3bp SB vs BTN IP Raise戦略
みなさんこんにちは!Naokiです!
みなさんはIP Raiseを上手く使えてますか?ポジションがあるので、とりあえずコールで受けている方が多いのではないでしょうか。
ちなみに私はIP Raiseがかなり苦手です!笑(HM3で確認したBTNのCB Raise頻度が適正値の半分以下でした。)
そこで今回の記事は、3bp SB vs BTNの全フロップにおいて、OOPのCBに対するIPのRaise戦略を検討しています。最後に集合分析のシートを公開してますので、記事内では細かいことに言及せず、大まかな戦略に触れていきたいと思います。
ピオソルバーの設定
集合分析の結果に入る前に、piosolverの設定を記します。
※読み飛ばしていただいても構いません
プリフロップのレンジ
SB 10bb raise (BTN 2.5bb raiseに対して)
BTN call range
ベットサイズ
flop 30% or 50% raise 40%
turn 40% 80% raise 40%
river 40% 80% raise 40%
計算精度:0.5
CBサイズは、T high以上のボードでは30%、9 high以下のボードでは50%に固定しています。
集合分析結果
まずは、全フロップにおけるCBに対するIP戦略の平均を見ていきます。
やはりポジションがあるのでほとんどCallで受けています。
レンジの5%程でRaiseを返しています。
次にスート及びペアにおけるCBに対するIP戦略の平均を見ていきます。
MonotoneだとRaise頻度が下がる傾向があります。
TripsだとRaise頻度がかなり上がる傾向があります。
しかしT high以上のTripsはほとんどRaise頻度がないので、注意しましょう。
次にフロップのハイカードにおけるCBに対するIP戦略の平均を見ていきます。
上の表を見ると、ハイカードが大きいとRaise頻度も高くなることが分かりました。(5 high以下も頻度が高くなっていますが、これはTripsが全体に占める割合が高くなっているからだと考えられます。)
ここまでで、Raise頻度が高いボードの大まかな傾向がつかめたと思うので、さらに細かな特徴を探っていきたいと思います。
Raise頻度が10%以上のボード
Raise頻度が10%以上のボード(全287フロップ)の内訳を以下に示します。
前述のとおり、ハイカードが大きい(特にA high)ボードに固まっていることが分かりました。
またK~T highの中身を見てみると、
K high ・・・ ストレートあり、Kxx(xが9以上)
Q high ・・・ ストレートあり、Qxx,QQx(xが9以上)、QJ,QT high
J high ・・・ ストレートあり
T high ・・・ ストレートあり
となっており、比較的同様な傾向が見られました。
KsQhTd
ストレート、2P、ガッドやヒットドローでRaiseを返しています。
QsQhJs
トリップス、ストレートフラッシュドローでRaiseを返しています。また、色持ちのローペアでもRaiseを返しているのが特徴的です。
A highに関しては、ほぼすべてA9x以上で構成されていました。(A8x以下はペアボードのみ)
AsJhTs
AsJh5s
Raise頻度が0%のボード
Raise頻度が0%のボード(全348フロップ)の内訳を以下に示します。
主に一部K,J,T highやローボードが該当することが分かりました。
ローボードは元々Raise頻度が高くないので、K,J,T highの中身を着目します。(A,Q highはmonotoneでした。)
K high ・・・ ストレートなし、KKx(xが9以下),Kxx(xが8以下)
J high ・・・ ストレートなし
T high ・・・ ストレートなし
となっており、先ほどのボードと真逆の特徴でした。分かりやすいですね!
Ks4s4h
Js8h6h
セットやトリップス含めコールで止めてますね!
なぜこのような戦略になるのか、私は「ハイポイケット」が原因であると考えています。
OOPはAA~JJのペアを一方的に持っており、大きな脅威を示しています。
そこでJ high以下のドライボードでは、OOPのハイポケットがかなり強いため、IPはレイズの選択肢をあまり持たないと思われます。
しかし、A highやストレートボードだと、ハイポケットによるアドバンテージが減るため、レイズの選択肢が出てくるのではないかと考えています。
OOPがCB過多の場合
SB vs BTNの3bpにおいて、ハイカードが落ちた時、全レンジで安ベットを行っているプレイヤーは多いのではないでしょうか。
そこでT high以上のボードが出た時に、OOPが全レンジで30%ベットを行った場合、IPの戦略がどのように変化するか見ていきます。
OOPがGTO通り及び全レンジCBを行った時のIP戦略の平均値を以下に示します。
全体の戦略を見るとわずかにRaise頻度が上がり、fold頻度が下がることが分かりました。
ではIPの戦略が劇的に変化するのはどのようなボードでしょうか。
OOPの戦略が元々ベット頻度が高いボードでは、GTOと全レンジにあまり違いが生じないので、OOPが無理やりベットしているボードの方が、IPの戦略が変化しそうです。
OOPのベット頻度が低いボード、すなわちmonotoneです。
As9s3s GTO
monotone(特にA high)はOOPのベット頻度がかなり低くなる傾向があります。それに対してIPはレンジの3%程しかRaiseを返していません。
As9s3s 全レンジ
As9s3s 全レンジ
しかしOOPが全レンジでCBを打ってきた場合、IPのRaise頻度が3%→26%へ跳ね上がりました。
また、Aとローカード2枚のようなボードでも同様なことが起こります。
As4h3s GTO
As4h3s 全レンジ
Raise頻度が4%→20%へ上昇しました。
OOPが本来出来ないゆるCBをしてきたら、IPからお仕置きRaiseをしてあげてください。
IPがRaise過多の場合
最後にOOPのCBに対して、IPがRaise過多の場合、Raiseされた時のOOPの戦略を見ていきます。
ボードは比較的Raise頻度が高いAsJh4dを選びました。
AsJh4d GTO
IPはOOPのCBに対して、レンジの20%程でRaiseを返します。
OOPはそれに対して、AK,AJやJヒット(2Pブロッカー)、ストレートドローでレンジの20%程でRaiseを返しています。
ではIPのfold頻度を変更せず、Raise頻度を2倍にしてみます。
AsJh4d IP Raise過多
IPのRaise頻度を40%程に設定しました。OOPの戦略はどのように変わるのでしょうか。
結果はOOPのRaise頻度が20%→80%へ爆増しました。
IPがRaise過多の場合、OOPはマージナルなハンドをコール止めするのではなく、覚悟を決めてRaiseを返していくことが重要になります。
まとめ
今回の結果をまとめます。
最後に今回使用したexcelシートを公開します。
いかがだったでしょうか。
最近はレンジCBが一般化してきているので、正しいボードでIP Raiseを行えば、OOPを慣れない状況へ落とし込むことが出来ると思います。
ぜひこの記事で読んだことを実践でも活用してみてください!
記事の感想やリクエストはいつでもお待ちしております!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!