「フリーダとディエゴの最後の夢」
2023年6月25日(日)、サンフランシスコ・オペラの「El Último Sueño de Frida y Diego」を鑑賞。(午後2時からのマチネ公園)
スペイン語の表題、英語では「The Last Dream of Frida and Diego」、日本語にすると「フリーダとディエゴの最後の夢」。
メキシコ現代画家であるフリーダ・カーロと夫であったディエゴ・リベラの物語を現代オペラに。サンディエゴ・オペラ、フォートワース・オペラ、デパウ大学音楽学部、テキサス大学オースティン校などの協力を得て、制作されたもの。
作曲家ガブリエラ・レナ・フランク(Gabriela Lena Frank)の初オペラでもある。彼女は1972年サンフランシスコ対岸のバークレー市生まれのピアニスト、新鋭作曲家。母親がペルー人であることから、ラテン音楽で用いられる楽器なども取り入れている。
上演時間は1回の休憩も含めて2時間15分。有名なオペラが3〜4時間かかることを考えれば短いのかもしれないが、現代音楽のオペラにあまり慣れていないせいか(もちろん初めて聞く曲のみ!)、かなり難解だった。
救われたのは分かりやすいストーリと舞台で繰り広げられる色彩の美しさ。鮮やかな色とりどりの衣装や舞台装置が目を楽しませてくれた。
フリーダの終の住処となった「青の家」を連想される上演前の舞台幕。舞台全体が絵画の一部のようで、それを象徴するかのようにフレーム(額)で包まれていた。
フリーダはやはりソプラノではなく、メゾソプラノの歌手。ディエゴもテノールではなくバリトン。古典オペラの主役のほとんどがソプラノ&テノールであることを考えれば、やはり現代らしい。
さらに、重要な役割(?)かどうか、私にはその登場人物の意義がまだ掴めていないが、グレタガルボに憧れている男性/女性役にカウンタテナーが登場するなど、やはりとても画期的。
もちろん、オーケストラで使用されている楽器も先の伝統的なペルーの楽器であろうか(?)が使われているようだったし、シンセサイザーのような音源もあり。通常のいわゆるクラッシックなオーケストラとはこちらも違っていたようだ。
この続きを書くには、作曲者のガブリエルさんのインタビュー記事を読んだり、評論家の意見なども読んだり、できれば数回観ないと分からない。
現代音楽/オペラはわかりにくという先入観があるが、こうやって新しいもの作っていかないと前には進めない。今、新しいと思われているものも、100年後には古典になっていくのだから。荒波に揉まれて残っていく力強く、美しい作品になっていくような予感。
Composer: Gabriela Lena Frank
Liberetto: Nilo Cruz
Frida Kahlo: Daniela Mack
Diego Rivera: Alfredo Daza
Catrina: Yaritza Veliz
Leonardo: Jake Ingbar