ソーシャルビジネスをデザインする第4回「ソーシャル>デザインスプリント」
株式会社ニューロマジック、イノベーション担当執行役員の藤本です。
ニューロマジックでは、生産性向上のためのプロセス・イノベーション、ソーシャルビジネスデザインを担当。まちづくり中間支援組織のたまプラ・コネクト、猫と人間の共生社会を目指すコードフォーキャットとしても活動しています。
ニューロマジックに、サービスデザイングループができ、社内向けのデザインスプリント講習を皮切りに、企業向け、学生向けデザインスプリントのファシリテーターを務めるうちに、これは、ソーシャルビジネスと合うなと思いました。それは、異論があるかも知れませんが、介入するファシリテーターという立ち位置にあります。
いままで、有名な方々をはじめ、様々なファシリテーターによるワークショップに参加してきましたが、ファシリテーターは、場を作り、意見を引き出し、整理、結論をまとめることはするものの、自分の意見を介入させない、決定しないのが原則のようです。それに対して、サービスデザインスプリントのファシリテーター(スプリントマスター)は、グループワークに介入し、自分の意見を言い、結論を導きます。それは、単なるファシリテーターではなく、サービスデザイナーでもあるからです。
行政、企業、住民など、それも、多世代が参加するワークショップでは、なかなか、意見がまとまらない、あるいは、あらぬ方法に行ってしまい、戻ってこないというような経験をしてきたので、介入できる、積極的に介入してくれるファシリテーターの存在はとても有効であると思っています。
そんな介入するファシリテーターによるサービスデザインスプリントのプログラムをご紹介しましょう。テーマは、地域課題の探索。もちろん、これがゴールではなく、産官学民のプロジェクトとして立ち上げ、地域団体が自走できる仕組みを作り上げることが目的です。
まず、地域のみなさんに約束したことは、この3点でした。
1)みなさんが持っている地域課題が起点となる。
2)課題探索が目的で、アイデア出しが目的ではない。
3)ワークショップでは終わらない。ここがスタートである。
日頃から活発に地域活動をしている方々に集まっていただき、住民、企業、中間支援組織メンバーをバランスよくグループに配置し、サービスデザインスプリントがスタート。
アイスブレークの後、4つのスナップショットを続けて行い、まとめ作業を行います。前半の、この作業は、グループワークによる共有にポイントがおかれています。
・スナップショット(現在)どんな街なのか、現状認識をする。
IT企業からのプレゼンテーションをはさんで、
・スナップショット(2年後の未来)ITを使って、2年後の街を想像する。
・スナップショット(予想できる問題)理想の未来を実現するうえで、予想される問題を考える。
・スナップショット(○○できるかな?)予想される問題に対し、できることを投げかけるワーク。
・「まとめキャンバス」で、課題を整理。
このプログラムがよくできているなと思うのは、以下の点です。
・現在と2年後という未来というより現在の延長という時間軸の対比。
・企業のプレゼンテーションによって、コラボがイメージができること。
・まとめをつくることで、ターゲット目線で問題点の整理ができること。
ワークショップの後半はアイデア出しです。
4パートスケッチ(ノートをとる、アイデアを描く、クレイジーエイト、3ステップコンセプト)という、追い立てられるような個人ワークを行います。
デザインスプリントの特徴は、フレームを使った、強制的な個人ワークをベースに、グループでのシェア・討議を繰り返していき、ステップごとに投票することで、グループとしての方向性を決めていくことです。最後のグループ・プレゼンテーションの後は、全員で記名投票を行いました。
ここまで、サービスデザインスプリントを説明してきましたが、どんなワークショップにも応用すべきだと思うのが、この3点です。
・個人ワークとグループワークを組み合わせること。
・個人ワークはスピード重視。
・グループワークは対話重視。
・投票によって、関心領域を知り、方向性を決めていく。
ニューロマジックのサービスデザイングループでは
ソーシャルビジネスに限らず、あらゆる分野、目的でのサービスデザインスプリントを企画実施することが可能です。ぜひ、ご連絡ください。
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