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嫁さんとの馴れ初め③

仕事帰りに突然誘われたバーゲンセール

年末に高熱を出して、連絡をしてきた嫁(嫁さんとの馴れ初め②参照)が、年明け普通に出社したが、特にその時の年末年始の件で話すことがなく、2月になった。
当時職場の嫁さんたちのグループは、おいしいものを食べること、バーゲンセール、ファミリーセールに行くことが好きなグループだった。
40代、50代の皆さんなら懐かしい~と言って頂けるかもしれませんが、2月ごろ東京のホテルで「マルイのバーゲンセール」を大々的に開催していた時代です。

1月になって、丸井のバーゲンセールの葉書(時代を感じますね)が届き、会社の休憩中に嫁さんたちのグループ6人組に「わっき~、バーゲンセールとか行かないの?」みたいなことを聞かれ、「2月の丸井のバーゲンセールに行こうかな?って思ってます」と答えていた。

そして、2月に確か、品川プリンスホテルで開催していた丸井のバーゲンセールの金曜日。仕事を終えて、一服しようと喫煙所に行くと、定時退社して30分は経っていたでしょうか?嫁が1人で喫煙所でタバコを吸っていました。

嫁さんの他にも、別の会社の人も数名居ましたが、嫁さんの近くの灰皿に向かい、「お疲れ様です」と声を掛けた。
「あっ!わっき~!!あれ、丸井のバーゲンに行くの?」と言われ、「あっ、はい。行こうかな?と思ってます」というと「今から?」と聞かれた。

自分としては、仕事帰りに一人はちょっと。って思っていたので、翌日の土曜日に行ってみようかな?と思っていたので、「今日は、さすがにいかないですよ~」と答えたら、「今日行くんだったら、付き合ってあげてもいいよ!」と、突然のデートのお誘い。

当時、実家暮らしの23歳。28歳のお姉さんが買い物に付き合ってくれる?!
(えっ?ホント??うそでしょ??)と、めちゃくちゃ動揺しました。あまり、こういうことは書かない方が良いですが、嫁さんは身長160センチ越え、ホントにスタイルも良くてスラっとして、胸の大きな28歳の女性でしたから、俺と一緒に買い物に行くなんてないでしょ?と思った。結局、家に電話を掛けて、遅くなるから夕飯は食べないかも。と伝え、嫁さんと丸井のバーゲンセールに行くことにした。

途中、電車の中で年末年始の高熱のことなどを聞いた。
あの時はホントにヤバかったらしいけど、私が買って行ったおかゆなどを食べて、お正月は静かに過ごしていたそうです。弟は私と同じ年で、都内でアルバイトを数件掛け持ちして生活をしている。年末年始は、年賀状の仕分け作業のバイトをしていたらしく、ほぼ夜勤状態で、30日も夜勤で弟が返ってきたのは31日の朝だったそうです。
「わっき~、彼女いなくて、一人でバーゲンセール行くんだったら、年末、迷惑をかけた御礼に付き合ってあげようかな?って思って、待っててあげたのよ!」みたいなことを言われた。

バーゲンセールの会場につくなり、買い物袋を私に持たせて、嫁さんが積極的に動き出す。さすが、バーゲンセールに行き慣れているだけあって、こなれた感じで、こっちがあたふたしました。嫁さんも何か買うんだろうな。と思って「○○さん、どこのお店から行くんですか?」と聞くと「えっ?わっき~は、何買うのよ!」と聞かれ、「自分はスーツを見ようかな?って思ってますけど」と答えると、「OK!」と言って、2人でスーツコーナーへ向かう。
商品を適当に見繕い始める嫁さん。値段も見ないで4着ぐらいを私に渡して、「試着コーナーへ行ってみよう~!!」と言われた。完全に面喰いましたよ。えっ?ナニ?なに??って、当時の私はパニック状態でした。
とりあえず、試着コーナーについて、順番待ちしている間も嫁さんは自分のモノを観に行く気配もなく、ずっと待っている。試着していると、着替えている途中なのに、カーテンから顔をのぞかせて「まだ?」とか言ってくる。

23歳、今まで彼女がいたことのないチェリーボーイの私は下着姿で覗かれて赤面していると「可愛いなぁ。早く着てよ」と突っ込まれる。そして、4着のスーツを見て、嫁さんが2着のスーツを選んで、これで良いんじゃない?と言い出した。(いやいや、そんな選ばれても、どれくらい買うとか予算決めてないし、、、)と思ったが、嫁さんが今度は革靴も持ってきた。
「これ、買っちゃいなよ~!わっき~に似合ってるよ~!!」と言われ、さすがにちょっと好意を寄せている5歳年上のお姉さんに言われると、No!とは言えず、結局なんだかんだでワイシャツやネクタイも選んでもらった。

そして、嫁さんの買い物は一切せずに、お会計へ。
6万円ぐらいだったかな??支払いは、嫁さんが全部払ってくれました。

なんで???

「今日は私が誘ったから、私が払うよ!!」

えっ???大人の付き合いって、そんな感じなの???

嫁さん曰く、「バーゲンセールに行って、爆買いするのが気持ちいいのよ!」と、体育系男子にはなかなか理解し難いストレス発散方法だわ。

帰りに嫁さんの最寄り駅まで電車は一緒でした。
勇気を振り絞り「お腹、空きましたよね?何か食べていきませんか?」と誘ったら、「おっ!いいね!行こう!おいしいパスタ屋があるわ!」と言われ、パスタ屋さんへ行った。5歳も年上の綺麗なお姉さんと2人で食事なんて、めちゃめちゃ緊張していたのを思い出します。何を食べたかはよく覚えていません。食事中もプライベートなことを聞くこともなく、普通に食べてました。「俺から誘ったので、ここは俺が払います!」と言ったら「サンキュー!」と言って、軽いノリで返事をされて、お店を出ました。

夜23時ごろ、薄暗い交差点で嫁さんのアパートと駅に向かって別れることになりました。「今日はありがとうございました」と私が嫁に伝えると「年末のお礼だから!スーツの裾上げとか出来上がったら、ちゃんと着て来てね!」と言われ「えっ?あっ、はい。来ますよ」と言って、嫁さんの方の信号が青に変わっても、動き出さない嫁さん。
「あれ?帰らないんですか?」と聞くと「わっき~から、帰ってよ!」と言われる。40代の人たちは覚えていますかね?「東京ラブストーリー」というドラマ。なんだか、そんな感じのシチュエーションだったんですよね。
信号がお互いに2回は変わりましたかね?ホントにお互い、帰らない。みたいな状況になって、俺も嫁さんのことが好きだったので、最終電車に間に合わなくなりそうだったので、最後に「じゃあ、帰ります!」と言って、嫁さんにフレンチキスをして、信号の変わり際に横断歩道を掛け渡り、振り向いて、手を振って解散しました。

23年の人生で、男として、初めて好きな女性に自分からキスをした。何とも情けない話ですけど、ここから私の恋愛ストーリーが始まりました。

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