滑ったAKの扱い方
こんにちは!Naokiです。
突然ですが皆さんはAKが好きですか?
プレミアハンドと言われていますが、フロップ以降に滑り、ポケットやスーコネにポットを取られる経験は誰しもがあるかと思います笑
「AKは使いづらい」
「AKはよく滑るから弱い」
と言っている方もよく見かけます。
果たして本当にそうなのでしょうか?
下記画像はPokerStarsの25zにおいて、AKのみをフィルターにかけた収支です。
赤色:相手を下ろして得た利益
緑色:利益
黄色:オールインEV
青色:ショーダウンでの利益
上のグラフを見ると明らかな通り、AKは利益をもたらすプレミアハンドです。しかし、ショーダウンで勝つのでは無く、積極的にベットして相手を下ろすことで、利益を上げています。(実際ショーダウンの収支はほぼ±0です。)
そこで今回の記事は、BTN vs UTGの3bpにおいて、滑った後のAKの扱い方について検討しています。
ぜひ最後までご覧ください!
ピオソルバーの設定
集合分析の結果に入る前に、piosolverの設定を記します。
※読み飛ばしていただいても構いません
プリフロップレンジ
BTN 3bet
flop 30% raise 40%
turn 80% raise 40%
river 80% raise 40%
計算精度:1.0
今回はベットするかしないかを議論すべく、ベットサイズは一つに固定しています。
ボード
集合分析には比較的ベット頻度が高いQ~T highのボード(モノトーンを除く)、62フロップを使用しました。
評価方法
AKのスートを下記基準で評価しました。
基準を満たしていれば1点を付与し、合計点とベット頻度に相関があるかを検証します。
1.フラッシュドローがあるか
2.ストレートドローがあるか
3.トップペアをブロックできているか(A)
4.トップペアをブロックできているか(K)
5.相手のバックドアコールレンジをブロックできているか(A)
6.相手のバックドアコールレンジをブロックできているか(K)
7.相手のバックドアフォールドレンジをブロックしていないか(A)
8.相手のバックドアフォールドレンジをブロックしていないか(K)
9.トリップスをブロックできているか(A)※ペアボードのみ
10.トリップスをブロックできているか(K)※ペアボードのみ
一つずつ説明していきます!
0.ブロッカーについて
内容に入る前に、今回の検証で使用した考え方を示します。
ご存じの方も多いと思いますが、下記動画でヨコサワさんが言っている
「リバースブロッカー」の考え方を使用しています。
詳細は下記動画をご覧ください。
1.フラッシュドローがあるか
フラッシュドローがあれば1点を付与します。
2.ストレートドローがあるか
ストレートドローがあれば1点を付与します。
3.トップペアをブロックできているか(A)
UTGのコールレンジは基本的にスーテッド or ポケットで構成されています。
そこでAのスートとフロップトップカードのスートが違ければ、相手のトップペアを一部ブロックしていると判断し、1点を付与します。
例)Js8c4d 2hにおけるAdKcとAsKc
AdKcは相手のAdJdをブロックできているので1点。
AsKcは相手のAsJsをブロックできていないので0点。
4.トップペアをブロックできているか(K)
上に同じです。
5.相手のバックドアコールレンジをブロックできているか(A)
ターンのダブルバレルにUTGがコールするところは、フロップからのフラドロやターンで伸びたバックドアフラドロがあります。
そこで、フラドロ(バックドア含む)をブロックしていたら1点を付与します。
例)Js8c4d 2sにおけるAsKdとAcKd
AsKdは相手のAsXsをブロックできているので1点。
AcKdは相手のAsXsをブロックできていないので0点。
6.相手のバックドアコールレンジをブロックできているか(K)
上に同じです。
7.相手のバックドアフォールドレンジをブロックしていないか(A)
逆にターンのダブルバレルにフォールドするところは、伸びなかったバックドアです。そこで、相手の伸びなかったバックドアをブロックしていなかったら1点を付与します。
例1)Js8c4d 2sにおけるAsKdとAhKdとAcKd
AsKdとAhKdは相手の伸びなかったバックドアであるAcXcとAdXdをブロックしていないので1点。
AcKdは相手の伸びなかったバックドアであるAcXcをブロックしているので0点。
例2)Js8s4d 2sにおけるAsKcとAhKcとAdKc,
AsKcとAhKcは相手の伸びなかったバックドアであるAdXdをブロックしていないので1点。
AdKcは相手の伸びなかったバックドアであるAdXdをブロックしているので0点。
8.相手のバックドアフォールドレンジをブロックしていないか(K)
上に同じです。
9.トリップスをブロックできているか(A)※ペアボードのみ
UTGのコールレンジはAQs~A9s、A5s~A2sなので、Q~9、5~2がペアボードの時、Aのスートとペアのスートが違ければ、トリップスを一部ブロックしていると判断し、1点を付与します。(※QQ55等のダブルペアボードは除いています。)
例)QcJd5h 5cにおけるAsKdとAhKd
AsKdは相手のAs5sをブロックできているので1点。
AhKdは相手のAh5hをブロックできていないので0点。
10.トリップスをブロックできているか(K)※ペアボードのみ
UTGのコールレンジはKQs~KTsなので、Q~Tがペアボードの時、Kのスートとペアのスートが違ければ、トリップスを一部ブロックしていると判断し、1点を付与します。(※QQ55等のダブルペアボードは除いています。)
例)QsTdTc 7sにおけるAcKsとAcKd
AcKsは相手のKsTsをブロックできているので1点。
AcKdは相手のKdTdをブロックできていないので0点。
例 Jd5s3s 7cの時のAhKs
・フラドロなし(0点)
・ストドロなし(0点)
・Aトップヒットブロックあり(1点)
・Kトップヒットブロックあり(1点)
・Aバックドアコールレンジブロックなし(0点)
・Kバックドアコールレンジブロックあり(1点)
・Aバックドアフォールドレンジブロックなし(1点)
・Kバックドアフォールドレンジブロックなし(1点)
合計点 5/8
例 JsTd3c 3sの時のAsKd
・フラドロなし(0点)
・ストドロあり(1点)
・Aトップヒットブロックなし(0点)
・Kトップヒットブロックあり(1点)
・Aバックドアコールレンジブロックあり(1点)
・Kバックドアコールレンジブロックなし(0点)
・Aバックドアフォールドレンジブロックなし(1点)
・Kバックドアフォールドレンジブロックあり(0点)
・Aトリップスブロックなし(0点)
・Kトリップスブロックなし(0点)
合計点 4/10
集合分析結果
集合分析の結果、37708サンプルを取得しました。
横軸を点数、縦軸をベット頻度にしたグラフ及びそれぞれの相関係数を以下に示します。
相関係数:0.85
相関係数:0.84
相関係数を見るとそれぞれ0.8以上なので、点数とベット頻度に正の相関があることが分かりました!
しかし両方とも最大値より1点低い点数の時、ベット頻度がかなり下がっていることが分かりました。
中身を見るとフラドロがかなり関係していました。
フラドロに関して
今回の評価方法上、フラドロの時点で、バックドア系のブロッカー条件を全てみなすことになります。
また、Aハイのフラドロはチェックレイズオールインが返ってくるともったいないので、ボードにもよりますが素直にチェックバックすることも多いです。
なので、フラドロを評価に入れると、ベット頻度に影響を与えるのではないかと思いました。
そこで、上記の方法の中からフラドロを抜いた条件で再度同じことを実施します。
集合分析結果(フラドロ抜き)
集合分析の結果、34221サンプルを取得しました。
横軸を点数、縦軸をベット頻度にしたグラフ及びそれぞれの相関係数を以下に示します。
相関係数:0.97
相関係数:0.96
フラドロを抜くと相関係数もかなり高くなり、ほぼ線形のグラフになりました!
条件の個数を数えてベット頻度を考える戦略は割と使用できるのではないかと思います。
では実戦でどのように考えるか見てみましょう!
実践の思考
preflop UTG open → BTN 3bet → UTG call
flop UTG check → BTN 30% bet → UTG call
turn UTG check → BTN ?
board Jc4d3s 9d
AhKdの場合
「トップペアは2つブロックしてて、後ろにダイヤが伸びてKdを持っている。そしてAhとKdはバックドアでコールしてターンで降りる所をブロックしていないから点数的には5点か、、、。よしベットしよう!」
AsKhの場合
「トップペアは2つブロックしてて、後ろにダイヤが伸びたけどダイヤは持っていない、、。Asはバックドアでコールしてターンで降りる所をブロックしている、、。強いて言えばKhはバックドアでコールしてターンで降りる所をブロックしていないから点数的には3点、、。今回だけベットしようかな!」
AsKcの場合
「トップペアは1つブロックしてて、後ろにダイヤが伸びたけどダイヤは持っていない、、。AsとKcはバックドアでコールしてターンで降りる所をブロックしているから点数的には1点、、。よしチェックしよう!
まとめ
いかがだったでしょうか。
実践では必ずしもこの戦略通りになるとは限りません。
しかし、上記のブロッカーの考え方は必ずどこかで役に立つと思うので、ぜひ習得してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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