七月記
僕を通り過ぎていく時間が速すぎて
ことの記憶と
喜びや悔しさといった感情が形を成す前に
こぼれ落ちていってる気がする。
回想してみよう。
回想することでこぼれ落としちゃった感情を
1つ1つ丁寧に、それが崩れ落ちないようにそーっと手袋をつけて指紋すら
つかないように拾っていきます。
拾ってこの宝物箱に保管しておこう。
とりあえず近場の7月のことを。
7月はこの男から始まった。
エイトブリッジ篠栗さん率いる軍団
通称「Gメンズ」(Gは篠栗さんのささぐりのぐのGUのG)
このどこにも誰にも浸透していない認知されていない
Gメンズの集会が
軍団長の篠栗さんの招集により7月の初めごろに開催された。
軍団員は僕と月光トランポリンのごめんな齋藤。
この日が1か月前というのが信じられない。
もう数年前のことのように思う。
なんだかんだで月に一回ぐらいのペースでこのGメンズ会は開かれていて
主に近況報告と生存確認、
お互いの眼球の血走り具合を見て
どのくらい血眼で生きているかの確認をしている。
ライブでなかなか一緒になる機会がなくて
こうして時間をしっかり設けないと話せないというのは
まだステージが数段違うという証拠だろう。
いいねえ。
ずっと追いかけてる。
自分がもし
いろんな地のイベントに出て漫才しているのを想像したら
ヨダレが垂れてしまうし、
それどころではなく
体中の水分という水分がハイになって混乱して僕の体から逃げていくだろう。
そして僕は干からびる。
干からびる前にそんな想像は中止しましょう。
想像中止中止。
想像して干からびてたらきりがない。
それにしてもこれ見るとテレビ出てるなあ。
数日後の七夕の日。
「スリーミニッツメード」という
マリッジスター河本さんが主催してるライブに出させてもらいました。
この織姫と彦星が1年に1回だけ会える
特別でプレシャスなプライスレスなプリオリティカルそーサステックな日に
僕はJaaたけやさんと再会した。
5月に浜松漫才グランプリで会って以来2ヶ月ぶりの再会。
そんなもんかとも思うけどこの2ヶ月がやはり1年分くらいの感覚だったので
僕にとっては七夕の再会のように
特別でプレシャスなプライスレスなプリ(以下省略)な1日になった。
Jaaさんは今年の浜松漫才グランプリに出ようとはしていたらしいのだが
気付いたら申し込み期限が過ぎていて出損ねてしまい
今年は前説として参加させてもらったそうでした。
元々僕の地元“磐田市”にも住んで働いていた時期があったようで
それもあって親近感を勝手に持っていた先輩でした。
その翌日、7月8日。
月刊トランポリンに出た。
またごめんな齋藤に会った。
月光トランポリンが毎月開催しているライブ「月刊トランポリン」
いい名前じゃん。
僕はほぼ毎回、近所だからって理由でこのライブの手伝いに駆り出されて
裏方をやらされていたかと思えば
急に「シークレットゲストの登場です、どうぞ」って言われて
無理やり舞台に立たされてアタフタさせられる
(受付とかライブ中もそこらへんで電気つけたり消したりしてるから
お客さんにはもう見られてるから全然シークレットになってない)
とっても刺激的なライブでしたが
今回はシークレットゲスト枠ではなく
しっかり出演者として、ネタもさせてもらえる立場で出させてもらいました。
もちろんしっかり裏方の手伝いもしました。
この日一緒に出ていた「しらんやつら」さんという先輩コンビがもう
口に銃がついてるかのように
おもしろ言葉をかなりのスピードで連射してくる
お笑いガンマンなのである。
僕が一言、言葉を発射する間に
3エピソードトークをすでに撃ち込んできて
僕の体にはもう戦意喪失させられるほどの大きな穴が開いちゃってる。
今後は
2千メートル離れたビルの屋上辺りから
この2人には気付かれないように狙いを定めて
おもしろ言葉弾丸を狙撃して太刀打ちするしかない。
名前もおかしい。
しらんやつらの
”しらんやつ”さんと
”みおぼえがないやつ“さん
しらんやつとみおぼえがないやつ
もう存在してるひとじゃないみたい。
会ったことはあるのにどうしても思い出せない、
前世で会ったのか
それともこの世で会ったのにその記憶を何者かに消されているのか。
なにか不穏で奇妙な空気が名前から漂ってる。
10日、肉食ライブに出た。
たくさん知ってる人に会ったが
出番に遅刻してしまいバタバタしていてろくにあいさつも出来なかった。
そんな中、
前日から「明日の肉食ライブの後にメシでも食おう」と誘ってくれたのが
アマレス太郎さんだった。
以前いた事務所の先輩で
時々、なにかしらのお手伝いも頼まれたりする
親しくさせてもらっている。
人当りは良すぎるのに無口が過ぎるゆえに
誰とも仲良くならないらしい。
この前家の中を少し見させてもらったとき
人型をした不格好な手作りの等身大の人形が数体
無造作に横たわっていた。
その奥にはとても人の大きさではない
まがまがしいデカさの人形が玉座に君臨していた。
無口だからなのか、これは何なのかと聞いても
一向に口を開くことはなかった。
何度質問しても、口を真一文字結び
その上唇と下唇の極度の緊張により
限界をむかえたそのまわりの皮膚は裂かれ
顔の下部が血に染まっていたことがあったようななかったような。
あの部屋では何が行われているのか
赤く染まった口元は何を守っているのか
その夜も真相は明らかにならなかった。
そのままそのあと、
一緒のライブに出ていたメカイノウエさんが
近くにいるとのことだったので顔出してきた。
示された人気のない駐車場に行くと
メカさんが自転車を雑木林に前輪だけ突っ込むかたちで駐輪していた。
コーヒーを近くのスーパーの地下で買ってもらい
そこからまた別の
人気のない駐車場に移動した。
メカさんと二人で会って話すのは久しぶりだった。
中野駅前でメカさんがギターを弾きながら戯言を歌うのを
よく撮影していた時があった。
そのときも深夜ということもあってか周りに人の姿はなかった。
メカさん行きつけの銭湯に一緒に行った時
湯船につかって
2人で話していると
さっきまで同じ湯船の奥の方につかっていたおじいさんや
洗い場で頭を洗っていたキンタマ袋が以上に長いおじさんの姿は
いつの間にかなくなっており
浴場には誰もいなくなっていた。
消されたのか見えなくなったのかはわからない。
しかし確実に
メカイノウエさんのテリトリーに入ったとき、
対象の人間以外はその空間から排除される。
この能力を駆使して何を企んでいるのだろうか。
写真の右手を頭上に挙げたハンドサインは
その能力を発動させる動作なのだろうか。
今後も警戒していきたい。
七月記は後半に続く・・・
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