
青単統率者ならではの「島」が出せる土地加速呪文

また、戦場に出たときにドローできるオーラがあるため、貼り付け先としても運用できるマナクリーチャー等も採用しています。

墓地肥やし、マナ加速、オーラの貼り先として優秀
手札のオーラを捨てられる上に「島」が2枚アンタップイン

墓地を肥やす

ハキームが出せるからと言って何も考えずに出してはいけません。
このマナレシオ赤点おじさんにはそれなりの準備が必須です。
しかし、このデッキにマッチした大量ドロー呪文に心当たりが無いので、手札の枚数を維持しながらの墓地肥やしができるカードを多数採用しました。

青系で墓地肥やしするなら必須級に使いやすい
渇望サイクルは可能な限り採用
アド損だが泣く泣く採用

また、墓地を肥やすのも必要ですが、「瞬速&呪禁付与オーラ」「打ち消し」「サクり台等のコンボパーツ」「コンボ時のフィニッシュ手段」のようなカードは捨てず、手札に抱えるようにしましょう。沢山あったら捨ててOKです。

それと同時に、墓地に置かなければならないコンボパーツは墓地に置きましょう。しかし、墓地リセットに備えて、同じ役割のコンボパーツを墓地に置きすぎないプレイングも大切です。

時間を稼ぐ

盤面に脅威を展開せずに、マナ加速と墓地肥やしにかまけていては、良いように攻撃されてしまいます。よくわからないジェネラルなので警戒されずに放置される可能性がありますが、自衛手段は必要だと思います。
そこで、相手を妨害できるオーラを使用してマナと墓地の準備が整うまでの時間を稼ぎます。
単に足を引っ張るだけでなく、ドローやトークン生成、ハキームに貼るなどの、別の運用も兼ねているものを優先して採用しています。

統治者ドロー&コントロール奪取&攻撃誘導
攻撃抑制とドロー、そしてコンボでのキル手段の一つ
ハキームに貼っても強い

オーラを踏み倒す

ここからはハキームの真骨頂、墓地のオーラを踏み倒して相手を圧倒していきます。
このデッキの打点オーラ四天王を紹介します。逆に他のオーラの修正値は(ry

修正値が圧倒的!
打点だけでなく、タップ能力と耐性も!
序盤はドロソ、終盤はフィニッシュ要員で腐りにくい!
青単の「祖先の仮面」です

また、マナが余った時は、以下のようなカードを貼り付けて疑似的な除去耐性を与えたり、相手を妨害したりできます。

コントロール奪取オーラですが、ハキームに貼って疑似耐性としても使える!
勝手に移動してコントロールを奪ってくれる

コンボでフィニッシュ!

ハキームは回り始めればパワーがモリモリ上がりますが、ワンパンで統率者ダメージが21点に達することが厳しく、殴って倒し切れない場面があります。その場合は無限ループでの特殊勝利を狙います。
コンボが決まると、アップキープ中に

  • 無限マナ

  • 墓地の任意のオーラのcipとpigが無限に使用可能

  • 土地の起動型能力(但し自身を生贄に捧げないもののみ)が無限に使用可能

となります。これを駆使してデッキを引き切り、「タッサの神託者」等のセルフLOでの勝利をフィニッシュ手段としています。
この時の妨害対策として、打ち消しか「瞬速&呪禁付与オーラ」のいずれかを手札に抱えた状態でコンボを始めましょう。
意外とハキームのオーラを破壊する能力を起動したり、上からスタックしてハキームの能力でオーラを貼ったりすると避けられる妨害があるので、上手いことコンボを通しましょう。

コンボ解説

コンボ始動の条件

まず初めに、揃えるべきコンボパーツの組み合わせを書いておきます。

  1. 「ハキーム」+「不実」(墓地)+「ギックスのかぎ爪」

  2. 「ハキーム」+「不実」(墓地)+「ヴォルラスの呪い」(墓地)

  3. 「ハキーム」+「不実」(墓地)+「狂気の祭壇」or「落とし子の穴 」or「ファイレクシアの供犠台」+「まやかしの死」(墓地)or「誘拐」(墓地)

  4. 「ハキーム」+「不実」(墓地)+「ラゾテプの採石場」+「まやかしの死」(墓地)or「誘拐」(墓地)

見てわかる通り、どのルートでも「不実」を墓地に置いておく必要があります。不実だけは替えがきかないので気合いでどうにかしましょう。

以下に各種コンボの手順を載せます。

1.「ギックスのかぎ爪」ルート

1のコンボ手順は以下の通りです。

  1. アップキープに土地5枚をタップする。浮きマナ5(浮きマナのうち2マナは青マナ必須)

  2. ハキームの能力で「不実」をハキームに貼り付ける。浮きマナ3

  3. 「不実」で土地5枚をアンタップする。浮きマナ3

  4. 「ギックスのかぎ爪」で「不実」を生け贄に捧げる。浮きマナ2

  5. 最初の状態に戻る。浮きマナ2

この手順を繰り返すと、無限ライフ無限マナとなります。

2.「ヴォルラスの呪い」ルート

2のコンボは以下の手順です。

  1. アップキープに土地5枚をタップする。浮きマナ5(浮きマナのうち4マナは青マナ必須)

  2. ハキームの能力を同じスタック上で2回起動し、「不実」「ヴォルラスの呪い」をハキームに貼り付ける。浮きマナ1

  3. 「不実」で土地5枚をアンタップする。浮きマナ1

  4. 「ヴォルラスの呪い」で「不実」を生け贄に捧げる。浮きマナ1

  5. 「ヴォルラスの呪い」で「ヴォルラスの呪い」を生け贄に捧げる。浮きマナ1

  6. 最初の状態に戻る。浮きマナ1

この手順を繰り返すと、無限マナとなります。

3.一般的なサクり台ルート

3のコンボは以下の手順です。サクり台は「落とし子の穴」、オーラは「不実」「誘拐」を使うものとします。

  1. アップキープに土地5枚をタップする。浮きマナ5(浮きマナのうち4マナは青マナ必須)

  2. ハキームの能力を同じスタック上で2回起動し、「不実」「誘拐」をハキームに貼り付ける。浮きマナ1

  3. 「不実」で土地5枚をアンタップする。浮きマナ1

  4. 「落とし子の穴」でハキームを生け贄に捧げる。浮きマナ1

  5. 「誘拐」でハキームが戦場に戻る

  6. 最初の状態に戻る。浮きマナ1

この手順を繰り返すと、無限マナとなります。また、サクり台が「落とし子の穴」ならおまけで無限トークン、「狂気の祭壇」なら無限切削です。

4.「ラゾテプの採石場」ルート

4のコンボは以下の手順です。オーラは「不実」「誘拐」を使うものとします。

  1. アップキープに土地5枚をタップする。浮きマナ5(浮きマナのうち4マナは青マナ必須)

  2. ハキームの能力を同じスタック上で2回起動し、「不実」「誘拐」をハキームに貼り付ける。浮きマナ1

  3. 「不実」で土地5枚をアンタップする。浮きマナ1

  4. 「ラゾテプの採石場」でハキームを生け贄に捧げて1マナ生成。浮きマナ2

  5. 「誘拐」でハキームが戦場に戻る。浮きマナ2

  6. 土地4枚をタップする。浮マナ6(浮きマナのうち4マナは青マナ必須)

  7. ハキームの能力を同じスタック上で2回起動し、「不実」「誘拐」をハキームに貼り付ける。浮きマナ2

  8. 「不実」で土地5枚(ラゾテプの採石場含む)をアンタップする。浮きマナ2

  9. 「ラゾテプの採石場」でハキームを生け贄に捧げて1マナ生成。浮きマナ3

  10. 5.の状態に戻る。浮きマナ3

この手順を繰り返すと、無限マナとなります。

勝ち手段

青マナの無限マナがあれば、「不実」でアンタップする土地を起動型能力を使った土地のアンタップに当てることが出来るようになります。これにより、自身を生け贄にすることを含まない土地の起動型能力が無限に使えます。
そして、マナが無限なので、「不実」をハキームに付ける際に、スタックしてハキームの能力で他のオーラを追加して貼り付けることもできます。これにより、墓地の任意のオーラのcipとpigが無限に使えます。
基本的には、ドロー能力を持つ土地の起動型能力を無限に使うか、cipでドローするオーラを無限に貼るなどでデッキを引ききり、「タッサの神託者」等のセルフLOでフィニッシュします。

他の方のレシピを見ると、無限マナ生成後に「錬金術の研究」のようなタップしてダメージを飛ばすオーラと、「現実からの遊離」のようなマナを払ってアンタップできるオーラの2枚を使って無限ダメージでフィニッシュするのが多いようです。 

この方法のメリットは以下の通りです。

  • 盤面と手札に必要なコンボパーツが少なく、除去とハンデスに対して強い

  • 墓地にフィニッシュパーツがあればハキームの能力だけでフィニッシュできるので、妨害や手札交換にマナを回せる

デメリットは以下の通りです。

  • ハキームが召喚酔いしていない時にしかできないコンボなので、召喚酔いが伴う一般的なサクり台ルートと「ラゾテプの採石場」ルートは不可能

  • フィニッシュ手段パーツの重要性と専門性が高いので、引かなければコンボができないが、引いた時に腐る恐れがある。

今回はデメリットが大きいと判断したので、セルフLOでのフィニッシュを採用しました。
一般的なサクり台ルートと「ラゾテプの採石場」ルートはサクり台が必須ですが、コントロールを奪ったクリーチャーを返さないための役割が持てる上に、コンボルートを増やす方が優先と判断しました。

弱点

墓地追放

ハキームは墓地からしかオーラを踏み倒せないので、墓地のオーラを追放されると虚無です。
しかし、「アカデミーの研究者」で手札から踏み倒すことも可能ですし、ビートプランとコンボプランの両方が潰れることはまず無いと思いますので、めげずに墓地を肥やしましょう。

速いデッキ

このデッキは序盤の動きがマナ加速と墓地肥やしのみで、無防備な時間が長いです。ですので、ワンショットキル系のデッキには手も足も出ません。

エンチャント除去

ハキームに付いているオーラは破壊されても付け直せますが、コントロール奪取オーラを破壊されるとかなりピンチです。しかし、これに打ち消しを使うのかというと微妙なラインではあるので、諦めるしかありません。エンチャント追放?わかんないッピ・・・

「オーラの破片」

詰みです。無理。
真面目に説明すると、ハキームに付いているオーラを1枚だけ残して他を全て破壊されるのが一番キツイです。オーラのリセットに1ターンかかるので、エンチャント全体除去の方がマシです。

改善したいポイント

勝ち手段の変更

現状、「タッサの神託者」のようなセルフLOをコンボのフィニッシュとして採用してますが、他により良いものがあればそっちにしたいです。アイデア募集中です。

妨害の追加

現状、妨害が打ち消し2枚と数枚のコントロール奪取オーラと「サイクロンの裂け目」しかない状態です。除去は増やしたい場面があったので、そこは要改善です。
特に、「エルドラージの徴兵」が無ければ飛行クリーチャーにチャンプブロックされてしまうので、「再造形」「急速混成」などが有ってもいいと思います。
また、コントロール奪取オーラはマナコストが重く、手札交換等と併用するとマナが足りないと感じるので、減らすのも視野に入れています。

最後に

今回は偶然出会った「伝承の紡ぎ手ハキーム」の統率者デッキの解説でした。
青単で使えるオーラを総ざらいした際には絶望を感じましたが、何とか形になったと思います。是非作ってみてください。強さは保証しません。
また、記事中で触れたとおり、ハキームの統率者デッキは作り方がいくつかあるので、組み替えて遊ぶのも楽しいと思います。
そして、筆者は青系統率者ばかり使っているのに約2年ぶりに「リスティックの研究」「神秘的負荷」をデッキに入れました。やはり強いですね。そんなことある?

前回、オクタヴィア関連の記事を投稿すると書いた気がしましたが、そんなことはありませんでした。期待していた皆さんには申し訳ないことをしたと思っています。すみませんでした。

次は「MTGカード検索サイトに学ぶ論理演算(仮)」の予定ですので、その次はオクタヴィア関連になると思います。
おそらく統率者デッキの再計算になります。

読んでくださりありがとうございました。

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