自分の時間をコントロールする秘訣
初任校の中学校時代の話ですが、同じ学年所属に、毎日弁当と小説1冊だけを持ってくる先輩がいました。
わたしは、毎日、教材研究をしようと教材を持って帰っては出来ずにまたその荷物をそのまま持ってきていたので、先輩に「どうせもって帰ってもできないんやから、いいかげん、あきらめろ」とよく笑われました。
学校の現状が大変になってくると、授業のない空き時間も廊下等を巡回しなければならないことが多くなりました。
わたしは、学年の生徒指導担当でもあったので、指導しなければという気持ちが強くなり、子どもたちとぶつかることも多くなり、関係も築けず、溝がどんどんふくらんでいきました。
巡回を終えて疲れて職員室に戻ってくると、先輩が小説を読んでいました。(先輩もまわってくれよ!)と心の中でイライラしながらその光景をみていました。
別の日に、子どもの指導の件で、保護者が学校にクレームを言いにくるという件がありました。
わたしは、保護者がきたらどう話をしようか…と考えて考えて、不安でたまらなかったのですが、先輩は、そんなときも小説を読んでいました。
結局先輩が一緒に入ってくれ、うまく話をしてくれ助けてもらいました。
小説の世界にどっぷりはまっているように見えたのに、子どもに関わるときも、保護者と対峙するときも、先輩はいつも話を丸くおさめてくれました。
「行動こそ問題解決への第一歩」のブログにも、「考えていた時間よりも何かに没頭している時間が次第に多くを占めるようになってくると、人は変わる。変わることで、その人のオーラや言動にも変化が生まれる。その変化が、まわりに(たった一人でも)影響を与える。結果として、自分にもいい影響をもたらす。」と書きましたが、今になって、先輩の行いがそういうことだったのかと結びついて考えます。
悩みや不安に支配される時間を、小説の世界にどっぷりはまる時間で塗りつぶしていっていたのではないかと思います。
考えすぎや!と先輩に笑われるかもしれませんが、きっとそうだったんだと思いたいです。
これも自分で自分の時間をコントロールする秘訣の一つですよね。