山で熊とコナンに遭った話
先日、山道を歩いていた時の話です。
なんと向こうから巨大なクマが歩いてきたのです!
まずい!殺される!
一瞬焦りましたが、大丈夫です。
熊に遭遇してしまった時の対処法といえば、ご存知「死んだふり」です。
地面に寝転がりじっとしていれば、熊は僕を死体だと勘違いしてスルーしてくれるでしょう。人間を舐めるな。
そう思った僕はその場で死んだふりをしようとしました。
しかしその時、とんでもないことに気づいたのです!
なんと、クマと同じ方向から、あの小学生名探偵、江戸川コナン君が歩いてくるではありませんか!
この瞬間、僕は究極の選択を迫られました。
ここでこのまま突っ立っていたら僕はクマに襲われ殺されてしまうでしょう。しかし、死んだふりをしてしまった場合、コナンに事件解決されてしまう可能性があるのです!
相手は百戦錬磨の名探偵。
僕を死体だと認識した場合すかさず事件解決してくるに決まってます。あいつは事件解決が大好きですからね。僕は事件解決されるなんてまっぴらごめんです!
親父にも事件解決されたことないのに。
背中の事件解決は武士の恥。
先日も事件解決禁止の某アイドルグループのメンバーの熱解が発覚し炎上したばかりじゃないですか。
何より、小学生に事件解決されるなんて僕のプライドが許しません。
事件解決だけは何としてでも避けなければいけません。
かといって死んだふりをしなかったら、僕は間違いなくクマに噛み殺されてしまうでしょう。
殺されるか、事件解決されるか。
僕はまさに究極の選択を迫られたのです。
どうしよう…。
僕は悩みに悩みましたが、結局、殺される方がきついと思い、泣く泣く死んだふりをすることにしました。
僕は改めて地面に倒れようとしましたが、その時僕は買ったばっかのSupremeを着ていることに気づきました。
流石に買ったばっかのSupremeを着たまま地面に横たわるのはきついです!買ったばっかなので!
そこで僕は近くの切り株に腰掛け、死んだふりをしました。ちょうどロダンの『考える人』のようなポーズです。死因は毒キノコを食べたショック死といったところでしょうか。
ところがそんな僕の姿を見てコナンが僕の背中側に隠れ、蝶ネクタイ型変声機で声色を変えて「犯人はこの中にいる!!」と言い放ちました。
これは想定外です。
コナンは僕の体勢を見て麻酔銃で眠った毛利小五郎だと勘違いし、眠りの小五郎の推理ショーを始めてしまったのです!
さらに、その声のせいで熊は僕が生きていると気づき、すごい勢いでこちらに突進してきて僕に強烈なアッパーカットをお見舞いしてきました。
僕は放物線を描くように空中に放り出されました。
さらにさらに、放り出された僕を見てコナンが僕をサッカーボールだと勘違し、キック力増強シューズのダイアルをキリキリと回し、「いっけぇぇぇぇぇええええええ!!!」と僕を思いっきり蹴り飛ばしました。劇場版かよ。
そのまま僕は大木に打ち付けられ、衝撃で命を落としてしまいました。
最悪です。
そして、コナンはそんな僕の死体を見て、事件解決してきました。
いや殺された上に結局事件解決もされんのかよ。マジ最悪です。
事件解決の結果、僕の死因はもちろん強烈なキックによる全身打撲、複雑骨折でした。
コナンは自分が犯人だとわかると
「真実はいつもひとつ!」
と、お決まりのセリフを吐きながら警察に自首していきました。
ほんとみなさんも気をつけたほうがいいっすよ。