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サッカー審判 失敗事件簿 No.2

最近めっきり寒くなって、審判に行くときに半袖では
寒いよなぁと思い長袖を着るとき必ず一回では正しく
リスペクトワッペンを付けられないタカです。

前回に続き自分が体験したミスについて話していきたい
と思います。
今回は初めて審判活動停止処分を受けたときのお話
です。

1、審判活動停止処分って?

選手が試合中に退場処分や2枚目の警告を受けたとき
には1試合以上の出場停止処分を受けることが
ありますが、審判員にも出場停止処分というのが
存在します。

あまり表立って発表されない為、知られていませんが、
ミスをしたときには審判員は活動停止処分を主管協会
から言い渡されます。

Jリーグなどで誤審をした審判員を割当停止にしろとか
いう方がいらっしゃいますが、その処分は存在します。

といっても審判員に処分が科されるのは「判定のミス」
ではなく、「ルール適用のミス」「割当の遅刻・
不履行」にのみ科されます。

何故そうなっているかというと、判定については主審の
判断を尊重されるという原則があるため、判断を
間違えることは主審の裁量の範囲内だということです。

ただ適用のミスというのは、決められたことを出来て
いないということで、処分の対象になります。
例えば、試合時間を間違えるや交代回数の間違え、
2枚目の警告で退場させない等です。

2、初めての活動停止処分の状況は?

不名誉な記録ですが、約20年間の活動の中で数回活動
停止処分を受けたことがあります。

長年活動をされていて停止処分を受けたことのない方も
いらっしゃいますのでこれは自慢できるものでは
ありませんので大きな声では言えませんが、
こんなことあるんだという感じで見ていただけたらと
思います。

この試合は私が大学4回生の時に担当した学生リーグ
入替戦での出来事です。
私は副審1を担当していました。

後半10分ごろに緑チームの選手が相手選手といざこざに
なり主審は緑10番の選手にイエローカードを
示しました。
私からは遠いエリアで起こったいざこざの為、誰が何を
したか確認する為に、状況把握をしブッキングメモを
記載しました。

試合はそのまま流れて後半40分頃に緑10番の選手が、
副審2の判定に対して異議を示しました。
異議を示された副審は、主審を呼び警告するように
伝え、主審は10番の選手に異議による警告を
出しました。

しかし2枚目の警告によるレッドカードが出ません。
不思議に思いましたがその時は自分がブッキングを
し間違えたのだと思い、そのままプレーは
再開されました。

プレーが続く中、本部席にいた前の試合の審判の方々が
「2枚目だよね?」「確認したほうがいいよ」
と後ろから声をかけていただいて、次にプレーが切れた
時に主審を呼び確認しました。

「確かあの選手2枚目だと思うんだけど・・・」
「いや僕のメモには1枚目ですよ」

そこでやっぱり自分の書き間違えなんだと思い、
そのままプレーは再開され試合は終了しました。

試合終了後あまりに腑に落ちないので、当該選手に
直接聞きに行きました。

「君試合中に2枚目の警告もらったよね?」
「はい。」

その瞬間自分たちがミスしていたことが明確に
なりました。

3、なぜそのようなことが起こったのか?

起こってしまったミスは取り返しがつかないので、
なぜそのようなことが起こったのかについて反省会で
シェアした内容は以下の通りでした。

主審はいざこざが起こったところで選手に警告を
示した後、続いているいざこざを止めるために、
カードを手に持ったまま選手を止めに入りました。
その後いざこざが収まった後、手に持ったカードを
そのままポケットにしまい込んだそうです。
その主審はカードに直接警告のブッキングをする
タイプでカードをしまう前に記入するのを
忘れていたそうです。

一度確認で呼んだときに、書かれていないからと否定を
されても、具体的にシーンを伝えて
「あのシーンで出してない?」
と伝えることが出来ていれば、そのミスは防げたと
思います。

審判員にとって短い時間で的確に何について共有したい
かを伝えることは様々なところで必要となってきます。
(実際にそのことでミスは起こっています)

コミュニケーションにおいて相手の理解度を判断し、
どこまで掘り下げるのかは審判員の永遠の課題です。

4、実際の処分はどうだったのか?

その試合が終わった後、ミスをしたときには自分から
割当をしていただいた方もしくは主管協会の審判委員長
に連絡します。

その時は学生連盟からの派遣だったので、学連に
連絡したところ、1週間割当を停止するとの処分を
受けました。

普段でしたら翌週の割当がなくなるので、私はその日
変わってもらった試合を見に行って自己研修という形で
対応しています。

しかしその時だけはほんとに辛い事情がありました。
割当停止になった対象試合が、全国大会の準決勝の
主審割当だったんです。

しかもその年は私が学連の割当をしていたので、
ビックゲームは他の審判を割り当てていて、学生最後の
試合だからとみんなに納得してもらって割当した試合
でした。

担当する予定だった試合に行き、試合前その主審と
二人で会場周りでトレーニングをした後ビデオ係
として見たその試合は今ではいい思い出です。
(その主審とは今でも仲がいいですよ)

なのでそれ以来は主審の適用が違うときは、
納得するまで話をするようになりました。

今回の事象で学んだ教訓は審判をされていてミスかもと
思ったときは解決するまで話をすることが大事という
ことですね。

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