締めつけからの解放
結婚して15年。なぜか夫が自分たちの結婚式のDVDを見ていたのをきっかけに、新婚の頃のことを思い出していた。
あの頃、よく胸がしめつけられるような痛みがあったのだけれど、(幸せでキュンキュンしていたというわけではなく、本当に苦しむほどの痛み。)そういえばそれが今はすっかりなくなっている。新婚旅行のときも、ホテルに着いたとたんに胸が苦しくなって、起き上がれずにずっと背中をさすってもらっていたっけ。
家で夜中の2時くらいに猛烈に胸が痛くなって、救急で診てもらったこともあったり……。(原因不明と言われた。心膜炎かなあ?という曖昧な診断)あんなに苦しかったのに、それすら自分のデフォルト状態と思っていた過去の自分が怖い(笑)。たぶん5年くらいその状況は続いていた。
今になればわかるんだ、その理由が。
あの頃はたくさんのもので自分を縛っていたし、ちゃんと嫁をやろう、ちゃんとした社会人になろうと必死だったから。その締め付けが、「胸の痛み」という形であらわれていたんだ。
しかも、自分が縛られていることさえ気づいていなかった。
なんでだろう?なんでこうなっちゃうの?と、自分を責めていたと思う。
なんとなく、頑張っているのが原因なのかなーとうっすら感じていた。
「もっと甘えればいい」と言われるんだけれど、甘え方わからないし。「もっと気楽に」と言われるけれど、その方法がわからない。
わたしだって、深刻になりたくないんだよ。頑張りすぎは辞めたいの。でもできないの。と何度思ったことだろう。頑張るなと言われて逆ギレしたことも多かったと思う。
頑張るのをやめる
無理しない
それができないの。
だって、怖いから。
人から嫌われるのが怖いし。評価が下がるのが怖いんだもん。
もちろん、こんなこと当時は気づいてなかった。無意識でその怖さに蓋をするように頑張るしかなかったんだ。
小学校の頃からたくさん「嫌われる」という経験をして、それを避けるために、みんなの顔色を伺っていた。「頑張って大変な思いをしていれば、きっと私はきっと嫌われない」それも無意識に自分に埋め込んだプログラムだったように思う。
「わたし自動採点システム」も作動して、「今の行動は50点」「あー、今日の仕事は30点」と自分に低い得点与え続けていた。とんでもない自己採点!!
そんなんじゃ、しんどかったよ、わたし(号泣)。
このしんどさから抜けたいと思って、心理学も勉強したし、心のことはずっと探求し続けてきた。
そして、やっとやっと、自分が手に入れたいものが手に入った。それは、「自分」を自分でパワー満タンにできる力。どんな状況でも、落ち込んだり凹んだり怒ったりしても、「わたし」として生きる力。
これは、学ぶだけではきっと手に入らなかった。日々の「生きる」を真剣に取り組むことでしか。わたしという存在と、きちんと話し合っていくことでしか。
でも、いま、「縛られあきこ」(ちょっといやな表現)を思い出しても、すごくすごく愛おしい存在に思える。本当によく頑張ったよ!その状況で!!よくぞ自分と向き合ってくれた!!
夫が結婚式のDVDを見ながら「このころはかわいかったなあー」といい、息子たちは「おかあさんかわいかったんだねー」と言うけれど(笑)、わたしは昔も今も、わたしのことを本気で素晴らしいと思ってる。今書きながら涙が出てくるくらいに。
最近、わたしが息子たちへ向ける眼差しが変わってきた。「何しててもかわいいっ♡」とふとしたときに抱きしめてしまう。宿題をやらないでゲームに夢中になっていても。色塗りがうまくできないとブチ切れでギャン泣きしていても。これは、わたしが、わたしに感じている気持ちがそのまま外側に反映されているんだと気付いた。
結婚式のとき、彼は「笑顔の絶えない家庭を作りたい」と言った。15年たって、ここまで笑顔だらけの家庭になるなんて、思いもよらなかったよ。あの胸の苦しさがとれるとも、思っていなかった。予想外。ほんと予想外!!
全部、自分で創れる。幸せの中に自分の身を置くことは、全部自分で創れるんだ。
ウェディングドレス姿の私に教えてあげたい。