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狙いが分かった北関東ダービー
待ちに待ったJリーグ再開。水戸ホーリーホックはザスパクサツ群馬と対戦。結果は3-1の圧勝。水戸の狙いとは?最後の「無駄な失点」は気の緩みだったのか?などなど、少し真面目に試合を振り返っていきます!
スターティングメンバーとフォーメーション
両チームともにフォーメーションは4-4-2。
ハイライトはこちらから☟
事前の予想通り、水戸がボールを握る展開となった。これは守備でも言えることだが、中断明けとは思えないほど水戸の選手たちは躍動していた。攻撃では積極的に前を向き、守備では球際に激しく行き前線からのプレスもサボらず行う。切り替えも早かった。
自分たちが動くことで相手を動かす
では水戸の攻撃の形を説明していく。狙いは人が動いて空いたスペースやフリーになった人を使うことだ。
例をいくつか挙げよう。1つ目は相手のDFラインとMFラインを広げてチャンスを生む形だ。中山が相手DFラインに張り付き、松崎がサイドで走ることにより群馬の4バックを押し下げ、フォーメーション通りの位置(つまりDFが前に来ない)にいさせることができる。そうすると、DFラインとMFラインの間のスペースが広がる。CHからボールが出る際、ボールを受ける人がそのスペースに入ってくることで、MFの視野外かつDFがすぐに対応できない場所でボールを受けることができた。
2つ目の例は相手のサイドと中央の間を広げてそこからチャンスを生む形だ。前嶋にボールが出た際に、松崎が下がってボールを受ける。そうすると群馬のSBとSHは前嶋と松崎の対応のためにサイドにいる。そして群馬の両CBは中山のマークをしている。つまり、群馬のサイドと中央にスペースが生まれる。通常というか私はその場合CHの選手がそのスペースを消すと思うのだが、群馬はそうしなかったため、広がったスペースに入った奥田にボールが渡る。こうして生まれたのが前半30分の中山の「決まった!!!!!」と水戸サポみんなが思ったであろうシュートに至る形であった。
こうして水戸は自分たちが動くことで空間的にも時間的にもスペースを得ることができた。ちなみに、この形は群馬のプレスが緩かったことも関係している。群馬は水戸のCBやCHへそれほど激しくプレスをかけてこなかった。そのため水戸の選手たちは狙った場所にパスを送ることが容易かった。ただ、群馬はボールが深い位置に入ったときには激しくボールを奪おうとしてきたので、水戸は縦パスを入れて前がかりになったときにボールを奪われピンチを招くシーンも少なくなかった。
自分たちで動いて作ったスペースを相手に使われるのは癪だよな
水戸はボールをとられた後(ネガティブトランディション)がとっっっって早かった。すぐに起陣し、プレスをかけた。
しかしこのプレス。奪われてすぐ(つまり群馬が後ろで繋いでいない場合)はCHの2人が行った。………ということは奪いきれないと真ん中がスッカスカでそのスペースを相手に使われることになる。実際、前で取り返せずそのスペースを使われて攻撃を許すシーンもあった。CBのカバーや相手のミスに助けられ決定機にはならなかったが、真ん中スッカスカ問題は今後もお付き合いすることになりそうである。
群馬さん、君たちは何がしたいんだい?
ここからは群馬の狙いについて。と言ってもあんまりよく分からなかったので、群馬の話は群馬の人に聞こう(ニッコリ)
一応私が分かったことを2つ書いておく。攻撃の狙いは裏に抜けた選手へロングボールを出して突破する、もしくは上記のように真ん中を使って前を向く。またまた別の形だと、サイドからのクロス。ただ、どの形もミスをしてしまったり水戸に対応されたりして決定機とはならず。守備は水戸とは対照的で、あまり前から行かずDFラインや相手FWにボールが入ってから対応していた。
得点シーン分析!!!
一通り水戸と群馬の狙いをお伝えしたので、得点シーンの説明していきます。
1点目
1点目はコーナーキックから中山のヘディングシュートが決まりました。セットプレーのことは全然分からない(いや、ビルドアップからの攻撃も分かんないけどさ)ので、ざっくり事実と考えを書いていきます。違っていたら教えてね!!!
前半は一貫して右サイドからのCKは外山が、左サイドからのCKは安東が蹴っていた。得点シーンは右サイドからのCKなのでキッカーは外山。この時点でCKは5本目、外山が蹴るのは3回目。というわけで、過去4回のCKがどんなものだったのかを見てからこのシーンを説明します。
1本目は左サイドから安東が蹴り、ショートコーナーで松崎へ。松崎が中山に落とす形を狙ったと思われるが、DFにクリアされる。
2本目は右サイドから外山が中へ高いボールを上げた。しかしDFにクリアされカウンターを受けた。
3本目は左サイドから安東が中に上げる。しかしボールはGKにパンチングされる。
4本目は右サイドから外山が蹴った。今度はショートコーナーで松崎へ。うまく収めきれず最終的にはファールをしてしまった。
得点した5本目。動画はこちらから☟
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) June 27, 2020
🏆 明治安田生命J2リーグ 第2節
🆚 #ザスパクサツ群馬vs水戸ホーリーホック
🔢 0-1
⌚️ 34分
⚽️ 中山 仁斗(水戸ホーリーホック)#Jリーグ
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/0lQmWRNGsY
右サイドから外山がニアサイドに蹴った。このとき中央にいたCB2人は別の動きをする。ボニはニアに走り、細川はファーへ走る。ここからは私の推測だが、走り出した2人に混乱し、中央ではマークがあいまいになり、ニアから流れてきたボールが中山に渡り、フリーでシュートできたのではないか。ただ、一応事実に即しているとはいえ、いくら何でもプロの選手がそんなことで混乱するか???とも思います、ええ。
2得点目
群馬の守備があまり激しくないことは上述しましたね。2得点目はまさにこの群馬の甘い守備のおかげで得点できたと言えるでしょう。多分。動画見れば分かる。見て☟
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) June 27, 2020
🏆 明治安田生命J2リーグ 第2節
🆚 #ザスパクサツ群馬vs水戸ホーリーホック
🔢 0-2
⌚️ 71分
⚽️ 中山 仁斗(水戸ホーリーホック)#Jリーグ
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXLYeZ pic.twitter.com/V26CLJltjM
3得点目
3得点目は10本目のCKで生まれたものだった。1得点目のように全部見ていくので、さっき読んでなんじゃこの薄っぺらい内容!!!っ思った方は飛ばしてください。
さてさて、6本目のCKからは後半に蹴られる。後半のCKは山口が投入される前は前半と同じ形で、山口が入ってからはすべて山口が蹴っていた。しかもショートコーナーは1本もなかった。
6本目のCKは安東が蹴り、ボニがシュートをした。
7本目は外山が中山へ上げてシュート。残念ながら枠外。
8本目は外山が細川を狙うがGKにキャッチされてしまう。
9本目は山口が入ってきたので山口が蹴る。中で構えていたボニにボールが上がるが、うまく当たらなかった。
得点につながる10本目。動画はこちら☟
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) June 27, 2020
🏆 明治安田生命J2リーグ 第2節
🆚 #ザスパクサツ群馬vs水戸ホーリーホック
🔢 0-3
⌚️ 85分
⚽️ ンドカ ボニフェイス(水戸ホーリーホック)#Jリーグ
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXLYeZ pic.twitter.com/JYLOrqXe9c
山口からのボールは6本目と9本目で惜しいシュートをしたボニへ。このときボニのマークについていた相手DFは飛んでいない。過去の2本を見るにボニへの警戒を怠ってはいけないと思うのだが………どうなんだろうか。
失点シーン
水戸から見れば失点だけど、群馬から見れば「得点」なので得点シーン分析です!!!
分かりにくいと思うので、ちゃんと分かりたい方は動画を見つつ読んでくださいませ。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) June 27, 2020
🏆 明治安田生命J2リーグ 第2節
🆚 #ザスパクサツ群馬vs水戸ホーリーホック
🔢 1-3
⌚️ 88分
⚽️ 進 昂平(ザスパクサツ群馬)#Jリーグ
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/98kIWuP3IC
水戸はこのシーンの直前、乾が投入されてから右SBにいた外山と住吉が交代している。そして70分以降、群馬の攻撃は水戸の右サイドから行われることが多かった。
まずスローインからゲームがスタート。サイドにいた選手がPA内に移動したため、住吉はその選手についていく。するとサイドの守備が森&奥田vsスローインを入れる人&受ける人になる。ここで森はスローインを入れる人に、奥田はスローインを受ける人のマークにつく。スローインを受けた選手はボールを持つと前を向いた。このタイミングで奥田が食いつく。すると相手は奥田をかわし前進。
スローインを受けた選手はPA角にいた安東と対峙する。このシーンの前、安東と山田の間には相手選手が1人いた。安東がサイドに引っ張られることで山田だけがその選手を見ることになる。スローインを受けた選手はボニを背負っていた選手(多分岡田翔平)にボールを出す。岡田はボニを背負ったまま、山田がマークしているはずだった選手にパスする。安東が動き、PA内、しかも結構深い位置にボールが出たことで、マークが少し緩み、フリーに近い形でシュートされてしまった。
言葉多くて分かりにくいし、相手選手の名前調べて書けやって思う人多いですよね、私もそう思います。すみません。
で、ここからが本題。最初に言った、この失点は気の緩みから来たものか?という問いに対する答えは………分かりません!!!70分以降何度も右サイドからの前進を許していたし、誰かのせいにできるような失点の仕方でもありませんでした。一方、直前の選手交代も何らかの影響を与えた可能性もあります。失点するべくしてしたものかと言われると、それもうーんそうなの?という感じで、私には分からん!!!ごめん!!!
最後に
色々書きましたが、今回伝えたかったことは以下の3つ。
①自分たちが動くことで相手を動かしてスペースを作り出して攻撃してたよ
②真ん中スッカスカ問題があるよ
③力を入れたというセットプレー(CK)はこんな感じだよ
というわけで、北関東ダービー勝利!
次は千葉。どんな戦いを見せてくれるのか楽しみです!!!
おまけ
この試合を見ていて、奥田選手のスペースを見つけてそこにいる能力めっちゃ高いなと思いました。例として挙げたシーン以外でも空いたところには奥田選手が入ってきていました。
それから中山選手のマークを外す動きが上手!相手がボール(ボールサイド)を見ている間に、相手から離れたり視野外からポジションをとっていたりしていました。って言っても対峙していたのがSBだったので過信しているかもしれないですが………。
また、開幕戦ではGKも含めたビルドアップが何度もあったのですが、この試合では2回(私調べ)しかありませんでした。しかも2回のうち1回はそのままロングキック、もう1回は外山選手にパスを出すも結局ロングパスで一気に前線へボールが渡りました。群馬が前から奪いに来ないので、わざわざGKがビルドアップに参加する必要性がなかったとも、松井選手だったからとも考えられるなと思ったので、今後どうするのか注目したいです。