2024明治安田J2リーグ第1節 徳島ヴォルティス戦 プレビュー
約2ヶ月のオフシーズンが明け、9ヶ月の長いシーズンが始まる。
昨季は最終節でJ1昇格プレーオフ圏から脱落し、昇格を逃した甲府。シーズン途中での監督交代で残留を果たした徳島。
シーズンを占う開幕戦、勝点3を掴むのはどちらか。
1.前回対戦
徳島のホームで行われた一戦。
前半は甲府が押し込む展開となるが、徳島が固い守備と高い集中力でゴールを割らせない。
後半になると甲府は長谷川 元希(現・アルビレックス新潟/J1)が立て続けに2ゴールの活躍を見せる。徳島は後半ATにセットプレーから1点を返すが、同点弾は奪えずに甲府が2-1で勝利した。
2.見どころ
徳島
吉田 達磨監督体制2年目となる今季。吉田監督はキャンプからスピード感のある「ハイテンポ」と前線からの「ハイプレス」を選手に要求した。今季はチーム設計から関わり、チームとしての狙いを持ってJ1復帰へ挑戦する。まずは大事な開幕戦。選手の入れ替えが多くあったチームで、キャンプでの成果を発揮させることが出来るか。監督の手腕に期待がかかる。
甲府
2017シーズン以来のJ1復帰へ、今季も勝負が始まる。2月15日、21日にACLラウンド16蔚山現代戦があり、公式戦が他クラブよりも始まった。中3日で迎える開幕節の徳島戦。心と体をリーグ戦へと切り替え、スタートダッシュを成功させられるか。焦りが生じるような今、山本 英臣やピーター ウタカのようなベテランの力は絶大なものとなるだろう。
3.昨季成績とオフシーズンの動き
徳島
ベニャート ラバイン監督を招聘し、J1昇格を目指した昨季は序盤からの失速が目立ち、初勝利を挙げたのが第12節と低迷。第31節終了時点で6勝15分10敗の勝点33で19位となったことで解任が決定。後任監督には2023シーズンに甲府で指揮を執った吉田 達磨監督が就任した。監督交代後は4勝4分3敗の戦績で15位まで順位を持ち直し、残留を果たした。
天皇杯では3回戦でJ1柏に敗れた。
オフシーズンでは、副キャプテンを務めた白井 永地(→柏レイソル/J1)、チームトップの13ゴールを挙げた森 海渡(レンタル満了後横浜FCへ完全移籍)などの主力が流出。補強では吉田監督の教え子である島川 俊郎(←サガン鳥栖/J1)や若手で推進力のあるSBの橋本 健人(←レノファ山口FC/J2)などが加入し、より戦術的なサッカーを目指せる体制が整った。
甲府
篠田監督体制1年目の昨季は、リーグ戦と天皇杯、ACLを並行して闘う過密日程のシーズンとなった。
リーグ戦はシーズン途中の主力選手の離脱、夏の失速が目立ち、最終節でJ1昇格プレーオフ圏から脱落し、8位でシーズンを終えた。
天皇杯は2季連続でJ1鹿島を破る快進撃を見せたが、ラウンド16でJ1神戸に敗れ、連覇とはならなかった。
初参加のACLではグループステージで3勝2分1敗の成績を残し、グループ首位突破と下克上を果たした。
オフシーズンには10番を背負った長谷川 元希(→アルビレックス新潟/J1)や日本代表に選出された三浦 颯太(→川崎フロンターレ/J1)、大卒ルーキーながら主力に定着した井上 詩音(→名古屋グランパス/J1)が移籍した。しかし、Jリーグで確かな実績を持つアダイウトン(←FC東京/J1)やファビアン ゴンザレス(←ジュビロ磐田/J1)、4季ぶりに今津 佑太(←V・ファーレン長崎/J2)が復帰した。積極的な補強でJ1昇格への本気度は示されただろう。
4.予想フォーメーション
徳島
GKはスペイン人のホセ アウレリオ スアレス。
4バックは右から西野、内田、森、山口から加入の橋本を予想。
ボランチは永木と吉田監督の教え子、島川を予想。
2列目はおなじみとも言える杉森、柿谷、西谷を予想。
トップにはJ3沼津より加入のブラウンノア賢信を予想した。
甲府
直近の公式戦、ACLラウンド162ndレグからは2人の変更を予想。
GKはクラブ在籍11年目の河田。
4バックは右から関口、今津、エドゥアルド マンシャ、小林に代わって荒木と予想。
ボランチは変わらず佐藤と横浜FMより加入の木村を予想。
2列目には10番の鳥海、今季チーム初ゴールの三平、宮崎を予想。
トップには磐田より加入のファビアン ゴンザレスを予想した。
5.注目選手
徳島
J3沼津から加入した22歳の若手FW。昨季はJ3で得点ランキング3位の13得点を挙げた。キャンプでのトレーニングマッチではワントップでのスタメン起用も多く見られ、吉田監督からの期待と信頼が感じられる。
甲府
甲府在籍4年目となる今季から10番を背負うドリブラー。ACLではドリブルだけでなく、利き足ではない左足での精度の高いパスなど昨季との違いも見せた。若手から中堅となった10番は個で打開し、チームのゴールを量産させる。
6.あとがき
2024明治安田J2リーグが幕を開ける。
J1在籍経験のある徳島との顔合わせからシーズンが始まる。
今季はJリーグ全60クラブがルヴァンカップに出場するなど、レギュレーションが大きく変わる。
新たなるシーズンの開幕戦。プレシーズンに準備してきたものを発揮するチャンスには十分だろう。甲府としてはACLから中3日と疲労が懸念され、ホームの徳島が有利と見られる。しかし、甲府の試合勘としても分があるだろう。
20チーム中9チームがJ1在籍経験を持つ魔境J2を抜け出すのはどのチームか。そのドラマが始まる。