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主審告白 家本政明

久々の書評となります。
このコロナでの引きこもり生活の中、読書も続けていたのですが、
noteにupするまでには至らず。
7月以降は少しペースを上げて更新したいと思っています。

で、今回紹介するのはこちら。

普段からサッカーを見られている方には有名かもしれません。
Jリーグで審判をされている方です。

「主審告白」とタイトルにあるように、何かを告白したい、主張したい。そう言った内容でございます。

では何を告白したいのか、少しずつ紹介したいと思います。

『もう辞めるつもりだったんです。もういいって、もうサッカー界にいたくなくて。気持ちの整理がつけられなかった。実際、試合中カードの枚数は多めだったけれど、選手は僕を受け入れていたし。2度のPKやり直しで結果的にそのチームが負けてしまったことで、事態が大きくなってしまった。僕はただルールという枠を遵守させただけです。それが僕の仕事ですから。
しかし誰にも理解されなかった。別にルール違反をした訳じゃない、ルール通りにやっただけの話なのに、それでなぜ僕だけがこういう仕打ちを受けるのか、どうしても理解できない。だけど僕の中では全然整理がつかないまま処分が決定しちゃったんですよね。だからもういいやって。名指しで批判されたり、脅迫や誹謗中傷があったり、世間に晒されたり、家族にも迷惑が及んだり。こんな形で汚される人生は嫌だし、サッカーから離れようと思って』(本文引用)
この試合についての、ご本人の回想です。


スポーツの世界では審判のミスジャッジとは切っても切れない存在の中で、特にサッカーの世界では、他のスポーツと比較してもミスジャッジが発生しやすいスポーツかと思っています。

あの広いグラウンド内で22人の選手達のプレーを90分間追い続けなければなりませんからね。
まさに「やってみれば分かるよ」というものです。

家本氏はこの騒動後、無期限の審判の割り当て禁止という処分を受けました。
その処分中の生活、日々考えていたこと、割り当て解除後の仕事への取り組み方等が赤裸々に書かれています。

ここ最近は審判をされている方に対して、相当敬意が払われるようになってきたように思います。
これらは審判の方々の絶え間ない努力によるものであると感じています。
評価されることがない、批判ばかり。ホントに厳しいお仕事ですよね。

先日は、元JリーガーYouTuberの那須さんのチャンネルに、
審判を務める方が出演しておりました。


選手、サポーター、審判。
それぞれがそれぞれの立場で相手の立場を尊重できるようになればいいですよね。
どうしても利害が極端に分かれてしまう時がある中で、
でも、そんな状況でも立場を越えて尊重できるようになれるかを試されているように思います。
確かに今まで何度も審判の微妙な判定に泣かされてきたこともありました。第3者として試合を見ていても、このミスジャッジをされたらキツいと思ったこともあります。

しかし私自身の人間的な成長を促すためにも、審判には敬意を払い続けていきます。
一線を越えた野次を言わない、いい判定にはそれを伝える等です。

自分自身の考え方、見方を変えるだけで、すぐに取り組めると思っております。

家本氏も、審判技術の向上と同じくらい、人間的な成長が審判業をする上で大切だと仰っております。

審判の方々の価値を上げることは、その競技の価値を上げることに繋がると信じています。
同じ競技をする仲間なんだ。そう前向きに考えたいと、この本を読んで思いました。


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